侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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選ばれるには理由がある
日米のアカデミー賞は、
映画業界プロが互選で選ぶ内輪の賞なので、
そもそも素人(観客)の預かり知らない評価ですが、
プロの映画制作に携わる者達が、
最優秀と認める作品の良さが感受できるか否か、
映画センスが有るか無いか、
試金石には使える賞だとは思います。
『良さが解らん』と思うのは、
プロアマの評価軸がズレてるだけです。
日米のアカデミー賞は業界向けなので、
我々映画ファンが選ぶ賞は、
他に色々あって、そっちで評価されるかどうかです。
そっちでも受賞してますけどね。
スタッフ、出演者の作品に対する情熱だけではない
恥ずかしながらテレビや新聞など見ておらず、これがアカデミー賞を獲ったことを知らずに仕事が終わってアマプラで見ました。
最初のシーンで口とセリフが合っておらず、おや?と思ったのですが、その後は主演俳優の演技に惹き込まれ最後まで休憩を挟まず視聴できました。
女優さんも始めて見た方だったので、途中で低予算の映画だとは思ったのですが、まさか自主制作映画だったとは、、、、基本アマプラで見るときは途中で「んなことあるかい!」ってストーリー展開だったり、辻褄が合わないなと思ったら休憩をいれるんですが、この映画は自然に感情移入ができました。しいて言えばポスターの横書きの文字や数字を普通に読んでしまうところに違和感を感じたぐらいで、あとは非常によくできた脚本だと感じました。
正直最近の日本映画は見終わったあとに「俺は2時間何を見せられたんだ、、、」という映画が多い、特に予算をふんだんに使った作品。
色々大人の事情もあるのでしょうが、原作を改変して変なふうになっちゃったり、俳優や女優をかっこよく、美しく魅せようとしたり、「ちがうだろ」って演出が多かったりします。
その点この映画はなんのしがらみもなく、監督が、俳優が、自分たちが撮りたいもの、見てもらいたいものを作り上げているように感じました。
しっかりした役者と監督がいれば、予算はなくともここまでの映画が撮れるのだと。
特に主役の山口さんの演技は素晴らしい。
本当は主演男優賞も獲っていておかしくないんでしょうけど、それではあまりにも無双すぎるので、、、
見終わったあとの満足感は自分の中ではかなり大きなものでした。
その後、アカデミー賞や自主制作映画、携わった人のエピソードなどを調べてみるとさらにもう一回見ようって気にさせてくれる映画です。
なかなか、使えたいことは書ききれませんが、日本映画にとって、希望のようなものをかんじました。
ありがとうございました。
中盤からの展開がとても面白い
【鑑賞のきっかけ】
今話題の作品で、劇場公開中であるにも関わらず、動画配信での鑑賞が可能となっていたので、早速鑑賞してみました。
【率直な感想】
ありそうでなかったタイムスリップもの。
幕末の武士が、現代にタイムスリップし、そこが、時代劇の撮影現場で、撮影であることがもちろん分からないので、現場を混乱させるような振る舞いをしてしまうが・・・。
といった最初の方の展開は、「ありそうでなかった」と述べたように、アイデアとしては、斬新とは言えないし、何となく、後の展開も読めてしまうな、と思いながらの鑑賞でした。
ところが。
物語の半ば、1時間くらい経過したところで、思いもかけない展開が待っていました。
冒頭のタイムスリップ直前のシーンに張られていた伏線に気づかされ、「その手があったか」と。
そこからは、強く興味を惹かれながらの鑑賞に変わりました。
特に最後の30分は、先の読めない展開となっていき、かなり楽しめる作品となりました。
【全体評価】
最初は、先の読める作品と思っていたけれど、中盤からの思いがけない展開で、私自身の中では、評価がぐんぐんと上がっていき、大評判も納得の良作と感じています。
140年・・・
リメイク希望!
トコトン魂を込めるからこそ…
面白かったよ!
侍が現代にタイムスリップしてくるだけのお話。
でもでも、要所に現代人にはない日本人のあるべき姿を侍がしっかりうつしています。
和の心。侍の心。
ラストの殺陣は胸が熱くなるものがありました。
現代人には過去から来たと最後まで明かさないところがまた良き。
何の期待もせずに見たら、面白かった!
