殺人鬼の存在証明のレビュー・感想・評価
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後半の脚本は面白いが、、、 ネタバレ
時系列が行ったり来たりでわかりにくいのと、登場人物も突然特に説明もなくあらわれるので、わかりにくい。
そもそも、殺人鬼の取り調べをしているのに警察が刺されたり殺されたりとダメすぎるのも映画あるあるといえばなのかも。
ただ、脚本は最後まで読めなくて手のこんだ脚本で面白かった。
まんまと製作者の意図通りに!
2021年のロシア映画ということで、観る予定にはしていなかったのですが、
宮崎キネマ館の支配人さんに推奨いただき、鑑賞しました。
大量殺人犯とひとりを殺めた殺人犯がいる!というのが最終的にはわかるのですが、
そこまでへの持って行き方が素晴らしいです。
まんまと騙されたというか、連続殺人鬼が双子で、各々どういう末路を迎えるのか
というところに集中して観ていたところ、実はひとりだけ別の殺人犯がいるということに
まんまとひっかかりました。
いやぁ〜、近年多く(年間200本以上)の映画を観ておきながら、そこにピンとこない自分に対して
残念に思う一方、純粋に映画を楽しめている自分って得だな〜と思って、
前向きに捉えると映画がもっと楽しいということに、あらためて気づいた次第です笑
拷問とか尋問シーンが割と激しかったりしますし、
時間軸が過去と現在とか頻繁に入れ替わるため、観ていて非常に疲れますが
だいたいの人物を把握できたときに、面白さが加速する作品でした。
トリッキーではなく、シンプルではあるので、物語としてはわかりやすいと思います。
宮崎では1週間限定上映だったので、観ておいて本当によかったです。
勧めてくださった支配人さんに感謝!!
クズのお話です…
な~んか結局お前かよっ!
ってお話。
主役がホンっとクズ…
浮気して相手殺して隠ぺいして別の人を犯人に仕立て上げるとか。
そしてビックリしたのが妻!
元薬剤師だからって、少しずつ夫に毒を盛るとか怖い…
時代が行ったり来たりするのとグロい描写や激しい暴力シーンもあって終始緊張感を持って鑑賞。
作品としては嫌いじゃなかった。
真相に近づいていく同僚(後輩?)の人がステキだったな…
そしてロシア語が意外と心地よかった
ゴールデンカムイのアニメのおかげ?(笑)
結末
イワンのばか
なぜあの結末を選んだのか?
もう助からないと自分でわかったのか。
スベータへの贖罪なのか。
時間軸が切り替わるので、演者の年齢が違っているため、最初打たれた金髪がイワンかと。
奥さんの髪型も変わるし、人物相関図とかをパンフで確認して鑑賞後の頭の整理をしたかったのだけど…残念。
面白かったけど、イワンが真犯人ヤってなかったら、新たな事件が発生していたハズなんだけど、どうするつもりやったんだ?
あとあんな証拠を残すとか迂闊過ぎやろ…とは思った。
偽装書類の実在証明
てっきり『12日の殺人』のように捜査の闇や行き詰まりが中心になると思っていた。
未解決パターンも覚悟していたのだが、色々と予想外。
主人公のイッサは、プロファイリングを導入したり“チェスプレイヤー”に協力を求めたりと、柔軟に捜査にあたる。
反面、暴力を用いたり「必要なのは罪を負う者だ」と言ったりもする。
それ故に、ワリタへの尋問も正義感からか表面的な解決を求めてるのかが捉えづらかった。
しかし、そこに第三の理由があったとは…
ワリタを拘束してからは、そこを軸に過去へと行きつ戻りつするが、この辺が少し分かりにくい。
イッサと“美術館の女”との出会いは理解できなかった。
しかし、冒頭で1988年と1991年の事件をシームレスに繋げるミスリードなど、巧さも光る。
正直なにかと(特に精神病患者)都合のいい部分は見受けられるけど、個人的には許容範囲。
ただ、本作に限らずこの手の話では市民にどこまで情報が開示されているのかは示してほしい。
ワリタは間違いなく真犯人なのだろうけど、模倣の可否は重要な要素では。
時系列シャッフルのせいもあり、色々考えてしまって衝撃が逃げたのが少し残念。
このへんは自分のアタマの問題もあるが、綺麗に殴られるような感覚が得られればなお良かった。
とはいえ、真相の意外性も含め最近のサスペンスではかなりの秀作かと思います。
犯人は別にいた
当該作品をこれから見る方は、アンドレイ・チカチーロを知ってから見たほうが良いかと思い簡単ですが紹介します。
【アンドレイ・チカチーロとは?】
"赤い切り裂き魔"、"ロストフの虐殺者"等の異名を持つソ連時代のシリアルキラー。
1978年から1990年の間にかけ、52名にも及ぶ女性と子供の命を奪った。1992年10月に有罪判決を受け死刑となり、1994年2月14日に執行された。
チカチーロをモデルにしているのが、アンドレイ・ワリタという謎めいたイメージのあるキャラクターだが、では何故捕まらずに生活が出来たのかとなると、映画では説明されていないが…。
体液から採取する血液型と血痕から採取する血液型が一致しない!
