ドリーム・シナリオのレビュー・感想・評価
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ただの偶然の夢なのか、悪夢への前兆か
何百万もの人の夢に現れて人気者になった大学教授が夢の中で悪事を働くようになり現実の世界でも非難を浴びる様を描きだす。ただの偶然の夢なのか、悪夢への前兆なのか。ニコラス・ケイジ主演の悪夢系スリラー爆誕。まさに”夢の続き”が気になる感覚と近しくそこにユーモラスを混ぜた不穏感。またアリ・アスターが製作に名を連ねてる文脈なりニコケイの芸達者ぶりが遺憾無く発揮される。端的にA24での「MEN 同じ顔の男たち」(‘22)の不気味感を連想した。シチュエーションが既に暴走してるためニコケイ自体の怪演もそれに相まって相乗効果的に上昇する。ニコケイの個性を最大化させたA24作品らしいヒトヒネリある奇怪な怪作へと昇華させる。
わざわざ「夢」の話にした意味はあったのだろうか?
何かをきっかけにして、いきなり「時の人」に祭り上げられたり、何も悪いことをしていないのに「民衆の敵」として憎まれたりと、ここで描かれている「夢」は、明らかに「SNS」のメタファーだと思われる。
身に覚えがないにも関わらず、周囲の人々から忌み嫌われたり、レストランから追い出されたり、職を失ったり、娘の学芸会を観られなかったりする主人公の境遇は、まさに「悪夢」そのものなのだが、それは、ネットでの「炎上」によって、現実世界でも起こり得ることだろう。
だからこそ、その理不尽さを身近なものとして実感でき、他人事ではない恐怖を味わうことができるのだが、それだけに、終盤の、他人の夢に入り込めるデバイスの開発という、まるで「インセプション」のような展開には、戸惑いを禁じ得ない。
そもそも、主人公が、どうして多くの人々の夢の中に出てきたのか、その原因が究明されていないのに、デバイスが開発できてしまうという設定自体がよく分からない。
ここは、「MOZU」のダルマの夢のように、屁理屈でもいいから、主人公が夢に出てきた理由を説明してもらいたかったと思う。
さらに、主人公が、そのデバイスを使って妻の夢に侵入するというラストも、結局、何が言いたかったのかがよく分からず、釈然としないものが残った。
こんなラストにするぐらいなら、わざわざ「夢」などという比喩を用いずに、SNS社会の危うさをそのままの形で描くことで、ファクトチェックの大切さや、情報リテラシーの必要性を訴えた方が、よほど心に響く話になったのではないかと思えるのである。
妻ほか脇役もなかなか
夢と無意識の関係をユング的解釈(無意識において人間はつながっているので他人同士でも似た夢を見ることがある)でとらえた面白い脚本。
平安時代とかの日本人もそれに近くて、夢にある人が出て来るのは自分がその人のことを気にかけているのではなくその逆だと思われていた(だから「なぜあの愛しい人は私の夢に出て来てくれないのか」となる)そうだけど本当だろうか。
不特定多数の人に知られていて勝手にいろいろ妄想されたりするのって怖いことなんだなあと思わせるストーリー。
「マルコビッチの穴」とかケイジ自身の「マッシブ・タレント」のように俳優の名声とキャラクターを知っているとより面白く見られるタイプのメタ映画です。さえない大学教授のケイジ、見ていて楽しい。
ホラー、スリラー描写は少なくて人間ドラマの要素多め
ホラー要素は少なめでした
予告観た段階で、ホラーじゃなくて色々な人達の夢に出てきてそこから色々あるという人間ドラマという感じでも面白そうだな〜と思っていたので、ホラー要素少なめでガッカリというのは自分は無かったです。
1人の平凡な男が、急に人気になり、そして自分は何もしていないのに周りから避けられてしまうという展開はとても発想が面白く中盤はどのようなラストになるのだろう?と興味を持って観れました
(でも1つ不満なのはあの女の人とキスするシーンは個人的には無い方が良かった。
1人の妻と家族を愛する真面目な男として描いて欲しかったです)
そして迎えるラストは正直言うと
結局どういうこと?
とはなってしまいました…
好きな人は好きだと思います。
あと自分は所々にカットが独特な所があったので何かあるのかな?と思いましたが特に無かったのは残念…
中盤に出てきた会社の壁に書いてあった、
Thoughts?
映画だと字幕で意見は?と書かれていて、携帯で翻訳してみると考えは?と出てきました。
これは観客に問いかけているのでしょうか?