賞を取った以外に、何の情報も入れずに鑑賞した。自主制作の映画と言うのはもっと手作り感があって素人っぽいのかなと思っていたが、そんな事は微塵も感じられない、過去の大作にも引けを取らない素晴らしい映画だった。
最初に感じたのは、画面の美しさで、主人公が現代の河川敷を歩いている場面が、山田洋次のたそがれ清兵衛のオープニングにある雄大な雪の残る山々を背景にした庄内平野の場面と重なって見えた。現在の街並みと侍姿の男との引きでの対比が、彼の心細い心情を映し出しているように感じた。
後で聞けば、監督が撮影も編集もしていたとのことで、そんなことができる人間がいるのかと驚いた。撮影一つとっても奥が深いものであるのにこのレベルで全てをやってしまうなんて、ちょっと理解が追いつかない。
映画内のユーモアも素晴らしく、一方で最後の真剣のシーンは本当に真剣で斬り合っているかのように感じられた。緊張と緩和が心地よい映画だった。どの役者も演技が素晴らしかった。
しかし、自主制作でこんなレベルのものが生み出されたら、後に続く人たちのプレッシャーはすごいだろうなと思う。
こんな映画が観たかった
普段時代劇なんて見ない。いや昔は銭形平次とか水戸黄門とか暴れん坊将軍とか、勧善懲悪もののファンタジー系(とでも言うか?)ドラマは観てたし、嫌いじゃない。
それを観なくなったのは大人になって心がくもってきたからだろうか。そんなの現実にあり得ない、と史実に基づいた、シリアスなストーリーを求めるようになった。そこには夢も希望もなかった。
そんな私だったが還暦過ぎて知人の誘いで京都の撮影所を訪れる機会があった。音楽パフォーマンス集団の一員として、和装で時代劇セットのステージで歌い踊るというものだったが、連綿と受け継がれてきた時代劇の世界を改めて見直す好機となった。
本作はそういった時代劇の世界を後世に残したい、伝えたいという想いに溢れたストーリー。多少クスリと笑わせる味付けがちょうどいい!そしてベテランが魅せる殺陣の演技が素晴らしい。何よりもこれらを低予算で、監督自身が何役もこなして創り上げたということ。ヒット作にあぐらをかいて名作をクズ映画に仕立ててしまった某忍者映画は足下にも及ばない熱量がある。
今も生きている東映時代劇の魂
やっとアマプラに上がっていたので昨日見ることが出来た。娯楽時代劇としてはもう文句の付けようのない良い出来だったが、更に驚いたのは、同じ日の18:45からBS・NHKでやっていた「アナザーストーリーズ」での・・・この映画の特集である。
確かに、この映画のヒットは、インディーズで・・・、たった2,500万円の予算で・・・、それも時代劇で・・・、シネマ・ロサと云う、申し訳無いが「場末」の映画館ひとつから始まり、今では10億を超えようという興収を上げたと云う事は、安田監督が作った奇跡と言える。しかし、このドキュメタリーを見れば、それだけでは無く、太秦の東映京都撮影所の・・・例えば撮影部・衣装部・小道具・床山そして殺陣師達の魂が注入されてこその仕上がりだ!と云う事が分かった。
特に、監督の要望に合うように撮影所の財産である着物を惜しげも無く出してくる衣装部。どんどん伸びてく日程にも拘わらず何とか時間をやりくりしてくれる撮影部やプロデューサー、そして何よりもこの映画への出演を予定していた福本清三さんの意志をつぐ殺陣師集団・東映剣(つるぎ)会の心意気だ・・・。この映画を「第二のカメラを止めるな現象」と言う人もいるが、この東映時代劇に関わって来た人達の気持ちを思うと少し違った映画の制作風景が見えてくる。
ごらんになっていない方は、是非!そして、「アナザーストーリーズ」と一緒に!再放送は28日午前中にNHK・BSであります。
最後に・・・、この映画が日本アカデミー賞に相応しいか否かについて疑問を呈する発言が散見されるが、基本的に大した権威も無い日本アカデミー賞への幻想に基づく発言だと思う。元々このコンペは、世界三大映画祭にも入っていない映画関係者の人気投票でしかない米国アカデミー賞を、この小さな島国に移入したものに過ぎず、およそ権威などとは無縁のもので、映画に対する絶対的な評価だと思わない方が良いと思う。まあ、昨年は大手制作会社(と言っても日本に大手と呼べる製作会社が有るのかも疑問だが)にこれだ・・・、といった作品が無かったから票が集まったと言うことであろう。
今日がその日ではない
もっとコミカルで軽いノリの作品かと思っていたが、イイ意味で裏切られた。
こんな作品だったなら、劇場で体感するべきだった、と少し後悔…。
若干長過ぎというか、省いて良くないか?と感じられたシーンもあったが、良い映画と云える作品。
会津藩と壬生浪の関係性から対立する薩長の流れを頭の隅に置いておけば、かなり複雑な内容が背景に視え隠れする。
侍の信念を軽んじるつもりは無いが、時代の大局を観た時、大事にするべきはなんなのか?囚われないで考える柔軟さが必要だ。
今の時代だから踏み込める思考かも知れない…。
タイトルでしか出て来ないくらいの言葉だが、タイムスリップという事象がこの話の根源で有るのに、些末な事になっている程、詰まった内容だった。
泣いて笑って
やっと観られました!
