ドリーム・シナリオのレビュー・感想・評価
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サブ的概念を主軸にした是非
この作品そのものは難しくはないが、出来事に対する主人公ポールの内面を考えさせられる作りとなっている。
これは、夢と現実の境界が曖昧になる中で、名声を求めるポールの葛藤を描いたファンタジー・ドラマ。
ポールが他人の夢の中に登場することで一時的に注目を浴びるものの、その名声が逆に彼を孤立させるというストーリーが展開される。
さて、
皆が同じ人の夢を見るというのは邦画でもあったように思う。
トータルリコールの設定にあった「コブラ」のパクリ騒動を思い出す。
それはそれとして、自分がたくさんの人の夢の中に登場するというのはいささか気味が悪い。
夢の中で自分が危険にさらされている。
そこに登場するポールは、何もしないで去る。
似たような夢をたくさんの人が見始めたことで一気に有名人になるポールだったが、彼の目標はそんなおかしなことで有名になるのではなく、本や論文で有名になりたいことだった。
しかし、その事がきっかけで本の出版やスプライトのCMの話が舞い込む。
世界一興味深い人物
やがてポールはエルム外の悪夢のフレディと呼ばれるようになる。
さて、
この作品で面白いのが「SNSの終焉」を語っていることだ。
時に映画は陰謀論に満ち、これから起きることを描いていると囁かれることもあるが、実際夢をコントロールしてSNSの代わりになる日など来るのだろうか?
集合的無意識 新デバイス ニューロテクノロジー
物語は名声とその代償を描いている。
ポールが名声を求める中で、現実の生活とのギャップや内面的な葛藤。
そして夢と現実の境界 夢の中での経験が現実にどのように影響を与えるか、そしてその逆。
さらに、自己認識と他者の視点 他人の夢の中での自分と現実の自分の違いが強調され、自己認識と他者の視点の違い。
また、
「ドリームシナリオ」というタイトルは、映画のテーマやストーリーに深く関わっている。
このタイトルは、夢と現実の境界が曖昧になる中で、主人公が経験する出来事や葛藤を象徴しているようだ。
夢の中のシナリオ
主人公が他人の夢の中に登場することで、夢の中での出来事が現実に影響を与えるという設定。
理想と現実の対比
主人公が夢の中で経験する理想的な瞬間と、現実の生活とのギャップを強調している。
彼が「これが現実だったらよかったのに」と言う最後のシーンは、この対比を象徴しているだろう。
社会風刺
現代社会における名声や承認欲求、SNSの影響などを風刺的に描いているようにも思える。
このように、中々よく練り込まれた脚本だが、心の中心に刺さらない。
こころの中心 普遍的なことではない別のサブ的な要素にウエイトが置かれているので記憶に残らない作品になってしまったことが惜しかった。
濡れ場が情けなすぎる映画NO1
好きなシーントップ3
①映画史上1番情けない濡れ場
若い女の子に迫られて緊張して屁をこくおっさん
ベルトを外されただけで興奮して射精するおっさん
びっくりしてもう一回屁をこくおっさん
恥ずかしすぎてどうしていいか分からず家を飛び出すおっさん
そして女の子の「なんじゃあいつ」って顔しながらグラスを一口
②体育館でセラピー
学生達の1番遠い扉からやってくるおっさん
それを学生たち目線の遠距離カットで見せるから面白すぎる
正直このシーンだけで20分近く見れる
③謝罪動画が酷評
意を決して謝罪動画を公開するも、snsのお作法に則ってなかったので炎上
妻からも「あれはないわ」
主人公はずっと悪くないけど唯一落ち度があるとすれば、メディアに出て調子に乗ったこと
100%可哀想とはなんなかった
ってかなんかスカッともした
夢の再現度すごい
なんでがわかりきらないSF
サイエンス・フィクション=SF映画の定義は広い。
人の夢に出て人気者に、何もしないだけの無害さとはいえ
ニコラス・ケイジが夢に出てきたら、それだけでホラーだ。
たくさんの人の夢に出没する、この設定は面白い。
目だって人気者に。バズる感覚に近い。
不特定多数の実生活で知りえない人たちに、自分だけ
自分のことを知られる。有名人あるあるだと思うが
一般人にはそういった体験は縁遠い。
ここまではネタフリだ。映画はもうひと展開する。
夢の中で悪いことをする。ケガをさせたり、殺しに来たりと。
ん?ホラー映画か?そうだ映画内でも言われていた
フレディー感がある。ナイトメアな。
一転して嫌われ者に。シマウマのシマは目立つが、群れの中に
混ざると、ひと塊となって逆に個体がどこにいるのかわかりにくい。
これが、テーマというか物語の根っこみたいなものだと思う。
目立ってしまったポール(ニコラス・ケイジ)は、夢の中で悪さしたせいで
非難され、自分が所属するコミュニティーから追い出される。
