「白黒にしただけなのに。」ゴジラ-1.0/C マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
白黒にしただけなのに。
◇カラー版は高評価で何度か見た。何度も見たと言っても、ゴジラが暴れるところを見に行っただけだ。特に熱線吐く前のところがお気に入り。
だけどゴジラ暴れる部分がもっと見たかったから、ショボいドラマ部分(すまん監督)減らしてゴジラの部分増やせば良かったのにと思った。役者の演技は皆うまいなと思った。
◇白黒版にはゴジラの怖さをより感じたし、ドラマ部分も引き込まれたのでゴジラが暴れる部分もこれだけで満足した。白黒版はカラー版より満足度が高い。白黒にしただけで、これ程印象が変わるとは思わなかった。イヤ驚いた。
ただ単に白黒にしただけでなく、コントラストや、明るさ暗さも場面によって調整したのかもしれない。
でも監督、脚本はヤッパシ今度から他の人に頼みたまえ。
□◼️白黒になって感じたこと□◼️
① カラーの時よりゴジラを怖く感じた。何か分からない、黒くておぞましくい不気味な何かがうごめいている感じが強まったからだと思う。
② 背景から受ける印象がより強調されて感じられた。
戦後、つぶされた家屋の残骸がまだそのままなのが、白黒になっただけなのに本当の戦後っぽく見えた。白黒になって部屋の中が暗くて見ずらくなったが、そのことで淋しさや悲しみをより強く感じた。
③ 顔の表情が強調され、セリフも重く感じられた。
・カラーではショボいと思ってたドラマ部分(すまん監督)さえ良く思えた。神木、浜辺、山田、青木、吉岡、安藤、佐々木のセリフや表情が、カラーの時より心に響いた。
・佐々木蔵之介さんの少し陽気すぎると思えた大声も、少しおとなしめに感じて自然に感じて良かった。
・神木さんの苦悩する表情のアップが、カラーの時より重く苦しく感じられ、セリフもより心に染みた。
・浜辺さんの「わたし、奥さんなんかじゃありません」なんていう後ろ姿のセリフにさえ、カラーの時以上の寂しさ悲しさを感じた。
・山田さんが、 「 (手を骨折してて) 足手まといになるから作戦には参加するな」と言われた時の、「また自分は戦いに加われないのか、置いてきぼりなのか」という戸惑いと悲しみの表情もカラーの時より心に響いた。
④ 原爆実験のときと、ゴジラの熱線による爆発のときのキノコ雲が、カラーの時より恐ろしく感じた。銀座の黒い雨も白黒のほうが怖かった。そのあとの神木の叫びに込められた恐怖感と絶望感も強く感じた。
▽▲これから作られるゴジラ映画は、白黒を標準、基本にしたほうが良いのではと思った。