「監督遍歴、出渕→羽原→安田→福井、ここから勘ぐるもの」ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
監督遍歴、出渕→羽原→安田→福井、ここから勘ぐるもの
実は宇宙戦艦ヤマトシリーズには、個人的にかなり特殊な事情があり、相当なバイアスがかかっているので採点を省略しました。まァ実質的には過去の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの評価で述べている通りです。そして表題の様に監督が取っ替え引っ替えな点、替えても評価が上下しない点など、何が言いたいのかはお察しいただけるかと。
総評ですが、やはり色々あり得ない、説得力のない、お話としても魅力が薄く、現代の価値観に全くそぐわない仕上がりに、なりそう‥‥と懸念されます。
この話は2202でもしましたが、制作首脳陣は『大宇宙』を東京近郊の観光地や、距離感としても北海道・沖縄程度にしかイメージ出来ていないのではないか?と思われる程にチープなスケールは相変わらずです。それこそ「無限に広がる大宇宙〜」が聞いて呆れる程に。
絵面の綺麗さ、精密さ、高い解像度、ソレ意外ツッコミどころ満載なので辞めときますw 制作首脳陣が恐らくコレでいいと思っていらっしゃるので、自分の期待する方向には向かわないでしょう。
前回あの土星よりデカい人工構造物に、土星を砂浜のお城同然に蹴散らされて、今回はその土星を再生すると言うクダリが。土星って、直径は地球の9倍以上、体積は770倍(密度は地球より小さい)、衛生が80個、地球からの距離は15億kmです。光の速さで大体1時間半くらい。ワープ航法が実用化されてるこの世界なら、確かに北海道・沖縄くらいですね。
結局ソコからもたらされるのは、世界観の狭さ・小ささ、ショボ苦しさが顕著になっただけ。壮大な宇宙を舞台にしてるワリに、日常アニメの規模感しか伝わってこない、この辺が最大の欠点です。ソレを補うハズのテクニカルな裏打ち(設定)がなく、全てにご都合満載で『そう言うモン』『考えるな、感じろ』をゴリ押すのでそう言う意味では、監修要らずの教科書的『セカイ系』作品と言えましょう。
地球の運命を日本人オッサン2人とその周辺が勝手に決めてる様なクダリとか‥‥ もう令和も6年となり、世間はネット情報氾濫社会となりました。昭和はもはや35年以上も昔で、本作は価値観が当時に置き忘れられ、絵面だけ今風になっただけ、子供だましにすらなりきれない、諸悪の根源が全てソコにあります。
結局のところ『信者アニメ』に落ち着いた感があります。昭和のオッサンが懐かしむ程度の作品で(女性クルーの制服はオッサン向け?w)、現代の若い人たちが靡のか、興味すら持ってくれるかどうか。そんなオッサンに連れて来られただけの子供たちが災難でなければ良いですが。