これは10万人に一人いるかいないかの割合で特異な体質のおかげでマークされながらも決定的な証拠がつかめないために逮捕できなかった。
チカチーロをモデルにしたワリタを巡るやり取りと追及する側の刑事イッサ、そして記録係の警察官イワン。イワンが最終的に任意同行を求めた容疑者が現場で採取されたワリタの血液型の不一致を指摘され責任を追及され辞めてしまう。
イワンは警察官を辞めても真相を突き止めたい気持ちに変わりなく、警察が逮捕した双子の犯人ではなく別にいることを誇張するために被害者の妹と手を結び模倣する事件をわざと起こすことによりワリタの逮捕に繋がるのだが、それまでがイッサの不貞だったり、ワリタによる犯行と思わせながらの実はイッサによる犯行だったとか。
イワンもイッサも警察らしからぬアウトロー的なやり取りや手腕で追い詰めるのだが、過去と現在を行ったり来たりする独創的なストーリーは個人的には好きだったかも。
ただ頭の中でずっと考察していたから慣れないと疲れてしまうかもしれませんね。
自白に至る過程を章立てにして、1991年と1981年を交互に見せる難易度高めのミステリー
2024.5.7 字幕 T・JOY京都
2021年のロシア映画(138分、G)
10年前の事件の再捜査を強いられる捜査員が事件の全容に辿り着く様子を描いた犯罪映画
監督はラド・クバタニヤ
脚本はラド・クバタニヤ&オルガ・ゴロジェッツカヤ
原題は『Казнь』で「実行」、英題は「The Execution」で「処刑」という意味
物語の舞台は、ロシアのモスクワ郊外
数々の難事件を解決し、昇進を果たしたイッサ(ニカ・タバゼ)のもとに、ある一本の電話が入る
それは、彼が10年前に解決したはずの事件と同様の手口による被害者が出て、それによって「真犯人」の存在が浮かび上がってきたからだった
昇進パーティーも中断され、署に向かったイッサは、そこで被害者の女性キラ(アグラヤ・タラソーバ)から話を聞くことになった
キラは犯人に抑え込まれ、口の中に土を入れられて窒息させられそうになっていて、その手口がかつての事件と酷似していた
イッサはキラに見覚えがあり、それは彼女の姉ヴェラ(ユリア・スニギル)の葬儀の場であることを思い出す
彼女もまた非業の死を遂げていて、イッサはその捜査に関わっていたのである
イッサは再捜査を始め、犯罪現場の記録係イワン(エフゲニー・トゥカチュク)とともに、過去の事件を洗い直すことになった
そして、当時の捜査資料などを読み解き、アンドレイ・ワリタ(ダニール・スピバコフスキー)を容疑者と断定する
彼の住処を包囲し、逮捕したイッサは、警察ではなく、彼の家で取り調べを始めようと考える
部下たちは戸惑いを見せるものの、そこでワリタを拷問する形で、取り調べは進行していくのである
映画は全7章の構成で、「Важняк(ボス)」「Отрицание(否認)」「Гнев(怒り)」「Торг(交渉)」「Депрессия(鬱病)」「Принятие(受諾)」「Казнь(実行)」という感じに進んでいく
「否認」以降は劇中でも語られる「事実関係の認知の心理過程」になっていて、最終章は文字通り「処刑の実行」という感じで結ばれる
ワリタは自白をすることになるのだが、彼はひとつだけ「否認」を貫く
それが、ヴェラの殺害に関するものだったのである
物語は、1981年と1991年が交差して描かれる構成になっていて、1991年は時系列で再捜査の流れを描き、1981年〜1986年までは前回の事件の真相を順を追って示していく流れになっている
この構成に早めに気づければ混乱はしないものの、全7章内全てで2つの時間軸の話が展開するので、時系列の変化は合計12回ほどあったりする
それゆえに頭の中でシーンのパズルを作ることになるのだが、それがハマる瞬間というのは爽快なものがある
それでも、難易度高めの映画なので、繰り返し観ることで面白さがわかるタイプの映画であると言えるだろう
ワリタが自白を強いられる過程は、同時に真犯人が自白を強いられる過程にも似ていて、捜査が進むにつれて浮かび上がる事実というものは罪深いものがある
犯人を通して見えてくるものが、そのまま跳ね返ってくるようにも見えるところが面白くて、それゆえに知的好奇心をくすぐる内容になっているのではないだろうか
いずれにせよ、原題や英題では意味がわからないのだが、邦題は言い得て妙という感じになっていた
原題は7章のタイトルになっている言葉で、そこで英題の処刑が行われるのも趣がある
とは言え、かなり地味な作品で、人物の判別もかなりつきにくいので、精神的に疲れる映画であるというのは間違いないと感じた
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