侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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複雑さはなく一直線のストーリー展開なのに面白かった
子供の頃はテレビで、遠山の金さん(中村梅之助)、子連れ狼(萬屋錦之介)、大江戸捜査網(杉良太郎)、水戸黄門(東野英治郎)を観てました。最近はSF作品ばかり観てますが、どこかの記事で侍タイムスリッパーが紹介されていたので期待してない暇つぶし視聴です。そういう前提の感想です。
ストーリーには仕掛けや伏線が無く、犯人探しやトリック解明なども無し。一直線にエンディングまで進むので、斜に構えずに素直な心持ちで観ることができました。主役が時代劇の斬られ役として働き始めてからのストーリーは、すごく素直というか、次はこうなると面白いなと思える展開にそのままなっていましたし、頭が疲れない娯楽作品としてとても楽しめました。
江戸の世から離れるのは同時だったのに、タイムスリップした先の年代が数十年もズレていることが、ストーリーのひとつのキモになっていたように思います。30年早く現代生活が始まった敵役の考え方の変化や達観、現代生活への順応。そこに昔そのままの使命感と考えを持った主人公が現れることで、その対比や衝突が描かれていてそこがとても良かったです。
そして、その主人公に触発されて昔を思い出したが故に、真剣(本身)を使った時代劇の撮影シーンになったのではないかと思います。
少々、恋心的な描写もありましたが、あれは無くても良かったかも。ただ、それがあることで作品全体の印象が柔らかくなる効果は感じました。
現代にタイムスリップしてからの時間的な経過が明確に描かれていませんし、どの程度の期間がかかったのか分かりませんでしたが、「元の世界とは違うことを認識して状況を受け入れる」までの描写が少ないというか、あまりもあっさりで少し違和感は残りました。ただ、本作が描きたかったのは時代劇撮影に参加してから以降のことだと思いますので、序盤の展開をササッと終わらせてしまうことで、観ているこちらとしては飽きがこなくて良かったです。よくあるんですよね、主人公が置かれた状況や心理状態の描写が長い映画が。それをやられちゃうとストーリーが展開する前に飽きて、観るのが辛くなります。それよりは少し端折ってくれた方がいいですね。
撮影所で頭をぶつけて記憶喪失、記憶混濁になって自分のことを本物の武士だと思っている男。そういう風に周囲は理解しているということになってますが、働いていくなら健康保険や住民票も必要になるでしょうし、もし恋心が実ったら戸籍の問題も出てくるでしょう。映画の準主役としてポスターに大映りしてましたが、有名になるとマスコミや週刊誌が周辺を嗅ぎ回ります。その辺りのことはどう解決するのか、と他人事ながら心配しましたが、たぶんそれは作中に答えが出ていたようです。敵役は30年前に現代にやってきて、いまや大物俳優です。主人公とは最終盤でも仲良くは出来ていなかったですが、同じタイムスリッパーとしてノウハウの提供はあるでしょうね。
それから、観終わってから振り返ると、意地悪な人、ずる賢い人、騙す人、そういう負のエネルギーを持った登場人物が思いだせません。みんな前向きに頑張ってるいい人ばかりだった点も良かったです。
ただ、ひとつだけ余計ではないかと感じたのは、最後のシーンです。江戸の世で雷に撃たれた時は3人が一緒にいて、その残りの一人が時代劇撮影現場にタイムスリップして現れました。それによって、本作がビシっと終わらないんですよね。彼はそのまま江戸に取り残されたことにして、エンドロールで少しだけ映る感じにしても良かったんじゃないか、そう思います。
今はその時では無い
太秦撮影所や付近の住民に支えられ制作される時代劇を背景に本物の侍が参戦するのが楽しい。
過去の相手も現代にタイムスリップしていて既に大御所としての地位を築いていて映画制作で対峙するのも良いんだけど「カメラを止めるな」のような初見での驚きは無かったかな。
海外でリメイクされるなら「カウボーイ・タイムスリッパー」とかになりそう
期待が高くて、残念
作品的にはよく練られていてよかったと思う。
ただ、前評判でまさかの展開と聞いて、ものすごいことを想像した。結果、これ?
