「容赦なし」ビーキーパー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
容赦なし
公開日が1月3日で、おめでたい中血生臭い描写が続く作品ではあるが、現代を覆う暗雲を吹き飛ばすにはもってこいの作品だった。
痛快というか、潔いというか。
田舎の農村から始まって行き着く先は、アメリカ大統領だ。この間、2日!爆速で悪を追い詰めていく。
怒涛の如く突き進むステイサムがこ気味いい。
もうややこしい事は全部無視で、このスピーディーな展開が爽快感に変わってた。
敵は年商10億ドルだったかを稼ぎ出す詐欺組織の親玉なんだけど、こいつが現大統領の息子で、彼女の大統領戦でも不正を働いた人物。より強大になった後ろ盾をバックに社会的な地位を築いている。
表の顔と裏の顔があって、彼の会社はどうやら福利厚生が充実しているっぽいし、結構な大手でもあるっぽい。ファーストアタックはその末端の会社なのだけれど、ここの警備員とのやり取りが、なかなかに味わい深く…「あんたらが警備してのは犯罪組織の会社なんだぞ?分かってるのか」とかなんとか。
コレを受けた警備員が絶妙に知ってそうな雰囲気を醸し出す。知らなくてただの不審者へ向けてのリアクションだったのかもしれないけれど、法律や体制、または社会に認知され守られてる犯罪組織なのだとわかる。もう盤石の体制なのだ。
そんな牙城を1人で壊滅させる養蜂家。
コレはコードネームで、彼は引退したエージェントっぽい。…後任のビーキーパーのキャラがあり得なくて、コイツを人選した組織って頭おかしいんじゃないかと思う。正義のせの字も感じられない。
標的にはホント容赦がなくて、命乞いなど聞く耳もたずで、圧倒的な武力と暴力で抹殺していく。でもおそらなくならCIAやFBIっていう連中はただの1人も殺してないように思う。
銃も防弾チョッキの上からなんだろうな、なんて事が射撃の姿勢から窺えたりする。
考えてみたらアクションもボディアクションばかりで、カーチェイスのような類いのものは一切ない。
物語もアクションも至極シンプルであった。
システムを護る為のビーキーパーだが、そのシステムを壊すようなものには、それが女王蜂であっても駆逐するのだそうな。
権力の監視者というか、公正な執行官というか…今の日本にこそ必要なんじゃないかとボンヤリ思う。
なんかそんな事も重なって、爽快感ではないにしろ、ビーキーパーの決断力とか実行力が心地よくもあったんだろうなぁー。
女王蜂を挿げ替えたいよ、ホントに。