侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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ご都合主義はあれど面白い
評判良かったので見に行ったわけですが、違わぬ面白さでした。
アイデア的には昨今よくある武士のタイムスリップ話なのですが、そこにチープな感じはなく、とても面白く見れました。
登場人物に悪が殆ど出てこないのも共感持てる感じでした。
これは埋もれなくてよかった。
農家の素人の人が撮った自主映画ではなかった。
「カメラを止めるな!」のような口コミから
ヒットしているインディーズ映画。
侍がタイムスリップして現代の日本で役者をやる映画。
監督は農業の人。
という事前情報と
「侍タイムスリッパー」を見た人の興奮度高めな
ムーブメントに興味を持ったものの、
侍の時間旅行は見なくていいかなな態度で
見ないまま10月も下旬になった頃、
配給が拡大され、
近場のシネコンで公開されると知り、
では見てみようそうしようという気分で、
「侍タイムスリッパー」
を鑑賞してきました。
以下ネタバレ
「カメラを止めるな!」のような
口コミでヒットしている映画ならではの
ベタなリアクション芸に
声をだして好意的な笑い声をだす、
前のめりな観客が複数いて(客席は空席多め)、
撮影セットにまぎれこんだ主人公の侍の
小道具の魚へのリアクションは
声だして笑うほどのギャグか??
と前半は身構えて
「侍タイムスリッパー」を見ていました。
しかし、
タイムスリッパーリアクションの
「ショートケーキ」あたりになると、
あたりまえの令和の日常に
侍が感銘しているシーンは
少し泣けてきて、
演出意図どおり
主人公の侍に感情移入しながら、
いい人しか登場しない
中盤までは、
平和な雰囲気で
少しぬるいコメディだなという態度で
鑑賞。
しかし、
もう一人の侍が登場するシーンからの
中盤以降の展開はぬるさはへっていき
侍のトラウマから
緊張感がただよいだして
ラストの
真剣勝負のシーンの決着つける展開は
「ハッ」としてしまいました。
「ハッ」としたあとすぐに
フィクションだった展開と
マーヴェリックのトムセリフのギャグに
少しうなり、
いい映画を見た気分で映画館をあとにしました。
鑑賞後、
「侍タイムスリッパー」は
てっきり農家の人が撮った自主映画と思っていたら
パンフレット(1200円・・)には
過去に2作品公開済の映画紹介ページがあり、
監督は農家の人でなく、
家業をついだ撮影機材を所有している映像職人だと知り、
素人ではないのか・・・と思い
また、役者さんも演技や殺陣がうまいなと思っていたら
役者も殺陣もプロの人たちと知り、
「カメラを止めるな!」とは撮影環境がだいぶ
違う事を知って、
自主映画というより
商業映画の体制を使ったインディーズ映画だったんだな
と思い、
商業映画の体制を使ったインディーズ映画として
鑑賞していたら、
もう少し辛口な感想になっていたかもと
思う映画でした。
時代劇っていいね
カメ止めより面白かったんじゃない?
なにより殺陣がちゃんとしてるよね。
見応えあった。
Tシャツ着ても佇まいが侍なんでホントに侍がタイムスリップして来たんじゃないかと勘違いしてしまう。
役者さんがちゃんとしてると制作費が安いとか関係なくなっちゃうね
ラス殺陣
見応えあるラス殺陣だった。
それこそ冒頭から丁寧に丁寧に紡いできた下地があるからこそだ。
高坂の実直であり純朴なキャラが際立ってた。用意周到って言ってもいい。彼の会津訛りと直向きな瞳に絡め取られる。この罠を用意した監督もなかなかの曲者であるが、溢れんばかりの愛情も感じる。
本編は現場ならではの本音やあるあるで埋め尽くされ、現地で入念な取材でもしたのかと思う。