となってしまった。そうなると途中が冗長だなあ、と思ってしまい、この評価です。よく比較されてる。「カメラを止めるな!」の方が面白かった。
ダラダラと台詞で説明しすぎ。脚本がペラペラ。
どうして大絶賛コメントばかりなのか、理解に苦しむ。
・高坂が仲間である村田のことを、心配する様子がない。思い出しもしない→薄情。
・高坂が家老から直々に命じられた大役を仕損じたことを、悔やまない→責任感がない。
・元いた時代を懐かしんだり、現代とのギャップに憤ったり喜んだりが、タイムスリップものなのに極端に少ない。
・東映のバックアップを得られて気が大きくなったのか、やたらと立ち回りのシーンが多い。
ここぞというところで出すからカタルシスがあるのに、全編ずーーーっと立ち回りがある。
役者さんの殺陣は素晴らしいが、飽きる。
・20年時代劇で斬った斬られたを散々やってきた風見が、20年目にいきなり「昔殺した一人の武士の、恨めし気な顔を思い出すようになって」時代劇を捨てるのが不自然。
・会津の悲惨な末路を知って、高坂が風見に真剣勝負を挑む…え?なんで?
風見が直接会津を攻めた軍勢に加わっていたならまだしも…100歩譲って「新政府軍の中でも、最も苛烈に会津を攻めたのは長州であった」等の描写があるならまだしも。
友情を育んだ風見と今さら「殺し合い」をする根拠が弱い。
過去に映画撮影で真剣を使った役者の死亡事故が起きています。
「真剣を使いたい」と、もし役者が言い出したら、制作側は全力で止めるはず。
監督が「それ面白いね」で通る話ではない。
要するに、ラストの見せ場:真剣勝負に持ち込む納得できる理由を、監督が思いつかなかったのでしょう。
この映画を見て感じたのは「見せたい(撮りたい)画があるから映画を撮る」という監督の姿勢で、あくまで画面優先であること。
内容は後から付け足しにすぎないので、キャラクターが練られていないし、薄っぺらい。
侍から見た現代は、良いところだけでなく悪いところも沢山あるはずで「血を流して手に入れた新しい世が、こんな有様になっているとは!」と愕然とし、後悔する→武士の魂を現代に残そうとするのが「メインキャラ2人が侍である意味」だと思うのですが、そんな描写はまったくない。
その割にムダなシーンが多い。
・高坂が撮影所で幽霊の扮装の役者に驚く→心配無用ノ介の撮影現場でクレーンに頭をぶつければ良い話で、まだるっこしい。
・優子を寺の娘に設定すれば、カットできるシーンが大量にある。
実家(寺)で時代劇撮影が頻繁にある→時代劇好きになる→助監督の道への方が自然。
・高坂が不良少年に絡まれるシーンは、中打ち上げ直後の出来事にすれば良かったのに。別シーンにする意味がない。
中打ち上げといえば、あの場で追加台本を配るのはあり得ない。
アマチュア映画なら良いが、「最後の武士」はハリウッドから声がかかる有名監督が撮る大作映画。
酒の入った席で、台本を紛失して内容が流出したら一大事!
そのあたりが、アマチュア監督の「想像力のなさ」が出てしまっている。
結論:日本アカデミー賞最優秀作品賞は過大評価。
米でSHOGUNがゴールデングローブ賞を取ったので、それにあやかって日本でも時代劇ブームを盛り上げよう!ということかなと。
(東映の時代劇に携わるプロフェッショナルの皆さんは素晴らしかったです。)
拙者は、この良き映画の中にスリップしました👍
PrimeVideoにアップされてから3回観賞ですが、残念ながら劇場へ出向けていません…
TV時代劇「剣客商売」で秋山大治郎を演じた山口馬木也さんの殺陣をスクリーンで見たく劇場へ行くつもりが、先にTVで見てしまいました。
レビューを拝見していると楽しめ無かった方もおられるのですが、当方はオープニングシークエンスのタイムスリップ直前の殺陣シーンで直ぐに映画の中にスリップしていました。
子供の頃、TVドラマは時代劇で平次に金さん、素浪人や紋次郎、洋画劇場ではマカロニ・ウエスタン全盛時代でした。
特に毎週の様にカッコ良い音楽にスタイリッシュなガンマンを見て映画好きになったお陰か、娯楽作品に余り細かい事は求めないタイプになった様で、今でも様々なジャンルの作品を数多く楽しめています。
(劇中の坂本龍馬の銃がS&Wで無くColt45 S.A.A.でも気にならない!)
