「多くの方に見て欲しいが、放映されている映画館が少ない?」RED SHOES レッド・シューズ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
多くの方に見て欲しいが、放映されている映画館が少ない?
今年110本目(合計1,202本目/今月(2024年3月度)28本目)。
(前の作品 「ハンテッド 狩られる夜」、次の作品「海の上のピアニスト」)
万引きによる社会奉仕活動(後述)および、バレエ(踊るほう)を通じて、主人公の成長を描く映画です。
内容の趣旨、および字幕のマニアックさからもバレエ(踊っているほう)を習っている主に女性の方がターゲットにされているのかな、というところですが、男性の私が見ても結構よかった映画です。
日本ではバレエは文化の違いで映画や宝塚ほかなど以上に(チケット等が)取りにくいものっではありますが、日本にもバレエの公演はあります。
映画としての難をあげるとすると、バレエ特有の専門用語が字幕にどんどん出てくるので理解が難しいという点があります。もっともこの点、tohoシネマズ系では「購入すること、購入を検討する限り、前提にパンフレットの中はみても良いです」みたいなことがあってパンフレットが読めるようになっていたのですが、見た限りそちらには元バレエ選手(?)の方の専門用語まとめなどもありましたが、それは先に購入しないと難しいし、映画の放映中は真っ暗なので…。
ただ、日本ではバレエ文化はどうしても施設の設備の関係ほかからどうしても諸外国(どうしてもフランス・イタリア等のバレエが盛んな国)がメインで、日本では「バレエというものもある」程度にすぎませんが、日本でまったくないわけでもないし(行われているところはされているようなので、何ならチケットを購入してオンライン視聴もできる模様)、いろいろな文化に触れられる点でよかったです。
「しいていえば」「このバレエなどに実際に従事されている方、生徒さん、講師の方」などが想定視聴者層に来ると思いますが、上述通り日本ではそういった方は極端に少ないし、虫映画や犬(猫)映画などで「それらを見るだけでもいや」というタイプのものとは違うので(バレエを見るだけで嫌い、という方はいない?)、誰にでもおすすめはできます。
採点に関しては気になる点はないのでフルスコアです。
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(減点なし/参考/奉仕活動命令と日本の現状の違い)
アメリカ映画等では、軽犯罪(未成年の初犯の万引きなど)において奉仕活動命令が下されることがあります。「前科をつけない」という当事者への配慮のほか、実際に刑事訴訟やひいては刑務所の過剰収容、あるいは刑務所にいた方の今後の就職転職活動等に配慮してこうなっています。
ひるがえって、日本では1990年、2010年ごろに海外のこうした前例をもとにこれらの導入が法務省レベルで議論された経緯がありますが、「奉仕活動(たとえばトイレ掃除など)によっても職を奪われる人がいる」「日本においては、お金をとる罰金・科料ですますほうが良い」「何かあったとき、労災扱いされるかどうかの扱いが微妙」といった色々なことがらから見送られた経緯があります。
(※) 日本でこれらの導入が一時期議論されたのは「初版の薬物使用」というように「被害者なき犯罪」(「被害者」という概念が存在しない犯罪類型)においてです(ただ、この点に関しては実際に日本でも、初犯であればこれらが刑罰に触れるとしても「明確な被害者がいない」という事情があるので(単純所持等の場合は)、初犯である限り所持量にもよりますが刑の言い渡し上配慮されるようになっています。