罪深き少年たちのレビュー・感想・評価
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韓国の冤罪はえげつない
無実の罪をきせられた三人の少年の無罪を勝ち取る為に定年を二年後にむかえている刑事が奮闘する話し。色々とヤマ場はあったのだが、いまいちのめり込むことが出来なかった。おかしいな、絶対に面白い筈なんだよ?
大好きソル・ギョング主演だから間違いなく楽しめた筈なのに不思議。あ、男の出演者ばかりで女要素が少なかったからかな?韓国映画名物の「 口は悪いけど情に厚いオバちゃん」 がいなかったからかな?
Gilded
実話ベースの韓国映画で、申し訳ないことに事件のことは何も知らないまま鑑賞。
中々に胸糞なお話で、多少の脚色はあれど警察内部の汚い部分が全開で、これが実話って末恐ろしいなと思いながら観れました。
事件発生直後と現在を行き来する作りでしたが、混乱することなく観れましたし、役者陣も演技分けがうまくて観やすかったです。
早期に解決して昇進をしようとする警察たちや、さっさと仕事を終わらせたい検察の行動になんとか抗おうとする狂犬と呼ばれた刑事の葛藤と狂犬としての牙を再び研ぐ物語で、罪のない少年たちを犯人として仕立て上げ、独房にぶち込み、拷問をして、犯人だと思わせる卑劣な行動には観ているだけの自分も手が出そうになりました。
主人公周りの人物が良い人が多かったのが救いでした。
奥さんはもうめっちゃ良い人で、無茶する旦那に喝入れて厳しくも応援してくれる様子が最高でしたし、娘も父親の背中を見て警察になり、あまり描かれてはいませんでしたが、警察署を異動になった際も父親を責めずにやんわり受け流していて、孝行娘だぁってなりました。
恰幅のいい部下は今も昔もめちゃ元気で、主人公に振り回されつつも、ついていっては助けてくれて、時には軽く悪態ついてみてと、誇張はあれど良いキャラしていました。
裁判シーンではまだ逃げようとする警察や検事たちに、青年たちが声を上げて闘い、本当の事件の犯人が出廷して告白する、既視感こそあれど王道の展開に胸が熱くなりましたし、よく出廷してきてくれたなぁと拍手したくなりました。
警察のお偉いさんや検事の悪態のつき方や、逃げ切ろうとする様子は役者が上手すぎるのもあるのか、ちょっと実話であったリアルないやらしさとは離れちゃったんじゃないかなと思いました。
役者という仕事の難しさがここで出るか〜ってなりました。
実際の事件がこんなに杜撰なのか?と思ってしまうくらい雑なところもありましたが、権力でねじ伏せてしまえばこれくらいチョチョイのちょいなのかもなと思えてしまうのが怖いところです。
エンドロール前に流れる事件のその後で、やはり罪には問われなかった警察たちにはヤキモキしましたが、3人は無事に家族と暮らしていると表記があったので、そこは一安心しました。
なぜこうも隠蔽したがるのか、偉い立場になったことが無いので、そこんとこ全く分かりませんが、少しでもこういう事件が減っていってくれと願っています。
立場ってこうも人を狂わせるんだな…。
鑑賞日 6/17
鑑賞時間 20:10〜22:20
座席 H-6
被害者遺族の違和感を置き去りにしたために、設定に無理が生じているように見えるのが残念
2024.6.20 字幕 アップリンク京都
2022年の韓国映画(124分、G)
1999年に実際に起きた「サムレ・ナラスーパー強盗事件」を基に描かれる犯罪映画
監督はチョン・ジヨン
脚本はチョン・サンヒョプ
原題は『소년들』、英題は『The Boys』で「少年たち」という意味
物語の舞台は、全羅北道完州郡のサムレ(参礼)
映画は、1999年の事件発生の一幕を描き、2000年にファン・ジュンチョル(ソル・ギョング)が当地の刑事課に配属される様子が描かれて始まる
事件はスピード解決し、それによってチョ・ウソン(ユ・ジュンサン)一派が昇進したと告げられる
だが、その一年後に「真犯人を知っている」というタレコミによって事件が動いていく
通報者のイ・スイル(イ・ジョンヒョル)は、友人ヒョンス(ペ・ヨラム)が犯行に加わっていることを知っていた
ジョンチョルは少年たちが収監されている少年院に出向き、事の真意を問いただすと、暴力的な尋問にて自供させられ、調書も捏造されていたことがわかる
そこでヒョンスたちを警察に招き、そこで自白をさせるものの、ウソンと当時の検事だったオ・ジェヒョン(チョ・ジンウン)らの狡猾な体質尋問によって無に帰してしまう