話しが脱線しましたが、この「侍タイムスリッパー」は色んな愛に溢れた作品だと思います。
映画愛、時代劇愛、喜劇愛、実写愛、人生愛、仕事愛〜
アクションでは殺陣シーンの迫力、特にラストの勝負は劇中のセリフでは無いですが、本物の侍を見ている錯覚に陥っていました。
※これは、大きなスクリーンの劇場で見直さないと勿体ないです。
それに、エンドロール直前に丸顔の侍がやって来るところが〜
やられたーって、なりました。
本物の侍が3人も居るなら時代劇の世界も現在と違う流れになってるかも〜なんて最後の最後まで映画の中から戻れなくなって頭の中がパラレル状態になっていました。
映画って本当に楽しいですね👍
とても良い作品をありがとうございます🙇
面白かったよ!
侍が現代にタイムスリップしてくるだけのお話。
でもでも、要所に現代人にはない日本人のあるべき姿を侍がしっかりうつしています。
和の心。侍の心。
ラストの殺陣は胸が熱くなるものがありました。
現代人には過去から来たと最後まで明かさないところがまた良き。
かなりつまらない
ステレオタイプの歴史観とテーマ、これまた典型的なキャラ設定のタイムトラベラーもの、なぜこんなに評価されているのか謎です。制作費が安いので安っぽく、ノスタルジーといいますが、全く何も感じません。脚本が良いと言いますが、テレビではボツになりそうなプロットです。ケーキを食べて幕末からのタイムスリッパ―が良い社会になったと感動するって、見習いが書いたら酷評されるエピソードです。過去のトラウマから痛飲をするお決まりのパターンで、これまたステレオタイプの不良に絡まれ、叩きのめされます。あんなひどい若者は本当にいるのでしょうか(見ていて冷め切る演出です)。ご都合主義のシナリオで、コメディーというかエスプリの聞いていないつまらないコントです(コントの方がましでしょう)。自己資本だからチェックが入らかったと言えます。少なくなったといえど、まだまだ、関係者のいる時代劇業界から強い支援を受けて、SMS的に関係者の思いでヒットにもっていった作品であるかと思います。これまで歴史や過去の人々を商業主義の時代劇業界が金儲けのためどれだけ都合よくにあつかってきたかという暗部がみえます。コメディーだし、タイムスリッパ―ものだということなのでしょうが、100年に一度の内容もテーマ性も低い映画でした。
2025/3/31追記
こういう俳優さんにもっとフォーカス当てて〜
喜怒哀楽(訛り付き)+殺陣、アツイ!!
時代劇の魅力はこういう所!と押し出してくる。
作品作りの情熱や現実にも触れ、しんみりとしました。
劇場内では笑いが起こる頻度が高い気がします。家族がテレビ見ながら笑う雰囲気。他作品には無い空間でした。
新喜劇の見せ方に感じられる画角もあり、なんか楽しい。
観ようかなどうしようかなでもレビュー高いし観ようかな…観て良かったです。
主人公と助監督の関係性が可愛い。いつくっつくのか…今日じゃない。もどかしい可愛い。
だんだんと主人公の顔面偏差値高ぇな?と思えてきます。
From Kyoto with love
監督、スタッフ、役者の時代劇への愛がこれでもか、というくらいに詰め込まれた宝箱みたいな映画でした。
山田洋次作品へのオマージュも所々に感じられ、正直そのやりとりいる?と思ったシーンもあったけど、星は5しかつけられないです。
ヒロインの沙倉さんが本当に魅力的だったし、剣客商売の大治郎が本当に頑張っていて、楽しすぎる映画でした。
今を生きる侍
時代背景
作中登場するガラケー
時代背景が2007年ごろになっていることで、当時の作品かと思っていたがごく最近の作品だった。
しかしなぜ現代を2007年ごろにしたのだろう?
