劇場公開日 2024年4月12日

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「半端ないバイオレンスと、ユーモア溢れるサスペンス‼️」貴公子 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5半端ないバイオレンスと、ユーモア溢れるサスペンス‼️

2024年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

コピノって初めて聞きました。
韓国男性がフィリッピン女性に生ませて、置き去りにした子供のこと。
多くは貧困に喘いでるとのこと。
コピノと言う社会的背景と、韓国実父の心臓移植を結びつけた
脚本が新鮮です。
ただし息子の心臓を移植することは、息子の死を意味するから、
とても残酷。
父親には血も涙もない。

韓国人財閥の会長が、心臓移植のドナーとして、
血のつながった息子を探し出す。
そして迎えに兄が行き、移植は行われる寸前、
この映画の主役・貴公子ことキム・ソンホ。
心臓を狙われるコピノのボクサー・マルコ(カン・テジュ)の、
味方なのか?はたまた敵なのか?
貴公子は美しい悪魔か?
美しい天使なのか?
キム・ソンホが魅力的です。
貴公子の正体が、謎(?)という脚本が上手い。
貴公子のキム・ソンホも人を喰った厚顔無恥なキャラクターで、
本気でマルコを追っかけ回すアクション場面もパルクールみたいで
楽しい。
併せてカーアクションに銃撃戦も迫力がある。
出てくる男(義兄)から医師から用心棒から、
腹違いの妹まで欲のたかった屑ばかり。

でもラストに向かい、良い話に変わるのです。
貴公子の難病とかの設定とか、人を喰っていて、
ラストは笑ってハートウォーミングに終わる。
社会問題を背景に肩の凝らないエンタメ作品に仕上げているの
はさすがです。
なかなか技アリの韓国サスペンスでした。

琥珀糖