「居場所の無い私達の映画。」箱男 春さんの映画レビュー(感想・評価)
居場所の無い私達の映画。
最近とても忙しく久しぶりの映画鑑賞となってしまいました。やっぱり逃げ場の無い暗闇で映画を視るのは良いです、視て良かったと感じた映画でした。
視る事は快楽で、視られる事は苦痛で嫌悪感を抱かせる。
視られる事の無い箱の穴から外を覗き視る主人公は画面を通して外界を覗き見し続ける私達自身なのだろう。
メッセージは明白でとてもシンプル、真っ正直に謙虚に名作文学を映像化した映画です。
箱男のルックも真っ正直に映像化していて、だからこそ滑稽でユーモラスで感動的です。
ヒロインの俳優さん金本さん、とても美しく視る事の快楽に浸れますが。ラストで男の救いようの無さにしっかりと冷や水を浴びせてました。主体性をもって視させてあげてたなあれは。
汚い街の隅っこの違法投棄のゴミ溜まりから箱に隠れた男が覗いてる、それは私達の姿なのでした。
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