携帯電話がガラケーの時代
いまでこそ時代劇というものが再認識されている背景があるが、当時は廃れる一方だったのだろう。
その復活の理由としてこの物語を置いたのかもしれない。
特に「SHOUGUN」によって今世界中が時代劇を注目している。
その背景こそ、本物の侍の力によるという設定はなかなか興味深い。
そのためのSF
そこに利用したのは、2001年にティム・バートン監督によって制作された「PLANET OF THE APES/猿の惑星」の型
チンパンジーが初めて宇宙へ行く話
そして起きた時間差でのタイムスリップ
これをこの作品の設定にした効果は非常によかった。
幕末の侍が現代へやってきた場所が京都撮影所というのも素晴らしい。
主人公新右衛門は徐々に自分の現在地を理解していく。
現代人であれば必ずあるはずの狼狽
しかし侍は狼狽えながらも自分自身にできることを探し始める。
自分自身に起きたことを他人にも話さない。
そしてこれが自分自身に起きたことであることで、他人に余計な心配をさせないまま自分で身の振り方を考える。
何もかもが驚きの連続でありながらも、自分自身を見失わない。
そして見つけた仕事が斬られ役
殺陣の稽古でどうしても師匠に勝ってしまうシーンは面白かった。
やがて巡ってきたチャンス
そしてまさかまさかの時間差 30年
果たせなかった藩命と変わってしまった世の中
敵同士の静かな会話
しかしどうしても折り合いがつけられない主人公
殺陣に使用する真剣
そこにあったのは殺陣ではなく試合
試合に勝った新右衛門は、最後に自分の中の葛藤を斬ったのだろう。
この二人のことは誰も知らないという設定もまたよかった。
そしてオチには、さらに時間差でタイムスリップしてきたもう一人の侍
おそらくこの三人の侍が日本の新しい時代劇を作り上げていくのだろう。
本物故に演技にスキがない。
見るものを驚かせる。
「拙者には何も失うものなどない」
この意気込みこそ新しい道を開拓する力になる。なったのだろう。
侍とは常に「いまここ」を生きている人物
そして、
「今日がその日ではない」という葛藤と適応しようとする人間味あふれる言葉
中々素晴らしい作品だった。
時を超えて
新左衛門の適応力が高すぎるなとか、ちょっと駆け足に感じた部分もあったけど、2時間で上手くまとまってたと思う。
ドラマしか観たことないがJIN -仁-の南方先生の逆の展開なわけだけど、自分がもし過去の世界に迷い込んだなら、スキルが通用しないし、知識もないし、知ってる人もいないし、、、南方先生の様に孤独を感じてたと思う。
でも、もし140年後の未来に行けたのならSF好きでもあるので結構、嬉しいかな、まぁ世界が滅んでる可能性もあるだろうけど、どれだけ人類が進歩してるのかを見てみたいと意気揚々としてると思う。
新左衛門も、あまり描写はなかったけど、技術の進歩や日の本が平和になってる事は、日々、驚きがあったり、嬉しく感じる瞬間があったと思うんだよね。
それが詰まってたショートケーキを食べてるシーンはとても良かった。
でも、新左衛門は侍だから、しかも命懸けで世を変えようとしてた時代の人だから、残してきたという表現は適切ではないかもだけど同志達に対して、自分だけが能々と生きて…みたいな事をどこか感じてたんだろうな、、、そこは南方先生とは、また違った孤独を感じてたんじゃないかと思う。
少しJINのネタバレ含みます
南方先生の場合は、武田鉄矢が扮する緒方洪庵に「先生は、未来から来たお人でしょう」と救われるシーンがあるんだけど、新左衛門も現代の誰かに本物の侍だと気付いて欲しかったなぁ、師匠の関本が剣を交える中で気付いてくれないかなとか、ちょっと期待したんだけど、そういう細かな所も見てみたかったなというのが唯一、消化不良だったかな。
優子がもし、新左衛門が本物の侍だと知っていたら最後のビンタのシーンで新左衛門に掛ける言葉の意味も、ちょっと変わってきたと思う。
コメディて事だったけど、笑いはオマケでシリアス展開を楽しんで観てたな、、、ラストの死合いの緊迫感も半端なく最高だったし、撮影した映画の中の作品との繋げ方も見事!