仕事、家族、友人(あまりいないけど)。
これって、SNSに例えたら、あり得るはなしで。
自己責任の範囲を越えて、悪意ある受け取り方をされて炎上したら
総シバキに会って、自分が所属するコミュニティーにいられなくなることもある。
目立つってのは、生きていくうえで不便でもあるのだよと言われているようなの
だが、映画的にはオチが微妙で。インセプションのように、夢の中に潜入して
みたいなSFとは違う、もしかしてあるかもSFだなぁと。
本を書いていないのに、出版願望があるポールはどこか「明日から書くし」と
いっていた僕のようでもある。
夢オチでなかったのはよかったが、なんでポールが人の夢に現れたのかを説明
しようとしない。説明をガン無視する設定にSF映画的考えると微妙だが、説明
したところで「それ自体空想の話」なのでどっちでもいいかと。
立ち上がりがいい映画だっただけに、ちと残念。でも最後まで観られたのは
ニコラス・ケイジの演技力なんだろうなぁ。
夢で逢えたら
しがない大学教授ポールの身に起こる不可思議な現象。なぜだか世界中の人々が見る夢にポールが現れる。彼と知り合いの人だけではなく彼と会ったことがない人の夢にも現れるという。
ポールが自分に起きている現象を知ると、今まで人々の夢の中で何もしなかった彼が突然行動を起こし始める。
彼の講義で私語をしていたり受講態度が悪かった生徒の夢の中では彼らに襲い掛かり、若くて魅力的な女性の夢の中では性的な行為に及んだり。彼が他人の夢に入り込めることを自覚したとたん彼の中に眠る願望がそのまま行動を起こしたかのようだ。
コミック寄生獣の岩明均の短編作品で主人公が眠ると夢で他人の意識とつながるというテレパシストの話があったけど本作もちょうどそんな感じ。
世界中の人々の意識の中に同時に入り込めるというのはある意味インターネットに似ている。世界中の人々が彼を知り、そのことの不思議さに最初こそ楽しんで好感を抱いていたが、彼が夢で危害を加えだした途端彼を忌み嫌うようになり、挙句には彼に攻撃するようになる。彼が公の場所にいれば、誰かから必ずクレームをつけられ暴力まで振るわれる。これもいまのネット上でよく見られる光景。バズって注目されてる間は皆から面白がられるが、下手なことをして炎上したとたん周りからは誹謗中傷を浴びまくる。
ポールは娘の発表会からも締め出され、社会から抹殺されそうになる。家族への危害が及ぶことを避けるため別居を余儀なくされるポール。
このような超常現象がなぜ彼の身に起きたのか。彼が持つテレパシー能力なのか。この事件をきっかけにして他人の夢に入り込める通信システムが開発され、世界的ブームとなる。
ポールはそのシステムを使い自由に逢えなくなってしまった妻と夢の中で逢おうとする。
今まで目立たずに生きてきた彼が突然世間から注目され、これを機会に出版の夢を実現しようとする。しかし有名になれたのもつかの間、その弊害によりどん底に突き落とされる。
シマウマの縞模様は群れの中に入れば捕食者からは狙われにくくなる、群れから出れば途端にその姿は目立ち、捕食者に狙われる。しかしその目立つ姿は異性を引き寄せ求愛活動にも適する。ポールは世間の人々に注目されなくてもいい、愛する妻にだけ自分を見ていてもらえればそれで良かった。
彼は自由に逢えなくなってしまった妻と今も夢で逢い続ける。
異常な状況に巻き込まれてただ戸惑うニコラス・ケイジの役どころが可笑しいのと、少女の夢の中で彼が突然迫ってくるシーン(サスペリアパート2の気持ち悪い人形のオマージュ)には爆笑させられた。
ほんとニコラスケイジは理不尽な状況に追い詰められて困惑し破滅していく役どころを演じさせたらピカイチだと思う。
自分には何の非もないのに社会から抹殺されてゆく様は現代社会で今なお起きてるネットリンチを彷彿させた。
ニコラス・ケイジはこういう感じが面白い 86点
なんなら最初の夢から怖い
人々の夢に同じ男が出るという話。
まずこのポールという冴えない親父に、ニコラスケイジが本当にピッタリハマっている。素晴らしかったと思います。
人々の夢に出るポールと現実のポールの行動は一致していて、現実のポールが精神的に不安定になったりすると、夢のポールもどんどん暴力的になっていく。バイオハザード7のベイカーおじさんと風貌がかなり似通っているので、ホラーみがすごい。
夢がキーワードということで、ところどころぶつ切りになる演出やBGM、中途半端なカット、と不安になる要素満載。だんだんと暴力的になっていくポールも怖いところだが、当初の何もしないポールというのも不気味に感じてしまい恐ろしいと思ってしまった。
現実では何もしてないポールへの理不尽な迫害、ポールも相変わらず冴えないまま過ごし、キャリアも崩壊。挙げ句の果てには商売の対象になる始末。
そんな心ざわめく流れとは反するあのラストシーン。今まで観たどんな夢よりも穏やかで、切ないシーン。カタルシスを味わいました。
