劇場公開日 2024年7月5日

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「やや天文的に正しくない描写はあるものの…。」THE MOON yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0やや天文的に正しくない描写はあるものの…。

2024年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年242本目(合計1,334本目/今月(2024年7月度)5本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

(前の作品 「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」→この作品「the moon」→次の作品「先生の白い嘘」)

 月の裏側に着陸してしまった宇宙飛行士をどう助けるか、という宇宙もの。月の裏側は地球から観測することができず(理由は小学4年で習います。知らない方は検索を)、月の裏側の写真それ自体は月探索が始まったころに数枚とられていますが、表側(普段みえるほう)と違って探索がほとんどされておらず、また表側とは違った天文現象も起きます。

 その部分に着目するとやや変かなという部分はあったりはするものの、天文の教育映画ではないですし、そこは仕方がないといったところです(主に満ち欠け関係)。

 ストーリーそれ自体はまったく架空のものですが、月の裏側については若干のことが知られている程度ではあっても未知ではないし、表側がよく観測されるし研究対象にもなるところ、月の裏側を扱ったというのは良かったかなといったところです。

 なお、「若干」、韓国の国威発揚的な部分もなきにしもあらずですが(他の方が書かれている通り)、まぁ月の探索を巡っては各国いろいろ科学技術を磨いて争っているわけであって、この程度なら許容範囲かなといったところです。

 採点上特に気になる点までないのでフルスコアです。天文について若干気になる点はないわけではないですがマニアックな話で(中学入試を受けるなら聞かれるかも、程度の話)、天文好きな小さい子がいれば一緒に見に行くのも良いのではと思います。

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 (減点なし/参考/「ソベク山」とは何か)

 映画内で何度か出ます。「山」というので単独のものを指すように見えますが、日本語では「山脈」といったほうが良いところです(韓国の1000m~2000mの山のつながり)。

 ただこの山脈(小白(ソベク)山脈)の中には、麗水順天事件(1948.10.19)で多くの被害者を出したチリ (智異) 山など、ある程度、当事者への配慮が必要な部分も含まれているところ、「チリ山」という表記は出てきません。ここは正確性を期すためには「山脈」とすべきだったのでしょうが、チリ山は今でも麗水順天事件との関係で当事者に対する差別意識が一定数あるのは事実で、ある程度ぼかすのは理解もするところであります。
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 ※ 何度か映画の開始前コマーシャルで流れていた「もし徳」が気になったり…。
(行政書士の資格持ちには憲法論的には突っ込みがありすぎてアレなんですが(内閣のメンバーの過半数は国会議員である必要があるなど)、この映画でそれを突っ込んでも仕方がないかなぁとか思ったり…)。

yukispica