「ステイサム無双はスカッとするけどちょっと物足りなさも」ビーキーパー 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
ステイサム無双はスカッとするけどちょっと物足りなさも
アメリカの秩序維持を司る秘密組織「ビーキーパー」の元隊員であるアダム・クレイ(ジェイソン・ステイサム)が無双の大活躍をするお話でした。引退して”ビーキーパー”=”養蜂家”として静かに暮らしていたクレイでしたが、優しくしてくれた隣人のお婆さんがサイバー詐欺に引っ掛かって200万ドル(約3億円)も奪われ、自殺してしまったことからこの詐欺集団への復讐を決意。
サイバー詐欺集団が仕事(?)をしている最新のオフィスビルに乗り込んで派手に爆発させるは、やり返しに来たチンピラ集団(と言ってもアメリカのことだから重武装しているけど)を秒殺するは、果ては大統領の私邸に逃げ込んだ詐欺集団の首領を追いかけて行き、FBIとか傭兵部隊と戦った上で勿論首領を仕留めるはと、痛快この上ない展開でした。
以上アダム・クレイ=ジェイソン・ステイサムの格闘シーンを存分に楽しめる作品でしたが、物語的にはちょっと物足りない面も。自殺してしまったお婆さんとのコミュニケーションシーンが浅いため、詐欺集団に対する怒りがそこまで湧きあがって来なかったことが一つの問題点(勿論詐欺集団は一定程度はムカつくんだけど)。もう少し助走部分を長くしてくれた方が、最後のカタルシスが大きかったように思われました。
また、終盤に登場する最強の敵との戦いでこそ手傷を負わされたクレイですが、全編を通じてピンチらしいピンチはなし。そのためあまりハラハラドキドキという展開はありませんでした。ステイサム無双を観てスカッとしたいならそれでもいいのですが、個人的にはもう少し山あり谷ありの方が面白かったかなと思ったところでした。
本作そのものとは関係ありませんが、引退して養蜂家になるというと、シャーロック・ホームズがそうでした。劇中のアダム・クレイもイギリス出身っぽかったし(ジェイソン・ステイサムもイギリス出身だし)、イギリス人は引退して養蜂家になるのが夢なのかしらね?
そんな訳で、本作の評価は★3.2とします。