劇場公開日 2024年4月5日

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「人生における幸せとはなにか」アイアンクロー しんかまぼこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人生における幸せとはなにか

2024年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

幸せとは何なのかを考えさせる作品で、プロレスに詳しくない方でも観てほしい。レスラーとして活躍した父が、息子たちを威厳で支配し、世界情勢さらには死さえも利用して次々とレスラーとして育てていく。自身よりも弟達に期待されていることを感じつつも嫉妬せず、必死に鼓舞するケビンが健気。なお劇中には登場しないが、6男のクリスもレスラーとなったが、21歳の若さで拳銃自殺をしている。唯一存命であるケビンには妻の存在があったのも大きいと思う。
ラストのケビンが遊んでいる子供達を見て涙ぐむシーンがあるが、レスラー時代の弟たちとの交流はトレーニングの指導くらいで遊ぶことなんてなかったと思う。そういう意味では真に父に支配されていたのはケビンだったのではないだろうか。
余談だがパンフレットにはフォン・エリック家の年表や知識人による解説もあり読み物として面白い。またAbemaプレミアムにてケビンがキラーカーンにアイアンクローをお見舞いしている当時の映像が公開されている。

しんかまぼこ