新左衛門の成長する姿とか周りの人達と交流する中での心の変化とか、ゆっくりとした連ドラサイズで観てみたいと思った作品でした。
願わくば140年後も時代劇は残ってて欲しいし、殺陣の技術も時代に合わせて進化しながら受け継がれていることを切に願う、、、
良い映画を観た良い時代劇を堪能したこのような満足感がしっかりと残りました
侍タイムスリッパー
おーこれは面白い!
しかも、なんか感動した
内容は題名の通り
幕末の侍が現代の撮影所にタイムスリップしてというコメディ
簡単に予想できるようなシーンは早々に序盤に展開されます
しかし、おちゃらけ、内輪受けネタ、蒲田行進曲的なネタは予想に反してほとんどなく、現代の撮影所で如何に時代劇の伝統を絶えさせないように多くのスタッフが熱意を傾けているかを描きます
そうしてさらに中盤におっ!なるほど!という設定が入ってからは時代劇の持続性の追求と物語がシンクロし始めるところが見事で、心を震わせてきます
クライマックスはカタルシスを感じました
つまり映画として立派に成立しています
良い映画を観た
良い時代劇を堪能した
このような満足感がしっかりと残りました
ショーグンの世界的な大ヒットで時代劇が俄かに注目されています
もしかしたら世界の映画界の新しい金鉱の発見となるのかもしれません
ですが、肝心要の日本自体で時代劇の持続性が失われつつあります
しかし決して失わせはしない、必ず次世代につないでいくのだという決意を表明した作品になっています
一度失われたなら二度と再現不可能な世界がある
殺陣だけでなく、衣装、カツラ、小道具、セット美術、所作、言葉遣い、時代考証などなど、膨大な宇宙
それらを支え続けていくこと
私達観客もまた時代劇の持続可能性に取り組む同じ仲間です
慰労会での風見恭一郎のスピーチにはグッと来ました
本格の時代劇と今日性への拡張、世界的普遍性の獲得の両立
時代劇の持続可能性への回答は様々に考えられます
これから多くの試みがなされることでしょう
しかし本作のような人々の一本筋の通った時代劇でさえあれば
うるさがたの時代劇ファンもついていくと思います
本作はそうした時代劇の持続可能性への最初期の試みとして遠い将来まで記憶に残る作品になるのかもしれません
ここからネタバレ含みます
真剣使用での時代劇の撮影
実は過去に本当にあり、死者をだした事故の忌まわしい前例があります
1989年の松竹の映画「座頭市」で、撮影中に俳優の振った真剣が殺陣師の首に刺さり死亡する事故が起きています
殺陣のリハーサル中、勝新の息子でこれが映画デビューとなる奥村雄大が持っていた日本刀が、子分役の俳優の首に触れたのです
助監督が真剣を渡し、それが真剣であることを伝えなかったことでの事故だったといいます(本当に?)
