「これも正解!」ゴジラ-1.0/C ケンイチさんの映画レビュー(感想・評価)
これも正解!
カラー版を含めて3度目の鑑賞。
その合間合間に一番最初の『ゴジラ』(1954)も鑑賞し、比較もしましたが、モノクロ版を見て改めて一番最初のゴジラへのオマージュをヒシヒシと感じましたし、なるほど-1.0だと納得。
全編完璧に…とまでは言いませんが、もともとモノクロ上映するつもりだったような違和感のなさは凄いと思います。
まさに『黒い雨』(1989)のように、モノクロ戦争映画の持つエグさというかインパクトがあって、いっそモノクロ版を先に見たかった気分。
これね、いずれ地上波でTV放映されることがあるなら、もうこの白黒版の方がいいんじゃないかな。
そしてその日の深夜帯に一番最初の『ゴジラ』も放送するなんてどう?
ちなみに『ゴジラ-1.0』は海外でもかなりヒットしたようですが、最新版をモノクロで上映なんてアイデア、キングコングもやってないんじゃない?凄い発想と度胸だと思います。
今回は怪獣の不気味さを底上げして、船や飛行機の質感をアップさせてますが、例えば女優さんなんかは白黒化されては困る人もいるのでは?
幸い浜辺さんと安藤さんは存在感というか本物らしさがアップしました。
映像を細かく補正・修正しなくてはならないようだと、こうもタイムリーに白黒版上映という訳には行かなかったかもしれません。
色を抜くことで古い時代を印象付けることができると思うのですが、映像を色味で誤魔化すことはできなくなって、モチーフ本来のカッコ良さとか美しさをシンプルに際立たせることができる一方、不細工さとか醜さも隠せなくなってしまいますよね。
本当にその通りだと思いました。むしろマイナスカラーが正式版として残っても良い位の親和性と雰囲気を醸し出していたと思います。カラー版で気になっていたVFXのアラも、上手くカモフラージュ出来ていました。