怖いわー
こういう炎上のスパイラル、あるよねー
もし自分の身に同じようなことが起きたとしても、ポール同様にロジカルに理屈で通そうとしても相手の感情に打ち勝つことはできず「なんで分かってくれないんだ!」と苛立ち、自分が被害者なんだと自分主体で主張してさらに反感を買って炎上のスパイラルに陥ってしまうんだろうなぁと思いながら鑑賞。有名になったことを、それがポジティブであれネガティブであれ、利用しようとアプローチしてくる企業が現れるところや、テクノロジーで瞬時に真似するところなど、ここ数年の世の中の出来事をニコラス・ケイジの巧みな演技で表現した作品でした。
作品が伝えたいのは“バズる“ことへの警鐘か。
何も特質するものを持っていない冴えない平凡な中年男性が知らないところで突然大バズり。
一躍人気を博するけれど、これまた知らない所で理不尽にバッシングされ、自分は何も悪くないのに一挙手一投足が批判の的に。
結局、よく分からない所で騒動は突然収まるけれど、シコリが残ってしまい元の平穏な生活には戻れず…
これ、今回の話は夢の話だったけれど、実際に起こりうる現象だなと感じた。
素人が突然誰かの発言でバズってTVに取り上げられ、消費されていく。
しかもよく分からない起業家に利用されるのもリアル。
最後にポールが炎に焼かれそうになる奥さんを救出して、抱きしめながら“これが現実ならいいのに…”と言って空に舞い上がって終わったシーンは悲しい、、
平凡な中年…
目立ちたい、認められたいけど、そんな才能もないし、準備もしてない、秀でるものもない。けれどアイデアだってあるし、自負もあると日日悶々としながらも平穏に暮らす普通の男。努力もせずに一躍有名になり、自我が一気に吹き出し、理想を語るが、これまた一気に周囲から叩かれ、家庭からも街からも追い出される。何もしていないが、跳ね返すだけの何かを持ち合わせておらず、何もできなかった。今のSNSの怖さを物語っている気もするが、ほとんどの人が持ち合わせていない非凡さ、特別な才能、つまりは普通の人あるあるを描いている気がする。
中年加害予備軍男性全ての業を背負う覚悟を見せるニコラス・ケイジ
何を象徴しているのか
主人公(ニコラス・ケイジ)は大学教授、どういうわけか見知らぬ他人の夢に現れ、たちまち有名人になってしまう。
当初は何もせず、ただそこにいるだけの存在だったが、次第に夢の中で凶暴化し、みんなから怖がられるようになる。
主人公にはなんの責任もないので、理不尽なこと甚だしいが、どうしても抗えぬため・・・。
今のSNS炎上騒動とは少し違うかな。
夢が主題だが、これはもう完全に、SNSを示唆してるなーというのが自...
夢が主題だが、これはもう完全に、SNSを示唆してるなーというのが自分の感想。
人の夢に自分が勝手に出てしまって、見せられる方に相当のインパクトを残す。
たかが?夢なはずなのに、そのひとの心に残って、実物を見た時に、見たことある!ってなる。
それって、SNSで、勝手に流れてきたものを見たときも同じことが起きていて、見ている方の頭にしっかり入り込む。
沢山の人の頭に入ったものはものすごい影響力を持つ。私も見た!という共感で拡散する。
たかが?夢に出てきただけなのに見た方の気分を大きく左右するほど影響する。
つまり自分たちも、インス〇などでなんとなく見ているだけでも、心は何かしら影響受けていて、ましてや、何度も過激な場面を見ていたら、どれだけ影響されて、
それが嘘か本当か、根拠なく、反応してしまう。
SNSでもほんとかどうか怪しくても、みんなが共感、いいねしてると信じてしまう。
SNSに洗脳されてる状態。それも自ら。
表面的なことだけなはずが思った以上に頭の中に入り込んで、行動にまで影響する。
こんな頭おかしいことある?っていう現状を、この主人公と、「夢」についてのストーリーで、現代社会に警告してるように感じた。
いちいち、SNSに置き換えて考えてみると、しっくりきて、驚くかも。
「悪い夢も人生の気づき」
アリ・アスターファンとして
ニコケイか・・・と思っても、アリ・アスターファンとしては料金払って見なければなるまいと、2025年初劇場。
設定が面白いけど、どんどん風呂敷広げるとたためなくなるよと心配しつつ、大ぶろしきをきれいにたたんだ「アイデンティティー」なんかをイメージしながら、話に入り込んでいた。
怖いし、ひどいし、どうしようもないし、ニコケイ気の毒・・・ってところから、どうオチをつけるかと見守っているうちにエンドロール。
やはり広げ過ぎた風呂敷はたためないってことがわかった。
自分はわからなかったけど、せめてなにかのメタファーだったってことならまだわかるんだけど。
今年も面白い作品や笑えるくらいしょーもない作品に出合えますように。
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