「スタントマンの第二の人生」デヴィッド・ホームズ 生き残った男の子 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
スタントマンの第二の人生
ハリーポッターの撮影中、スタントの大けがで半身不随となった青年とハリー役のダニエル・ラドクリフの友情を軸にしたドキュメンタリー映画。映画の撮影現場の危険や不備を告発するといった類の内容ではなく、二人の友情とデヴィッド・ホームズが事故でスタントの道を諦めてもなお、多くの人の愛情に恵まれ前向きな人生を歩んでいることを描く内容だ。
ハリーポッターシリーズの撮影現場の裏側の映像が多く使われていて、ラドクリフら俳優陣とスタントチームが仲良さげにしている光景がたくさん観られる。ずっとシリーズを通して一緒に映画を作ってきたチームに悲劇が起きたことは悲劇だが、それを乗り越えるあたたかな友情が感動を誘う。
スタントマンにスポットを当てるドキュメンタリー映画は、近年だと「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」もある。スタントの出来ばえは映画の完成度を左右する重要な要素だが、裏方であるためその活躍が表で知られる機会は少ない。しかし、彼ら・彼女らがいないとアクション映画は作れないのだ。そういう人々に敬意を評する機会はもっと増えてほしいと心から思わせる作品でもある。
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