「あなたは、本物ですか?」映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたは、本物ですか?
お子さま向けのはずなのに、大人に刺さるメッセージが、潜んでいます。ふぅ~む。
ゴッホは生前、絵が一枚しか売れなかったことは、有名ですよね。今になって、ありがたがっている私達を、彼はどう思っているんですかね。
本物と偽物。区別できます?。私、できないし、そもそも、何が本物なのか、わかる気がしません。
個人的な出来事。プライベートが、ガタガタだった頃、美術館で、一枚の絵に遭いました。陽の当たる坂道の側に、一軒の家。その家の陰に、1人の女の子が佇む。虚ろな瞳。外は明るいのに、何故か日陰から、こちらを見ている…。そんな絵でした。作者も作品名も、覚えていません。ただ、あの絵は、確実に当時の私の、心象風景でした。あの日の私にとって、あの絵は、間違いなく本物でした。
ヒトが集まるから本物なのか、ヒトが集まるから値段が付くのか?。そもそも、本物かどうかは、値段で決まるものなの?。
かつて中国に、画家ならぬ、画工と云う仕事がありました。有名な古典絵画を手描きで模写。ここにサインすると、違法な贋作になりますが、ノーサインなら、土産物として、お手軽に買える価格で販売できたそうです。その画工さんのひとりが、モネの睡蓮を模写。意図的に明るいタッチで仕上げます。…晩年のモネは、目を患っていたらしく、モネの見た睡蓮は、遺された作品より、明るい色だったはずなので変えたのさ…。画家を目指して瞳を煌めかせていた画工さんの思いは、本物だよね。あの明るい睡蓮、欲しかったなぁ。
他者が評価するものだけが、本物?。私達は絵に感動しているのか、値段に感動しているのか、どちらだと思います?。
本編から、全力で脱線していますが、私に刺さったのは、全力で世界を憎み続け、全力で自らを欺き続けたキンモク先生そのものです。
それにしても、キンモク先生、いいお弟子さんに出逢えましたね。本当の自分を知るヒトがひとりいるだけで、そのヒトは救われるのかも。
以上、誰のことも、そして自分のことも分からない私の心象風景を作文にしてみました。
長文、失礼こかせて頂きました。最後に、
あなたは、本物ですか?