ともあれ、観客はこの高坂の視点で物語を追う事になる。特に時代劇というものに魅了されリスペクトし、自らもその世界に飛び込む高坂を見る事になる。
彼の目に映るもの、彼の抱いた感想を共有していく。
表側も裏側も知る事になる。
追体験するとでも言おうか、良い切り口だと思う。
ちゃんと絵空事じゃなくて現状も描いていたように思う。東映京都の栄枯盛衰を。
高坂が「殺陣」にのめり込んでいく姿が眩しい。
山口氏のグッと腰を落とした青眼が好きだった。竹光になってからは納刀の時の腰の使い方も違うよう思えて、ニヤリとする。
殺陣師・関本の言う「斬られ役の矜持」も興味深かった。そして峰さんのバリエーション豊富な斬られ方にほくそ笑む。
映画を通して呼び起こされる「過去」が去来してくる展開にそそられる。
相対するは、タイムスリップのキッカケにもなった因縁の相手。彼は30年早く現代に飛んできてた。
現代に生きる最後の侍達。
同じ価値観を持つ唯一無二の存在でありながら、雌雄を決せねばならぬ間柄。
ラス殺陣は「真剣」で立ち合うという。
抜刀しか対峙する両者の間には重い空気が沈澱している。1合2合…相手に向かい真っ直ぐ伸びる切先。瞬きをするのも躊躇うような緊迫感。間合いを測りジリジリと地を這う草履の音。
ここに至り、会津訛りで現代に順応しようとしていた高坂はなりを潜める。
観客は高坂新左衛門という侍に出会う事になる。
風祭の刀を叩き落とし勝負はきまる。
その首筋にゆっくりと動く刀。
風祭も侍であり、その生き様は潔かった。
高坂の荒い息遣いと血走った目が、激戦を物語る。
一刀の元、迸る血飛沫。絶命する風祭。
彼等は本来の時代のケジメをつけた。
上手いなあと思うのは、それまでにあった殺陣は全く腰を落とさない殺陣ばかりであった。
心配無用ノ介しかり、坂本龍馬しかり、若かりしころの風祭しかり。アングルも引き絵が多くわざと臨場感を感じさせない編集でもあった。
ラス殺陣だけが毛色が違う。
いや、本来の時代殺陣の撮り方をしてた。
刀を抜く理由から始まり、互いに曲げられない信念のぶつかり合いを描き、至近距離での生死の軌跡を映す。生死が決する時、両者の距離は1mにも満たない事が多い。その空気を記録していく。
しっかり騙された。
設定上真剣であるがそんな訳はない。
2人が手にするものは竹光であり、いいとこジュラ刀と呼ばれる紛い物である。
山口氏と冨家氏に魅せられた。彼等が渾身の力を込めて振り下ろす刀は本物に見えた。
丹念に丁寧に積み重ねた世界観から生まれたラス殺陣であり、見事だった。
先程の結末は劇中劇の結末であり、実際は高坂が空を斬る事で勝負は終わる。
アレが映画の1シーンであったと自覚した時の虚脱感は格別だった。
そして、コメディよろしくキッチリ笑いで落とす。
会津訛りを駆使する山口氏は素晴らしかった。
現代に放り出された侍の困惑も孤独も感動も大好物だ。TVに向かい涙ながらに拍手するとこなんて、可愛くて仕方がない。
自主映画ベースらしいからアカデミーにはノミネートされないのだろうか?俺の中では間違いなく主演男優賞にノミネートされてる。
後は峰さんが木刀を高坂に差し出す手かなぁ。
あの握り方がなんとも頼もしく、どれだけの歳月を時代劇に費やし情熱を傾けてきたんだろうと思う。
ホント自然体だったように思う。
いい「間」
幕末の武士達が死合中に落ちた雷で現代の、しかも京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまうお話。
まずストーリーがいい。人を斬る剣術と志を学びながら長く安寧な世の中を生きてきた男が突然現代に現れた時にとる行動とは? っと考えた時「アリだな」と思った。
そして、「間」の取り方が絶妙。クスッとする場面も、息を飲む静寂さも、主人公の葛藤や態度の端々にいいテンポというか「間」が散りばめられていて心地よかった♪ 最近の映画の中では抜群にいい間だった。最後の最後まで笑顔で幕が降りるのを待てた作品。
凄く面白かったです!!