もちろん非難轟々となり監督でもある勝新太郎への批判が高まります
映画製作を中止すべきとの声が当然上がり、公開が危ぶまれました
撮影は事故の起きた立ち回りのシーンを残すだけだったそうで、大出血で俳優が危篤状態の中、勝新太郎は俳優の家族に頭を下げ、撮影を続行して映画を完成させることになったのですが、とうとう俳優は亡くなっていまいます
それでも撮影は続行され、被害者の死後一週間後にようやくすべての撮影が終わり、予定通り公開されたのです
ハッキリ言って異常です
今ならとても考えられないことです
SNS でのバッシングは凄まじいことになったでしょう
本作では真剣使用での殺陣のシーンがクライマックスとなります
そしてそれまで待たなくとも主人公がタイムスリップして来た時、彼の刀は当然真剣のままです
序盤の時代劇撮影に彼が紛れ込んだ時に、彼は普通に真剣を抜いて切り結んで事故が起きるというような映画の展開になるのではとハラハラしましたが、実はそれがクライマックスの伏線になる仕掛けであったわけでした
黒船来航ポスターの30年時間が合わないの謎も良い伏線でした
予告編「インディーズの限界を超えた!」、まさに文字通り!!!
本作ヒット後に何かの番組で安田淳一監督が出演され、米農家を継ぎながら監督兼業していることを聞き、話をされる時に感じたその人柄も相まって観たいと思っていた作品です。
タイムリープ物お約束の時代的違和感に主人公がしばらく驚いていく件をコミカルに描いた後、密命を受けた標的の相手である長州の山形彦九郎がまさかの同じ目に遭っていたことがわかった辺りから俄然面白さが増してきます。
最後の殺陣の恐ろしく長過ぎる間の取り方や、「今日がその日ではない」のセリフのかぶせ、さらにエンディングロール前の「ネタかぶせ」でのオチなどすげぇと思える部分が多々ありました。
また主演の山口馬木也さんのタイムスリップしてきた武士役としての演技がハマり過ぎていて、お酒を飲むときのリアクションをはじめ、その真面目さ故のコミカルさに何度も笑いを誘われました。
さらに特筆すべきは助監督優子殿役の沙倉ゆうのさんの可愛らしさ。本作で初めて知った女優さんですがとにかく画面に出てくる度に目を奪われました。エンドロールで実際にも本作の助監督であることにビックリ!しかもググってみるとそのご年齢に失礼ながら2度ビックリ!!このお歳でのこの透明感…すごい!!!
全編を通して感じられる人情や関西弁がなんともいい味を出しており、特に住職夫妻や井上所長、関本師匠など愛すべきキャラが多数出てきます。
私自身確か中学の修学旅行で京都太秦映画村には行ったはずなのですが、残念ながらほぼ記憶に残っていません。
が、本作内の劇中劇『最後の武士』の横文字変換『ラスト サムライ』に出演していた真田広之さんが『SHOGUN 将軍』でエミー賞やゴールデングローブ賞を受賞、その流れからの本作の日本アカデミー賞受賞など形はそれぞれ様々なれど、いわゆる時代劇はこれからも続いていって欲しいし、微力ながら応援していかねばと思わせてくれる良作でした。
余談も余談ですが、山形彦九郎の現代名「風見恭一郎」が血判の署名では「風見恭史郎」になっていたのを見つけてしまいました。
カメラを止めるな!
侍が剣を向けて、いざ!と言う場面から雷でのタイトル入り!
なんて美しいのでしょう!(ほぅ
時代劇の舞台に降りたったのは、神の悪戯か運命か。初めて見る現代に戸惑いながら覚えて、自身にしかできない仕事。
斬られ役
本家本物の時代から来たんだから慣れたもの(演技は死ぬ気で覚えてえらい!
ひたすらに主役の山口さんの目力と人柄に演技力!
つまらない、あきる、長い…
冒頭はシュールです、現代に侍衣装ですから浮く浮く!当たり前やで!
