「テンポがよければ様式が同じでも面白い」ビーキーパー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポがよければ様式が同じでも面白い
アクション映画が好きだから、ある程度観たことがある設定や展開であっても面白ければ問題ない。普通の生活をしていたこの人が、実は凄腕のヒットマンやエージェントだった!みたいな設定は定番であっても大好物だから仕方ない。そんな凄腕の人が身近で大切な人を守るため、もしくは大切な人(動物)の復讐のために悪い奴らをぶっ殺していく設定の映画が近年増えている。そこまでするか!?とも思うが、これはこれでアリだ。
本作も政府機関のエージェント版「ジョン・ウィック」のような展開。優しくしてくれたおばあさんが特殊詐欺にあって自殺、その復讐に燃えるアダム・クレイが悪い奴らを探し出してぶっ殺していく。いや、もう書いてしまうとあらすじはこれだけだ。黒幕がちょっぴり意外な人だったりして、そんなことありえる?とも思ってしまうがこの際その辺も気にならない。それくらいに話のテンポがよくて面白かった。
アクションもいろんな見せ方を工夫している感じがいい。格闘だけじゃなくてナイフ使ったり、銃を使ったり、敵の本陣に乗り込んでいくための工夫や、ちょっとした罠を仕掛けるシーンもあったりして…。様式がありきたりだからこそこういうところに工夫を凝らすのは正しい姿と言える。
悪い奴らが特殊詐欺をしているってのが現代的。最後はスカッとさせるために、ものすごく悪くて嫌な奴らとして描く。さすがに黒幕が格闘技に長けているって無茶苦茶な設定ではなかったが、金に物を言わせて、凄腕のやつらを待機させることで最後の盛り上がりを演出したのもよかった。
これ、続編できないかな。まだまだいける気がするんだけど。