徐々に人気が出てきたころ、遠方の映画館で公開されていて、行きたかったのですが
結局観られずにいました。
でも、日本アカデミー賞を受賞したおかげで(?)アマプラで観ることが出来ました!
結論、とっても面白かったです!
笑いあり、涙あり、ハラハラドキドキもあり、
本当に良かったです。
最後のクレジットで安田淳一監督の名前が、いたるところで出てくるのを見て、
監督の大変さが少しわかったような気がしました。
私は映画界のことは詳しくありませんが、
この映画はインディーズ映画としては「カメ止め」以来の大ヒットと言われているとのこと…では逆に、埋もれていく作品はいくつあるのだろうかと、思いました。
映画の中でも、優子ちゃんが忙しい中、シナリオを書いて監督を目指していました。
若き(若くなくても)才能が、開花し夢が叶うってことは本当に素晴しいことですよね。
作品そのもが面白いはもちろんですが、
このような映画がヒットし、日本アカデミー賞を受賞することは、
夢は叶うんだって、証明になります。
映画界の発展を心から祈ります。
著名俳優がいなくても、人物描写抜群の面白作品は作れる見本!
いや~評判通りの面白さ♪ 楽しさ♪
顔が歪むぐらい笑ったシーンも、もちろん目が潤むシーンも♪
現在170館で上映中作品がまさかのアマプラ無料配信にビックリだが、自主制作作品と知り、尚驚く!
レビュー前に是非この↓動画をyoutubeで検索して見て下さい
(動画 6:00 位~)
「侍タイムスリッパーを語ります^o^ ゲストは山口馬木也さん」
カナダファンタジア国際映画祭での上映シーン
(作品内容は分からない様になってます)
海外の観客が、日本語上映(英字幕)作品でこれほど笑って、拍手(上映中も)する事は奇跡!
160作近くのエントリーがある中で★観客賞金賞を受賞している。
出演者=冨家さん自身のyoutubeチャンネルで、山口馬木也らと公式インタビュー等では見せないフランクな姿勢でのトークが見れる。
冨家さんは、変な賞よりこの賞(観客に一番ウケた証)が一番嬉しいとのコメントも♪
物語は是非ご覧を。
私が特筆したいのは、出演している全ての役者が個性派揃いで、影の薄い方は「0」。 しかも私が普段一番厳しく見ている人物描写も抜群。
俳優ありきのキャスティングではなく、役柄優先主義でのキャスティングという事。
例えば、住職の妻役= 紅萬子さんは何役でも出来る万能タイプではないが、"大阪のおばちゃん"をやらせたらピカイチで、日本の映画界で五指に入るのではと感じる位巧! この人のシーンで3~4回は笑わせて頂いた♪
(舞台挨拶などのトークもあのまんまの人だった♪)
女助監督役= 沙倉ゆうの 優しさ溢れる癒やし系だが、素の時(ツベ動画等)もあのまんまなしゃべり方で一緒の演者も本当に癒やされてる。 要するにドンズバキャスティング。
殺陣師範役=峰蘭太郎さんは現在76歳の現役殺陣師で、
高橋英樹さんから指名が入る位の腕前。 今作一番のいぶし銀的存在だが、ユーモアを醸す演技も巧く、主人公との練習シーンでは、笑い涙が出る位ここ数年で一番笑った♪
主演=山口馬木也は名前も初めて知ったが、腰が低く何にでも懇切丁寧な今役にピッタリ(普段トークを見る限り本人の人柄に近そう)
が、私には演技的にまだ一流ではないなと感じる点が。
冒頭の待ち伏せシーンでは途中から視点が動き過ぎ、現在へのワープ後街を歩く時の困惑表情もややぎこちない。
ブルーリボンでは主演男優を獲れたが、日本アカデミーでは最優秀男優を逃したのはこの辺りの演技が見抜かれてるのかも・・。