設定の舞台が時代劇村近くだから展開もスムーズに進んでいきます。で、思い出すのです、…主人公がいるなら相手も、来てんだよね?と。ざわざわと配役から売れっ子になっていく主人公。奇跡ではなく自力で成り上がっていくのです。
努力は実を見せてくるんです。
過去から未来に来て、記憶喪失と思われて、自身が過去から来たと察しても誰にも言わずに現代で生きることを選び斬られ役をこなしていくんです。
現代ドラマであり、現代ファンタジーな作品です。
まずは観て判断してください。
観てつまらないならビーキーパーを観ましょう。
目力はこちらの主人公レベルでカッコイイですから!w
そして、中盤に訪れる大御所からの依頼。
奴が!奴がいたー!wwwwと息を呑みます。
奴との再会で主人公も困惑しますが、大御所に絡んで挑みます。こんな熱い展開…
惚れてまうやろ!!(ばかー!
最初は一館スタートで、監督さんも金を工面されたとか…が、口コミから400館まで!日本アカデミーでも賞を獲得された!
シンデレラではない。
これは努力の賜物なのだ!
2時間10分。
ただただ、ダレずに最後の真剣勝負は圧巻!
素晴らしい脚本!素晴らしい演出!素晴らしい役者!
素晴らしい時間をありがとうございました!
うちも負けない作品を生み出したいです!
創作活動にいい刺激!
ありがとうございます!
タイトル通り
幕末、会津藩士高坂新左衛門と長州藩山形彦九郎が争う中、突然の落雷により高坂は現代の東映太秦映画村にタイムスリップという設定、ADの優子や寺の住職夫妻に助けられ高坂は時代劇の斬られ役として次第に活躍・・。半分を過ぎたころ、高坂を準主役として抜擢した主役の風見恭一郎が実は高坂と闘った山形で高坂より前の江戸村にタイムスリップしていたと判明、果たして二人はどう対応するのだろう、元の時代にもどるのか・・。
侍が時代劇の撮影所にタイムスリップ、突然の本物登場にしっちゃかめっちゃかの現場というところなのだが割とすぐに馴染んでしまうので物足りない。心配無用ノ介なんてTV時代劇でなく新選組が活躍する元の時代に近いチャンバラ劇で活躍だとチャンバラがもっと活きたでしょう。最後は真剣勝負、山形死んだかと思ったら撮り直しで和解シーン、丸く収めました。時代劇全盛の昭和の時代への映画関係者のノスタルジー満載、安田監督の自主製作映画にもかかわらず東映の全面支援もうなずけます、監督は先に亡くなられた5万回斬られたという名代の斬られ役福本清三さんへのオマージュから脚本を書いたらしい。劇中でも福本さんの名言とされる「一生懸命頑張っていれば誰かがどこかで見ていてくれる」がセリフで使われていました。時代劇とは言え映画愛に溢れた作品、映画関係者にしてみれば応援したくなるのは分かりますから日本アカデミー賞受賞もうなずけました。
♡時代劇LOVE♡
もうね、作り手のパワーが溢れている作品やね。
確かに時代劇は若い世代にはなかなか受け入れてもらえにくくあるジャンルではあるが、その時代時代で変わるのは仕方なく避けられないものではある。
だからといって諦めや嘆くのではなく受け入れて共に生きていく道を進んで行くのがとても良い。
日本人は侍からサムライそしてSAMURAIと変わってはきたけど忘れられた武士道は、も少し芽生えてほしいなぁ。
観終わった時は清々しく思える作品でした。
〝侍〟のカルト映画
「侍タイムスリッパー」を観た。
何でこれを作ったか分からない。
〝侍〟というのが何なのか定義付けられて無いから〝なんとなくそんな感じがする〟でしか観れない。
「シャドウ・オブ・ザ・ヴァンパイア」を思い出したよ。それを〝侍〟に混ぜた感じ。つまりカルト映画。
「永遠の0」感はある。
日本アカデミー賞を獲りそうな作品ではある。
〝斬られ役〟というのが〝侍精神〟に於いて成功スキルとなっているのがよくわからない。
もっと言えば、劇中で真剣で斬り合うことが侍としての何を意味するのか意味が分からない。
この作品は現代というものを「いい時代になりましたなあ」という所では一貫している。倉本聰の「歸國」のようなことにはならない。その上で〝侍〟というものが登場人物の個人的なものだけということになる。
僕個人で言えば侍というものがイコール日本だとは思っていない。自己確立の一つの定義ではあると思う。
真剣で斬り合うことが面白くて良い、なのか死にたくて良い、なのか分からない。
何で作ったのか分からないというのは飛び抜けたアイデアがある訳でもないということでも思う。
要素として、描かないものを省いた形で進めたような脚本(例えば主人公は何故精神病院へ入れられないのか等)に後半から色々入れ込んであるのが分からない。
自分としては見切り発車にも感じられた。
この作品に於ける〝侍〟というのは所謂〝怪獣〟とか〝吸血鬼〟〝怪物〟等と変わらない。
そうしたものの見せ方はテレビ時代劇的と言えばそうなのかもしれない。
そういうカルト映画として、前半は少し面白いところがあって、後半はやけに真面目になり退屈した。
キャスティングは良かった。
(追記)
そうか、〝超低予算時代劇〟を作ろうとしていたのか。そりゃ何で作ろうとしたか分からない訳だ。
_φ(・_・
幕末の会津藩士は●●●●が●●た?