思い返すと中々奥が深い気がします
現代社会の生きづらさについて奇妙な設定にて伝える作品
ニコラス・ケイジの粗相(しかも2度)
本人の事を何も知らないのに勝手に見た夢の中の出来事のみで、その人に対し皆が嫌悪感を抱き社会から抹殺しようとする。
本人は終始何かをしたわけではないにも関わらずひたすら周囲が騒ぐ、というまさにSNSが抱えている現代の社会問題に対し一石を投じるようなお話だが、正直言って皆んなそんな反応になるのかな?って思って観てた。
ニコラス・ケイジ演じる大学教授の意固地で空気の読めなさがより事態を面倒な方へと持っていくのだが、同じおじさんとしては共感の方が多かったかも。
アイコンになってるあのカーキ色のミリタリーコート「N-3B」は自分も持ってるが、暫く着るのは控えようと思うw
話の収め方が難しそうな種類の映画だなあと思って観ていたが、まああんな感じにしかならないんでしょうね。
他の人のレビューでもあったが、ラストは何故かデヴィッド・バーンのスーツで登場。
まさに「Stop Making Sense」って言いたかったのかなあw
何演じても怪演に見える怪優
うちでは、ある種の「ヘンな映画」「妙な映画」を、「ニコラス・ケイジが出てそうな映画」と形容してます。
この映画、まさに「ニコラス・ケイジが出てそうな映画」でした。
ちょっと気弱でお人好しで(間抜け)だけど、大学の生涯教授でそこそこ優秀だし、家庭円満で良い夫で普通の父で、何も悪いことしていないのに、まったく本人には責任ないのにジェットコースターのように持ち上げられどん底に急降下。
ミーム化されたら瞬く間に自分の預かり知らない他人の印象であることないこと拡散して運命が極端に乱高下する恐ろしさをひしひしと感じる。忘れられるのも早いが、その前に職を失うとか家族や友人関係が壊れるとか金銭問題とかで修復不可能、人生激変になってしまうこともあり、これは現代の新設災害と言っていいと思う。
ポールがひたすら気の毒。不条理極まりない話だが不思議な味わいがあり面白かった。
ニコラス・ケイジは、何を演じても「怪演」に見える怪優だと思う。
捨てられても奥さんを愛していて、ポールの立場なら普通に考えたら手を出しそうもないヤバげなノリオを使ってまで、妻の望む姿(肩幅バーンのデヴィッド・バーン)となり夢でも会いたい一途な健気さが逆にうすら怖い、さすが怪優です。
A24でアリ・アスター絡み、らしい映画でした。
24-134
ホラーとして見るのはやめといた方がいい
予告ではホラー映画館満載な印象だったが、怖さを感じる演出は少ない胸糞系作品だった。
ホラー映画として見に行くのはおすすめしない作品。
原因不明の夢によって主人公が延々とひどい目に遭い続けるだけな展開のストーリーであり、盛り上がりどころが足りなく普通に飽きが来る。正直スプライトのくだりは長すぎて寝かけた。
主人公が悪党で因果応報的な要素があればまだわかるが、ただの家庭持ち一般人がこの仕打ちなもんだから不快感だけが積もっていく。
夢に出てくる謎の人物といった都市伝説のThis Manのような題材は素晴らしかったが、映画だと心情を語り切るには難しいため、キャラクターの心情を深掘りできる書籍でやるべきではないかと思える惜しい作品だと思う。
胸糞展開な映画が嫌いという訳ではないが、自分はこの映画を二度とは見ないと思うしオススメはしない。
最後がよければ、、まぁ…
都市伝説で有名な「夢に出てくるあの男」を題材にしたと思いますが、、あまり動きが少ない映画の印象でした。
ホラーにもできそうだけどそうでもなく、何か歯痒さだけが残りました笑
まぁ終わりに奥さんの希望が叶って、終わりよければ全てよしってことだ!
良作だけど、もっと面白くできたのでは・・・
アリ・アスター制作、ニコケイ主演、A24と聞いたら映画ファンなら誰でもビットが立つ。しかもあらゆる人の夢の中にニコケイが出てくるストーリーって、アイデアが奇抜過ぎ、もう面白いに決まってる。・・・とどうしても観る前からハードルが上がっていました。
で、観た感想ですが、ニコケイの演技だけでも料金の価値あり。予想のつかない展開も悪くはない。ポールが夢の中に出てきてバズるあたりまでは十分引き込まれ、後半ポールが夢の中で悪魔チックな行動ばかり起こして、夢を見た人のトラウマを引き起こすあたりまでは前のめりに観てました。ただこのあと、人の夢に入り込んでCMまがいのことができる装置が唐突に出てきたあたりから、なんか違うなという感じ。家族が別居するけど完全に別れるわけでもないし、フランスでのエピソードも消化不良、いわばアイデアの風呂敷が大きすぎてたたみ切れなくなったような中途半端さを感じました。
もともとのアイデアが良いだけに、もう少し後半の展開がなんとかならんかったのかなと。
でもラストシーン自体は終わり方として悪くないし、トーキングヘッズの曲がエンディングなのも好みです。アリ・アスターが監督脚本なら、もっと強引で衝撃的な展開で終わってたのでは、と想像を膨らませるのもアリかと。
SNSが当たり前になっている昨今、問題定義されているようにも解釈できるし、いろんな考察もできるので、観て良かったのは間違いないです。
ニコ ケイ
うわ!まんまSNSじゃ無いか。
何げ無くポストした投稿が、ふらっと拡散にバズり、やがて論争の的になり世界からの攻撃を受ける。
全く悪意も無かったのに。
ってお話しで、決して松本人志のソレとは違うヤツです。
罪も無い自分がモンスター認定され、その後周囲、世界がモンスターになる話し、ラストにバズ投稿に広告がくっつき蔓延るのもSNSへの皮肉っぽくてオモロいw
で、どっからどこまでが現実で、どこまでが夢なのか解らない絵作りに演出、見てるこっちが夢か映画か?