今作で一番!と来たのが、最優秀助演男優を獲った
仇敵 風見恭一郎 役= 冨家(フケ)ノリマサさん。 会話シーンでは相手を包み込む様な寛大さも有し、殺陣時に頬を膨らませフーと息を吐くシーンには心身共に途轍もない気迫を感じた。 こんなに "侍役" が巧い人がいたとは♪
(出演中3度も目を充血させ潤ませている。 これは本当にその役柄の心境を念じないと出来ない)
だが、彼の経歴を見て驚く。 大河ドラマ等の時代劇には多数出演しているが、「劇場公開映画」では今作が初めての "侍役" のようなのだ。
日本の映画界はアホか!
人気だけで実力が伴わない役者を使うより熟年映画ファンが唸るような、こういう人をなぜ使わない!
客寄せ的に人気者を使うより、無名とまでは言わないが本当に巧い人を適材適所で使って、イイ作品を作ればその何十倍もお客を呼べる事を今作が証明している!
さらには大通りのエキストラさんでさえ、東映撮影所が全面協力した為、台詞のない方まで存在感がある♪
東映の重役さんが本作の脚本に惚れ込み、撮影所の使用はもちろん、技術スタッフ派遣・小道具使用料まで通常の半値以下のギャラで協力したらしい。
そして協力するなら「東映」の名に恥じぬよう匠仕事を皆こなしたそうだ。
主人公のチョンマゲも、本当に剃っているかの如く見事な床山さんの仕事ぶり!
作品の本編以外でも浪花節的物語が♪
米アカデミー賞が評価真っ二つの様な作品にここ数年「作品賞」を授与しているのに対し、日本アカデミーは多くの点で本当に面白い今作に最優秀を授与したのは英断に感じる。
制作中に資金が底付き、監督はなんと自分の車を売ってまで工面したらしい。 なのに演者には気分良く仕事をしてほしいとグリーン車を手配する事も・・
く~~泣けるね♪
3000万未満の制作費で、もう10億近い興行収益を上げているそうなので、一人12役ぐらいの働きをした安田監督も次作では資金に余裕が出来るだろう♪
(超のつく低制作費を考慮して★はオマケ気味に♪)
将来、嫌な事を忘れたい時に見返すのもいいかと。
オススメ♪
かなりつまらない
ステレオタイプの歴史観とテーマ、これまた典型的なキャラ設定のタイムトラベラーもの、なぜこんなに評価されているのか謎です。制作費が安いので安っぽく、ノスタルジーといいますが、全く何も感じません。脚本が良いと言いますが、テレビではボツになりそうなプロットです。ケーキを食べて幕末からのタイムスリッパ―が良い社会になったと感動するって、見習いが書いたら酷評されるエピソードです。過去のトラウマから痛飲をするお決まりのパターンで、これまたステレオタイプの不良に絡まれ、叩きのめされます。あんなひどい若者は本当にいるのでしょうか(見ていて冷め切る演出です)。ご都合主義のシナリオで、コメディーというかエスプリの聞いていないつまらないコントです(コントの方がましでしょう)。自己資本だからチェックが入らかったと言えます。少なくなったといえど、まだまだ、関係者のいる時代劇業界から強い支援を受けて、SMS的に関係者の思いでヒットにもっていった作品であるかと思います。これまで歴史や過去の人々を商業主義の時代劇業界が金儲けのためどれだけ都合よくにあつかってきたかという暗部がみえます。コメディーだし、タイムスリッパ―ものだということなのでしょうが、100年に一度の内容もテーマ性も低い映画でした。
2025/3/31追記
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