「ステキな大人向けおとぎ話」ブルー きみは大丈夫 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
ステキな大人向けおとぎ話
予告編からはディズニーが得意とする作風に観えた。つうかディズニー作品かと思った。
公開が近づいて、「ディズニーじゃない」と気付いたが、このところディズニー作品劇場公開作品がさっぱり無いので、久しぶりこういう作品も観たい気がして観賞。
【物語】
12歳の少女・ビー(ケイリー・フレミング)は、父親がニューヨークの病院に入院したため、ニューヨークの祖母の家にやって来る。ビーは父親の前では「もう子供じゃない」と強がるが、母親を亡くしているため、内心では「父親まで居なくなったら・・・」と大きな不安を抱えていた。
そんなある日特定の子供だけに見える不思議な存在ブルーとその仲間達に出会う。彼らはぬいぐるみや人形等、姿形は様々で、かつて彼らを友達とした子供たちが大人に成長して彼のことを忘れてしまっていた。そして彼らの記憶が全ての人から消えしてしまうと、彼らはこの世から消えてしまう運命にあった。
彼らの運命を知ったビーは、彼らが消えないで済むためにかつての友達の記憶を呼び覚まそうと考える。大人だが彼らが見えている、祖母の上の部屋に住んでいるカル(ライアン・レイノルズ)の助けを借り、消えゆくブルーや彼の仲間たちを救うために奮闘する。
【感想】
想像したものとは違った。
予告編からイメージしたのは間抜けでお人好しのブルーと少女の友情、みたいなかなりベタな童話的ストーリーだった。が、実際は子供向けと言うより、むしろ大人向けファンタジーだなと俺は感じた。
原題は“IF”。それだけでも宣伝イメージとは違うことが予感できる。
そもそもブルーが主役じゃない。ブルーは少女ビーが出会う不思議の世界の住人のone of themに過ぎない。 主役は少女(ケイリー・フレミング)であり、2番目はライアン・レイノルズ演じるカルだ。このあたりは、無名子役ケイリー、無名ではないが日本ではメジャーとは言い難いライアン・レイノルズを前面に出しても・・・、という宣伝戦略だっただろうと想像する。「きみは大丈夫」というコピーも誰だってブルーに問いかけていると思うが、意図的ミスリードだ。
ということで、詐欺的宣伝なのだけど、それに文句を言いたいわけではなく、俺的には良い方に裏切られた。
大人になって忘れてしまう大切な思い出。オモチャたち(オモチャだけじゃないのだけど)は友達であり、遊び相手であるだけでなく心の支えにもなっていたことを思い出させてくれる。
もう1つ、想像より良かったのは主役のケイリー・フレミング。とても魅力的少女だった。宣伝で使われたステージでのダンスシーンはもう少し観たかった。
すごく感動するわけではないけれど、大人が心がスッと軽くなるような、懐かしさを覚えるような作品。