「こんなドラマは、今のテレビでは放映されないだろう。」アバウト・ライフ 幸せの選択肢 詠み人知らずさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなドラマは、今のテレビでは放映されないだろう。
この映画を見た時、まず思い出したのは、日本の松竹ホームドラマだった。ちょっとだけ、ほっこりし笑う、いまでは見かけなくなったドラマ。
恵まれた家庭で、両親に大事に育てられたミシェルは、恋人であるアレンとの結婚を望んでいたが、自分自身の両親の行方をよく知っている彼は躊躇していた。その二人が、将来の方向性を定めるために、それぞれの両親を招いて夕食会を企てる。しかし驚いたことに、ミシェルの父親ハワードとアレンの母モニカ、アレンの父サムとミシェルの母親グレースは、それぞれの伴侶の知らないところで、すでに知り合っていた。その結果おきるニューヨークを舞台にしたコメディ。
グレースを演じたアカデミー女優、ダイアン・キートン、モニカを演じた同じくアカデミー女優、スーザン・サランドン、サムのウィリアム・メイシーをはじめ、歳をとっても相変わらず格好のよいハワードのリチャード・ギア、若い二人、ミシェルのエマ・ロバーツとアレンのルーク・ブレイシーなど、彼らの安定した演技を楽しむことができた。
ダイアン・キートンは、製作総指揮にも名前を連ねていたようだ。おそらく彼女は、中高年だけでなく、若いカップルを含めて、もっと多くの観客に劇場に戻って来てほしいのだろう。私は、いつも映画を見る時は独りだが、ごくたまには、仲の良い人たちと一緒に見ることも良いかもしれない。見終わったら、互いに贔屓の俳優のことでも話しながら、今だったら、春野菜の天ぷらをつまみに、白ワインだろうか。
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