って感じに落ち入らされた、お前は今敏か!?
パプリカか!?パーフェクトブルーか!?w
絵作りは見事にシナリオも面白かった、ちょいSFっぽくて好き。
やっぱさすニコケイ! ここぞで良い芝居すんねー!
クソダメ地味オヤジからサイコキラーまで。
何んだカンダ好きだわニコケイ。
仏頂ヒゲヅラが世界一カメラに映えるわ。
もう一生良い役者やってくれんだろな。
ただただ不憫
ある日様々な人の夢に出てきた大学教授、ある時から悪夢を見せ迫害される
なぜ突然こうなったのかは分からず悪夢をみたからと迫害していく人々の方二恐ろしさを感じ、また反撃しない人と思うからあそこまで執拗にし事故とは言え被害があればさもやらかしたと叫ぶ教職員たいった人々こそがホラーモンスターに見えました
またいきなり入った夢商売はむしろ夢の中にまで広告を打つ強欲さポールだけに負の面を押し付け自分達は白さしかないと主張する企業した学生達の傲慢さと無責任さは不快に感じてしまう
最後のスーツで妻を助ける場面がポールの少ない救い友の悲しさは心に来ました
アリ・アスター印
A24+製作アリ・アスターだし、予告編のおかげで、観る前から「胸くそ悪くて不条理」「なぜその現象が起きるかの謎解きはないまま嫌なことだけが起きる展開」と予想と期待して行く。
うん、予想通り、ちゃんとアリ・アスター。
『ミッド・サマー』じゃなくて、『ポーはおそれている』系。
無辜の人が、なんの心あたりもない無実の罪で嫌われ、排除されるネット社会を映したような内容で。
監督は『シック・オブ・マイセルフ』で、注目を集める承認欲求のため身体を薬で醜く爛れさせる女を描いたクリストファー・ボルグリだし、まぁアリ・アスターと波長は合うよね、って感じ。
途中まで面白かったのに、中盤から主人公が「絶対にやっちゃいけない悪手」だけを選んで暴走の挙句、よけいに立場を悪くしていくのが、ダメゾンビ映画で真っ先に襲われるバカにダブって見えて、イライラ&げんなりしてしまった。
最善手を選び、家族の意見を軸に対策したのに、結局世間の人たちからは理解を得られない焦燥…みたいな展開だったらよかったのに。
しかし、そんなかっこよくないダメキャラって、ニコラス・ケイジがめちゃくちゃハマりますね。
夢で会いましょう
ニコケイがあのナリで夢に出てきたら、何もしなくても不気味。ポールは進化生物学一筋だけれどもその世界でも突出しているわけではない。そんな教授が、そこら辺の人たちの夢に出てくるというだけで、バズってしまい、本人も舞い上がってしまう。
借金返済のためにB級はおろかZ級まで出まくって変幻自在となったニコケイだからこそ成り立つ作品。普通の俳優だったら無理。
いくら落ち目になったとはいえ、あのシーンをやり切るのがニコケイ。一生に一度あるかないかの夢のようなシチュエーションで、目も当てられない大惨事。まさに、夢でありますように。
一度はバズって有名になりたい。それがどんなものかを教えてくれる貴重な寓話でございます。
夢中人
自分だったら
夢の中へ行ってみたい?
この映画を人にお勧めはしませんが私には面白かったです。A24とアリ・アスターが贈る不思議なお話
夢で見た人を明確に覚えていて現実社会でこの人だと確定出来るなんて無理だろうと思うもののストーリーに飲み込まれていきました。
それにしても「俺が悪いのか?」に尽きるよね。
そりゃあ、あんまりだ。存在を否定されるなんてとんでもない事だぞ。ただ群集心理となると理屈が通用しなくなることはあるわね。
人の眠りの中に入り込んで商品を勧めたりする装置(NORIO)の開発実験を奥さんらがポールに仕掛けていたと言う事でいいのかしら。
睡夢に人生が狂わされるなんて本当に理不尽な事だ。あれ?これってひょっとしてSNSネット社会の事?
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