「原作に劣ることなく面白かった。映像化の工夫があって秀作だと思います。」六人の嘘つきな大学生 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
原作に劣ることなく面白かった。映像化の工夫があって秀作だと思います。
先に原作を読んでいて、映像化されたら俳優さんは誰がいいかななどと空想しておりました。
映画化されると聞き、公開を待ちに待っておりました。
本のイラストもあって漫画化もされているのでビジュアルのイメージも持ってしまいますが、ファンなので浜辺美波さんと山下美月さんは良くて嬉しいですが、矢代は高飛車なところがあってキャバクラに勤めているという裏があるのでもっと派手な方が、スーツもパンツではなく短めのスカートの方が合っていると思いました(それが見たいというわけではなく、あくまで役の衣装として)。
波多野役の赤楚衛二さんはイメージにぴったり。
袴田はもっと骨太の体育会キャラなので(原作本にも「ひときわ大柄」「身長187センチ」と書いてあります)、実際にガタイが良くて声が太い人が良かったかなと思います(昔の深水元基さんのイメージ。今だと鈴木伸之さんかな)。
でもそれらは単なる感想で、作品としてとても素晴らしかった。ということは演者さんのキャラや演技もはまっていたということです。
原作とは内容を変えていたり割愛する個所もありました。
原作では東日本大震災があったばかりという設定と背景があって、それが採用者が急遽一人になった理由でもあります。
ほか、出身大学が違っていたり、嶌の兄の存在は割愛されていたりします。
本の通りだったらどんな感じになったのかなと思いましたが、でもその通りにしたらきっととても難しかったと思います。
逆に構成を変えているところが工夫で、どんでん返しになるところもちゃんと描かれていて、見事に仕上がっていて、私はとても良いと思いました。
低評価や批判の口コミが多いのに少々驚きましたが、そもそも作り話で、採用試験のやり方として確かにおかしいし、栄えている企業で採用者1名はないだろうとか、突っ込みどころはありますが、でも大学生の就活に対する欲とか人間関係とか、テーマはよく分かって私は感情移入できます。