劇場公開日 2025年3月21日

「関係者以外立ち入り禁止なら最初からそう言ってくれよ。」BAUS 映画から船出した映画館 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5関係者以外立ち入り禁止なら最初からそう言ってくれよ。

2025年3月22日
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鑑賞方法:映画館

青山真治が途中まで脚本を書いたようだ。作品の時系列としては一応、時間は「明日に」向かって流れているが、現在の人物と過去の人物が入り混じり、つまりは生者と死者が対話するような場面がある。このあたりが青山真治らしいのだろう。
ただ、ストーリーとしては本田家の内輪の話がほとんどである。特に、夏帆が演じているハマ(サネオの妻、拓夫の母)が出てくる戦時中、戦後すぐのあたりはNHKの朝ドラっぽくって面白くない。多分、演出が凡庸なのだろう。いい役者はたくさん出ているのだが。例えば光石研。屋台の親父を演じているのだが、中盤、突然、染谷将太と二人で屋台で話し込むシーンがある。この時、背景はすべて暗転し屋台だけがスポットを浴びる。でもそこまでに光石が活躍する場面がほとんどないので何のことだか観客にはわからない。
MEGがオープンして劇場が2軒になった。この時の忙しさを画面分割で表現しているがこれも突拍子もなく現れるので効果が薄い。
つまり全て演出が上滑りなのである。
映画の後半は現在の拓夫氏と早逝された娘さんとの、生者と死者の対話が現れる。BAUSの名前の由来もここで説明される。でもちょっと待て。この映画を作ろうとしたそもそもの狙いは、一つの映画館がその土地の文化に果たした役割を振り返ろうとしたのではないか?文化というとちょっと大げさかもしれない。そこに集まる人々の心に与えた影響というべきかもしれない。
この映画では、驚くなかれ、その肝心な部分がほぼ、欠落しているのである。少なくともBAUSシアターが、音楽のイベントにも貸し出されるようになった経緯、ロックバンドのメンバーが吉祥寺には他で演奏できる場所がないからと借りにきたエピソード(拓夫氏の著書やインタビューに出てくる)は映画でも絶対に取り上げなくてはいけなかったのではないか?それともそんなことは内輪では当然だからわざわざ取り上げることはないということなのか?
それって映画づくりの基本から外れている。つまり観客をカヤの外に置いてないか?

あんちゃん
uzさんのコメント
2025年3月25日

返信ありがとうございます。

ではやはり屋上にいた女性が奥さんだったんですね。
まぁハナエが奥さんだった場合、若い頃の姿と声しか出ないのはなんだかなぁと思ってたのでよかったです。笑
音楽葬は事実なのですか。
しかし特段描かれてもいない娘さんの葬列より、もっと見せるべきものがあった気がします。

uz
uzさんのコメント
2025年3月24日

ハナエって娘さんだったんですか!?
MEG時代にタクオと同年代で映ってたし、てっきり奥さんだとばかり…
BAUSの独自性はまったく描かれてませんでしたね。

uz