他の方もご指摘のように、僕も初見時に「幕末の武士がポスターの算用数字が読める訳ないし、左読みの文字をすらすら読めないでしょ!脚本が甘い!」と思いました。
作品を観続けていくうちに、抜群の面白さに引き込まれましたが、僕の映画師匠の口癖「映画で大きな嘘をつこうと思ったら、小さな嘘はなるべくつかないことが大事」を思い出し……。
んで、いろいろとこの映画の関連動画などを見たりするうちに……何度も脚本を推敲したり、かなり細部やディティールにもこだわっていることがわかってくると、そこまで作り込んでるのに、算用数字云々を作り手が気づかない訳がないよね、と思いました。
それで、諸々検索したり、いくつか大学の論文なども読んでみたのですが、 大河ドラマ「八重の桜」にも常用な役どころで登場した八重の兄、会津藩士の山本覚馬(ドラマで西島秀俊さんが演じた)は幕末、京都へ赴き、そこで明治維新の4年前の元治元年に「会津藩洋学所」を開いたそうです。
そこでは、英学(英語)や蘭学の講義が行われていて、英学については、仙台藩から講師を招き、京都にいた会津藩士を初め、他の藩の藩士たちに英学を教えていたそうです。
となると、高坂が京都の会津藩洋学所で英語に触れていたとしたら、左読みの横書きを理解し、140年を読めても、無理はない、ということになります。
もしかしたら、こうしたことも、すでにほかの方がご指摘かもですが……。
とは言え、すんなり文字読みすぎだろーー!とは思うのですが(笑)
突っ込みドコロをあげたら他にもありますが、この映画は、そんなものを吹き飛ばすパワーと映画愛にあふれた、素晴らしい作品であることに間違いはありません。
今日見てきた
まあよくできていたかな?
というか主役の侍 カッコ良すぎやないですか?
そこそこテレビに出ていたようだが私は全く知らなかった
刀をあげるところは元に戻すのかなと思ったら戻さなかった なんで?
途中でもう一人の侍出てきた時はやられたーと思った
それそうだよね ありだよね
最後に気絶した丸顔侍が出てきたのは良い終わりだったのでわ
強いて言えばもう少し削れる部分もあったし も少し混みディータッチに行けたら私好みだったかも
主役侍さんは仕事いっぱい増えてほしい
カメトメの髭おじさんみたいに 色々な作品で見たいかな
泣きそうな場面もあるし笑える場面もありとても良かったですね
真剣勝負の直後にもう一つの真剣勝負があった
ラストは真剣を使っての文字通りの真剣勝負。無事に撮影を終え、みんながねぎらいの拍手をする中で助監督の沙倉ゆうの扮する優子が涙を溜めながら、山口馬木也扮する高坂にまさかのビンタが炸裂! このシーン、個人的にめちゃくちゃ刺さりました。初心を忘れて勝負に熱くなった高坂はじめ、同調した男どもに対する、魂の叫びと受け取りました。
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