それから16年後、様々な島流しを受けたジュンチョルは地元に戻り、定年までの2年間をそこで過ごすことになったのである
映画は、2000年と2016年を行ったり来たりする内容で、犯人とされた少年たちを被害者の娘ユン・ミスク(チン・ギョン)が保護している中で、再審請求をしようと動いている様子が描かれていく
だが、16年もの時が経ち、犯人たちは時効を迎えていること、少年たちが対質尋問にて2度目の自供を行ったことで、ジュンチョルはそれを覆すのは難しいと考えていた
それでも、少年たちが今でも人殺し呼ばわりされていること、昇進したウソンらの横暴さを見かねて、狂犬は噛みついてしまうのである
16年前の事件を冤罪だと認めされるのはかなり難しく、たまたまジュンチョルが自宅に持っていた資料とか、遺族が撮影した犯行再現のビデオなどがあったことが決め手となっている
とは言え、あの少年たちと青年たちの体格差、声などを考えると、被害者側の供述の方にも手が加えられていた可能性がある
当時の裁判にて、犯人たちと被害者遺族は会っていると思うが、その段階でミスクは犯人像に違和感を覚えていたはずである
当初は混乱し、手の甲の写真だけを見せられて犯人だと断定したが、面通しをしていないとか、していてもその違和感を無視されたという経緯があるので、そこもきちんと描いていれば、ミスクがその後に彼らを保護していた経緯というものが明確になったように思う
被害者遺族が贖罪の意味を込めて殺人犯を保護しているという経緯は無視できぬものであり、それが引っ掛かりとなっていたので、ウソンたちのもう一つの「嘘」というものをしっかりと暴露する必要があったように思えた
いずれにせよ、韓国の警察捜査の闇にスポットライトを当てていて、実際にこのような誤認逮捕および冤罪事件を起こしているのは事実だったりする
裁判でそれが覆っても、人事考課に影響がなかったとか、処分がなかったという方が気持ちが悪い側面がある
そのあたりはサラっと字幕で紹介されるだけだが、そっちの方が事件全体としては気になってしまうので、そこもきちんと描いた方が良かったのかなと感じた
もっと広く公開するべき作品
実際に起きた事件を元に冤罪で逮捕された3人の少年達の無罪を勝ち取るまでを描くストーリー。
事件が起きて5日後には犯人確保という異例の早さで事件は解決したようにも見えたが、翌年に犯人を知るという内容の匿名の電話が入ってくる。
真偽を確かめるべくファンは改めて捜査資料のデータベースを元に徹底的に検証をはじめていくのだが、ボロがポロポロと出てくる。最終的におかしいと気づき、メディアを使ってでも事件の闇を公にしようとした際にファンは島流しの憂き目に遭ってしまう。
そこから17年の月日が流れ、被害者の家族、そして釈放されたが人殺しというレッテルがいつまでも残り続ける少年達が改めて真犯人に告白させて無罪を勝ち取りたいということで一致し裁判へと発展していく。
裁判の結果、無罪を勝ち取り、少年達はやっと殺人犯のレッテルが剥がれ喜びを分かち合う。
警察の初動捜査のミスはあまりにもずさん。3人組の犯行であり土地勘もあるから地元の人間に違いないっていう思い込みから、地元の仲良し3人組を拘束し、暴力で貶め、犯人だと自白させる。
科学捜査云々より、警察の思い込みや十分な被害者からの聞き込みもしないまま、真犯人は野放しにしてしまった。その一方で自白しなかったために年月経てど自らの罪の過ちを思い悩みながらも家庭を持ち幸せに暮らしている。
最終的には、罪をようやく認めたが、時効済みの事案なだけに警察側は刑罰を受けることもなくお咎めなし。果たしてこんな世の中であって良いのだろうか?
警察も人間、人間が人間を指導する、間違いがあって当たり前。
間違いを許容出来ない、組織で隠蔽"ないない"にして何事もなかったかのようにしてしまうというのは日本の警察も同じでは?
これは色々な方々に見てもらいたい作品だ。
酷い奴ら
今作の韓国映画は出足からガツンと系ではなく、徐々にエンジンがかかりハマる作品です。
何度も過去と今が行き交うので慣れるまで理解が追いつかない面もあるが、次第に飲み込めます。
いやークソ腹立つ警官内部の奴ら
実話なんて、当時のずさんさと甘さに怒りと、被害者に同情します。
この話しは加害者より警官や検察官が1番の犯罪者です。
こいつらが罪に問われなかった事、今ものうのうと過ごしてる事に怒りが湧きます。
最後は当然無実で良かった。
加害者だけど、告白してくれて有難うと言いたい。
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