過去に存在した侍と時代劇の侍
この映画で、侍は本当に居たのだと不思議なことに実感してしまった。今まで、歴史や物語で侍を見てきて、侍がいたことは頭で解っていたけれどこんな感覚は初めてだった。それは主人公の極めてリアルな感じの侍の容貌と動作だ。後ろに後退した生え際の髪の毛、焼けた黒い顔は江戸終末の写真のようだ。彼が虚構の時代劇セットに現れる。今時代劇が廃れてしまったのは、映画やドラマがリアル志向となり、虚構で成り立っていた多くの時代劇は嘘くさくて見ていられなくなったからだ。この映画はその点をよく突いている。最後のシーンはとても恐ろしくてチャンバラとは実は生きるか死ぬかだと言うことを示している。チャンバラが見せるための演出でありそれに命をかけてきた切られ役の思いも描かれる。切られ役だった福本清三さんの言葉も語られる。主人公が会津の侍であることもよく考えられていた。会津の悲劇を当事者として悲しむ姿は痛ましい。平和な今の日本を喜ぶ主人公も泣かせる。巨大予算の映画でなくても十分楽しめる秀作だ。
時代劇映画万歳
ようやく観に行くことが出来ました。素晴らしい出来の映画です。さすが第2のカメ止めと言われるだけのことは有ります。
テレビ時代劇は残念ながら廃れてしまいましたが、映画は今後も形を変えて生き続けて行くと思います。
時代劇を愛する映画ファン、又そうでなくても、単純に映画として面白いです。今は上映スクリーンも増えているのでぜひ足を運んで時代劇に酔い知れて見てはいかがでしょうか。
ラストシーンは最高の緊迫感でした。
拡大上映ありがとう!流行語ノミネート😮
皆様のレビュー拝見させていただき、関心大の作品でした。近場の劇場で上映開始!ラッキー😃幕末の会津藩士と長州藩士話か?落雷によって現代の時代劇撮影所へタイムスリーブん?よくある話かなと思っていたらよくある話しでした。しかし!新左衛門の不器用で真っ直ぐな生き方がどんどんハマります。磨き上げた剣の腕が斬られ役として生く糧にすごい思いつき‼️いいょいいょ面白い。
脇を固めた俳優の方、ほとんど存じ上げませんでしたが、めちゃくちゃ普通で淡々としてて、私にはそれが良かった!ゆうこさん、どんどん輝いて可愛くなってくるし
場面の切り替わり、絶妙すぎて、劇場内で何度も鑑賞してる皆で爆笑。なんか、こういう鑑賞久しぶり😃✨⤴️久しぶり楽しい時間。
ラストは真剣で緊張感半端ないが、緩やかにまとまっていき、最高かよ、クチコミで盛り上がるのは当然だよね!それにしても劇場の年齢層半端なく高い。また、私には良かった。さっすが!時代劇!席もほぼ埋まってました。
何かしら賞を取って欲しい。海外でもうけると思います。
最後にあの方が、タイムスリーブ。プチ爆笑の劇場でした。
気持ちが良かった!ありがとう!
侍タイムスリッパー
この脚本の面白さは凄い!の一言です。最後まで中だるみが無く、楽しく鑑賞出来ました。
主演の山口馬木也さんの本物の侍にしか見えない演技に引き込まれました。
同じ映画を観に行くことはかつて有りませんでしたが、先日4回目観に行きました。何度でも劇場の大きなスクリーンで観たくなる映画です。
2000万でこれが撮れるなら・・・
日本はなんだかイマイチの国になったと思っていたけど、
「日の本は良い国になったんですな・・」という幕末の侍の言葉を聞けば、確かに飢えも殺戮もない、平和で豊かな国になったと確認してしまいます。
まあ、途中にはいろいろあったんですけどね、って高坂さんに話しかけたくなるほど、人懐こいリアリティがありました。
福島にいるものとして、会津の今も見せてあげたいとも。
カメ止めのような奇抜なアイデアで低予算を乗り越える作品だろうと思っていたのですが、予想をはるかに超える、立派で重厚な作品でした。
日本の時代劇の最後の光なのかも。
それにしても、何億円もかけて、昔のテレビシリーズの続編を作るくらいなら、若手の監督20人に2000万ずつ渡せば、こんな作品が生まれるかもしれないのに。
もしくは、どこかの党の政策活動費を、映画制作活動費として配っていただければ、日本国民はもっと幸せになれるのかもしれないのに。
なんて文句が言える幸せをかみしめましょう、ありがとう高坂殿。
もひとつ
期待はずれ。時代劇が舞台。タイムスリップするのは面白かったけど…もっと大昔の背景の中で今のAIを持ち込んで大昔の人間が困惑するサマを見たかったけどそんな脚本やないから自分はおもんなかったなぁ。残念。主役兄さんは上手かったッスよ。
悲しくなくても泣けるんだよ、無性に。
SHOGUNを観終えてロスに陥っていた時、ネットの口コミでの評判を見てシネマロサに早速行って見ました。以来、現在6スリップ目😅
普通は1回観れば気が済むんですが、この映画、観るたびに面白くなるんですよ。そりゃ、インディーズだし、粗探しすればいくらでもミスはあるかもしれませんが、そういう事してるのがもったいないほどいつの間にかハマります。
