劇場公開日 2024年8月16日

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「アクション映画よ永遠に」フォールガイ sumichiyoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アクション映画よ永遠に

2024年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

萌える

ライアン・ゴズリングの甘いマスクが気になったので鑑賞しました。

物語はとある映画のスタント撮影から始まる。スタントマンのコルト・シーバースはそのスタントで重傷を負ってしまい、18ヶ月のリハビリ生活を強いられる。リハビリがコルトを変え、恋人のジョディを遠ざけてしまう。そんなコルトを見かねたスタント仲間のダンはジョディが監督する映画『メタルストーム』のサプライズスタントを提案、コルトとジョディは再会する。だが、メタルストーム主演俳優のトム・ライダーの失踪をきっかけに、撮影は思わぬ方向へ進むのだった。

'80年代ドラマ『俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ』のリメイクだけあって少し古めかしい作風でした。ケンカするほど仲が良いラブコメ、八つ当たりの一人芝居、スタミナ切れ切れのアクション、困った時の金の的など。映画『リーサル・ウェポン』や『ビバリーヒルズコップ』などの少し古い軽妙な刑事モノが思い浮かびました。コルトも陽気で女たらしでやる時はやるあの頃の主役たちのイメージに重なる。

肝心のアクションもスタントマン出身のデヴィッド・リーチ監督の愛が詰まってました。スタントだけでなく、装備の装着、演技指導など映画製作ドキュメンタリーでしか見られないシーンも描かれ、数秒のアクションシーンに費やす100倍の労力が伝わりました。それに加え、「俺は無敵じゃなかった」など、コルトのスタントマン語録もスタント愛を感じました。さらに、作中に登場したトム・ライダーはスタントをバカにしたせいもあってか、こっぴどいお仕置きを受ける。その逆襲シーンの力の入りように気持ちをお察ししました。リーチ監督は誰かお仕置きしたかった俳優でもいたんだろうか。

コルト演じるライアン・ゴズリングは80、90年代のアクションスター感が出てました。女心も男心もくすぐる甘いマスク、サムズアップの笑顔、殴られる姿まで見惚れてしまう。若かりし頃のトム・クルーズやメル・ギブソンのようなアクションスターを思い出しました。これからどんな役を演じるのか楽しみです。

ジョディ演じるエミリー・ブラントはヒロインしてました。映画『オッペンハイマー』などの演技派なイメージの監督役の反面、コルトにベタ惚れだったり、強引に撮影を進めたり、暴漢に対して大暴れしたり、とにかくオーバーなヒロイン役が新鮮でした。

久々に痛快なアクション映画を鑑賞できました。ヒーローアクションのような超人的でも派手でも無いけど、子供の頃に見たようなより現実的なアクションシーンと重なりました。最近の海外ロケ撮影の映画でも言えますが、実際に俳優が体感して演じている映画はすばらしい。現地の風景を見ながら肉体を酷使して演じる。本作はライアンのスタントマンもいるようですが、あの自信たっぷりな表情も現場の雰囲気から来ている気がします。イメトレのようなVFX撮影では表現できない部分だと思います。AI技術も進歩している昨今、映像美だけでなく演技も含めた制作秘話が楽しめる映画製作を続けてほしいですね。本作のエンドロールも楽しめましたし。

澄千代