侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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自主制作映画と侮るなかれ。
「ううう嘘でしょ!?大いに笑いつつ大いに泣き散らかしましたよ。タイムスリップものとしても、時代劇モノとしても、映画作り映画としても完璧に面白い。上映後は会場が万雷の拍手。いやもう今までの舞台挨拶で1番手を叩いちゃいましたよ。絶対に全国公開すべき大傑作!」
これは2023年10月に京都国際映画祭で上映された際の自身のツイートです。もともと時空転移ジャンルが好きだったということもあり、Twitterでたまたま見かけた『侍タイムスリッパー』というキャッチーなタイトルに釣られのほほんと観に行きました。
映画は吉本新喜劇のようなコメディタッチで始まります。インディーズらしい楽しげな雰囲気。
愉快なタイムスリップネタに笑っていると、物語はゆるやかにシリアスなドラマへと転調していきます。この流れが見事ですこぶる面白い。
幕府を守るという目的を失ったサムライに、現代日本で消えつつある時代劇と殺陣技術への思いが重ねられていきます。映画制作への思いも込められた脚本には本当に胸を打たれます。その志しを受けて真摯に演技する俳優陣にも思わず見入ってしまう次第。クライマックスではこれが自主制作映画ということをすっかり忘れ涙していました。
さて、いよいよ2024年8月から本作が一般公開されます。一度観ているのですが、東京池袋のシネマ・ロサまで足を運んでみたいと思います。あの時の客席の一体感は何だったのか。あの劇場での盛り上がりと楽しさは現実だったのか。もう一度映画館で確かめたいと思うのです。
笑って泣けて、よし明日から自分も頑張ろうと思える娯楽映画の王道
映画秘宝とか読んでそうな映画ファンにおいては“知る人ぞ知る”、2014年公開、下町ヒーロー映画の傑作『拳銃と目玉焼』。その作り手である安田淳一監督の長編映画3作目。2023年の京都国際映画祭で上映され絶賛、2024年7月の北米ファンタジック映画祭でも満席スタンディングオベーションの好評で、観客賞金賞を獲得。作品の評価は予めの折り紙付き。
「笑って泣けて、よし明日から自分も頑張ろうと思える娯楽映画の王道」を行く作品だと思う。つまり「フツーに面白い映画」ということ。まずは観て損なしですよ。
現代にタイムスリップしてきた侍が巻き起こすカルチャギャップコメディとして、ちゃんと笑える。
本物の侍が、チャンバラの斬られ役として身を立てていくサクセスストーリーとして、ちゃんとワクワクできる。
沈みゆく時代劇への郷愁と、忠義という侍魂の哀愁のメタファにちゃんと感動させれる。
さらには時空を超えて再び対峙する男と男の決闘に、しっかりハラハラさせられる。
自主映画でよくぞここまでというエンタメ作品に仕上がっています。オススメ。
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