そして何故か、知らないうちに、泣きながら笑って観ているんです。どこかで言ってた様な気がしますが「魂が揺さぶられる」ってこの事なのかも知れません。インディーズ云々抜きにしても良質の映画だと感じました。特にクライマックスの殺陣は劇場で観るとより緊迫感が増すのでたまりません。
それにしても最近の映画館って、月曜の夜とか水曜日の夜とか色々安くなる日が多くなってるって、この映画のおかげで知りました。
あーまた観たくなってきた。チネチッタ川崎までデラックス版に行くか、ともあれ、早く物理メディアで出て欲しい。
おもしろい❗️
本作を観て思い出した映画がある「蒲田行進曲」だ、本作の一つの柱として、日本映画(時代劇)の斜陽とそれに抗う人間模様が画かれている。
幕藩体制崩壊に抗う主人公が、現代にタイムスリップし斜陽の時代劇で生きる意味を見出す。
人はどんな場所でも、努力すれば花を咲かす事ができる。そんな事を改めて感じた映画である。
勿論、ストーリーは面白く、最後の殺陣は近来稀にみるカットであった。
安田監督の次作に時代劇を期待するのは、贅沢であろうか、とにかく素晴らしい活劇であった。
製作者の愛と熱意がダイレクトに伝わってくる名作
笑いながら涙する。
人生でそんな経験をした映画は、これが初めてだ。
細かいツッコミは要らない。
それらを全て跳ね返すパワーのある映画だった。出演者、監督、スタッフ、そして、それを支えてくれた全ての関係者の、言葉に出来ない「熱い想い」が、ダイレクトに画面を通して伝わってくる。
ついつい2回目も観てきた。
1回目の鑑賞後にネットで撮影裏話など見まくったせいで、さらに確度が高くなって泣ける。
エンタテインメントな映画とは、かくあるべき!
フィクションは負けない
ジョーカー2でめちゃくちゃ打ちのめされて
凹んでましたが、この映画に救われました。
ぜんぜん違うと怒られそうですが、「カメ止め」
以来の感動と幸せと映画愛をいただきました
安田淳一監督に心からお礼したいです
テレビで時代劇見てる世代より若い世代には
どんなふうに映るのかめちゃくちゃ興味あります
「しかしそれは今ではない」
幕末・侍・タイムスリップ・時代劇・殺陣・切られ役…。
何かものすごく新奇な要素があるわけではない。けれども、それらひとつひとつをきちんと掘り下げ、注意深く配置して結びつけることによって、熱量のほとばしる作品に仕上げた。
幕末から現代にタイムスリップした主人公の侍がケーキを食べて感激するシーンに、不覚にも涙してしまった。いわゆるチャンバラ時代劇も悪くはないが、かつてこの国に本当に生きていた「サムライ」たちの魂も忘れてはいけないと思ったのである。
ただ、上映中に平気で会話する夫婦がいたのには辟易。笑い声やため息なら許せるけれど。気になってしょうがなかった。自宅の居間じゃないんだからちゃんとマナーは守ってほしい。
異文化理解
時代劇が衰退した理由は、時代劇は高齢者向けという固定観念ができあがってしまったからだという。今、時代劇はテレビから配信サービスへ視聴の場が移行しているが、その契約者は60歳以上が8割を占めているらしい。
そんな中、この映画は、従来の時代劇の概念を覆し、SFと融合させ、コメディタッチに軽快に描くことによって、若い世代を含む幅広い観客層に、時代劇の魅力を再認識させている。
幕末の世から平成の世にタイムスリップした侍である高坂新左衛門は、時代劇の斬られ役として生きていく過程で、「侍としての誇り」を失わずに、現代の価値観を理解し、適応していく。忠誠心、誠実さ、勇気といった価値観は時代が変わっても重要なものなのか、それとも時代とともに変化すべきものなのか、自分のアイデンティティを保ちつつ、異なる価値観を受け入れていく。「侍としての誇り」は、現代社会では時に滑稽に映る一方、彼の揺るぎない信念や誠実さは、現代人の心に新鮮な感動を呼び起こす。そして、伝統と革新、過去と現在の違いから生まれる異文化を理解することは、グローバル化が進む現代社会を生きる私たちへの重要なメッセージとなっているともいえるだろう。
タイムスリップは異なる時代の価値観を直接対比させる。これにより、私たちは自分たちの社会や文化を客観的に見つめ直す機会を得ることができる。
また、この映画は、その予算規模から考えると驚くほど高い質を実現している。大規模なオープンセットを用意することなく、現代の撮影所を舞台にすることで、時代劇の撮影現場という設定を自然に組み込んでいる、タイムスリップの表現は、大掛かりなCG効果に頼ることなく、照明や音響効果、そして俳優の演技力を駆使している、アクションシーンは、大人数での派手な戦闘シーンではなく、少人数での緊迫した立ち回りになっている。
単なるタイムスリップコメディを超えた深い洞察と普遍的なテーマを持つ作品である。
全798件中、141~160件目を表示