侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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消えゆく時代劇への愛が感じられました!
後回しになっていましたが、ようやくタイミングが合い、本日鑑賞してきました。
話題作で採点も良いし、なるほどなるほど、これはなかなか面白い映画で点数が高いのも納得です。
効果音が結構よい仕事をしてましたねえ。
時代劇への愛情がたっぷり詰まっているし、福本清三さんへのリスペクトも感じられました。
斬り合いの最中に雷に打たれ幕末から現代にタイムスリップする会津藩士高坂が時代劇の斬られ役として頭角を現す中、斬りあっていた相手の長州藩士風見も実はタイムスリップしていたという面白さ!
ここが盲点となる斬新なアイデアで、しかもタイムスリップした年代が異なるという面白みを加え、二人の侍が時を超えて時代劇の中で対決するという練られたストーリーに惹きこまれました。最後、真剣だけにどうなるのかハラハラしました。
面白かったです。なぜか久々に「太秦ライムライト」を見たくなりました。
殺陣だけでなくアクションも加わればもっと良かったのに。
暫くぶりの映画館
ロサ会館が40年ぶり。でも、映画はここではたぶん見ていない。一階にかつてあった喫茶店に悪ガキ仲間でたむろしていたのだ。近くに友人の下宿があったからだ。
これは立派な現代劇。時代劇とは言えない。
時代劇が少なくなった事に温故知新を感じているのに現代劇をやる。そんな辛さがあるのかなぁ?ストレートに考えるなら、
『だから、時代劇が駄目になる。』となる。
まぁ
『滑る、落ちるは言うな』の『寅さんネタ』は要らないが、
よく練り込まれた良質の台本だと思う。また、殺陣も長回しで出来るだけ撮っているので迫力があると思う。但し、腰から上の場面が多くて足の動きが分かりづらかった。殺陣で剣が交わる迄の間がやはり迫力がある。
但し 以下
ネタバレあり
最後の間に於いて、あれだけの間を作るなら、やはり、椿三十郎にリスペクトしてもらいたかった。ちょっと残念。
そして、
最後のシーンで僕ならこんなセリフを入れる。
『峰打ちじゃ安心せぇ』
なんてどう?
追伸 会津藩の苦難は『斗南藩』に継がれ、この主人公の言う話は正に真実。そして、薩長土肥の明治維新とも言われ、その流れは妖怪の孫にまで届く事になった。さて、流れは途絶えたのだろうか?
感慨深い映画でした
「笑いあり、涙あり」の映画と言う評判は聞いていましたが、久しぶりに良い映画を観ました。
幕末には、手段こそ違えど、命をかけて真剣に日本の将来を考えて行動していた侍がいた事、そして今、特別な日でなくとも美味しいケーキを食べられるような平和な日常を過ごせる事に感慨深さを感じます。クライマックスは、ハラハラドキドキでした。
この映画を観る前に、今一度、幕末史を復習しておくと、より一層楽しめると思います。
時代劇の真髄をここに見た!侍が現代を生きる!
遅ればせながら、大変話題になっている本作の鑑賞です。地元での公開も一カ月になるんですが、結構ヒト入ってました。
良かったです。大きな後悔をするところでした。メチャクチャ面白かった!
たどたどしいセリフとか安っぽい感じとか、どこか素人っぽさの残る印象を受けましたが、そんなの吹き飛ばすほど、楽しませてもらいました。
ヒシヒシと伝わる時代劇愛って言うんでしょうか、作っている方も楽しんで真剣にやっている真摯さがビンビンと伝わってきました。
まさに目を離す間もないほど魅入っちゃいました。
幕末に生きる侍が現代へタイムスリップするSFの話ではありますが、内容的には、どんな場所であっても生き抜くことの大切さを訴えていると感じました。
そしてその中で、侍としての生き様を時代劇という形で表現しているような・・・
ジャンル的にはコメディと表示されていましたが、なかなかどうして、生きるということを深く考えさせてくれるヒューマンドラマのようにも感じました。
最後に一言、クライマックスの殺陣、最高でした!チャンバラなんて言葉で片付けられないような熱い死闘を見せてもらった気がします。
主人公のあり様に胸打たれる
ただのコメディではない。その先に…
稀に見る心地良い鑑賞体験
映画を観ながら堪えきれずに吹き出してしまう。そんな笑い声がそこかしこから聞こえてくる。客席全体が温かい空気に包まれる、とても良い鑑賞体験。主人公を演じた山口馬木也さんの分厚く大きく見える手が印象に残った。
現代の街中を武士が彷徨う風景の面白さ。幕末の延長にある現在のはずなのに、その隔たりの大きさをまざまざと見せつける。
困った人を助ける精神、白いご飯食べられる有り難さ、浅漬けの浸け具合が良かったと喜べる日常。忘れていたものを色々と思い出させてくれる。
郷里会津のその後を知り、殺陣でなく真剣での立ち会いを所望する高坂と、それを受ける風見。真剣を使うのはどうかとも思ったが、彼等のけじめを付けるにはどうしても必要な事だったんだなと思う。そこに監督の狂気が相まって繰り広げられる斬り合いの恐怖を感じるほどの迫力。本当に本身を使っていると感じさせるプロの技の凄さを見せつけられる。
お約束を丁寧に積み重ねてきたストーリー。最後のオチまで見事に決めて、誰かの温かい拍手とともに幕を閉じた。
…
子供の頃、祖父母と昼夜二本三本と観る事も多かった時代劇。悪代官と行ったらこの人、と言うような今でも顔を思い出す人も何人か。名前も知らぬその人達を見ながら、前の話で死んだはずの人が何故また斬られているんだろう、と子供心に思っていたことを懐かしく思い出す。撮影で真剣を使って事故が起きたというニュースを何度か聞いた記憶もある。そんな人たちの名前は何万回斬られた男、何万回死んだ男と冠されテレビや新聞で目にする訃報ばかり。何とも不義理をしてきてしまったものだと気付かされる。
あっぱれ!参りました!
本作レビューを高評価された皆様
誠にありがとうございます!
本当に観てよかったです。
男はつらいよでお馴染み
「滑る、落ちるは禁句」のくだりや
椿三十郎の様に長い“間“から始まる殺陣など
映画愛、時代劇愛に溢れた本作は
作り手の皆様の情熱がスクリーンから溢れてくるので
何故か涙でいっぱい、胸いっぱいの傑作です!
客寄せパンダ的キャストはいなくても
宣伝広告費やタイアップはなくとも
多くの人に観て欲しい作品ですねっ
やられた〜!
残念な
残念なレビューを偶然目にしてしまいました。ケーキを誰もが買えるだけで、豊かな国になった、という主人公のセリフがこの国の現実を反映していない、なのでこの映画はつまらない、という事でした。そこだけを取れば、そうかもしれません。しかしこの映画はファンタジーなのではないでしょうか。悪人は登場せず、登場人物は善人ばかり。現実の醜い面を描くための映画ではないのです。細かい事を言えば過去の人間が現代に来れば、直面する問題は無限にあるのです。実際に幕末の侍が現代にタイムスリップしてくることを前提に、リアリティを前提に描けば、どのようになるでしょうか?現代に来た主人公が周りに理解されず、精神病院に入れられ、生涯を終える・・。あるいはタイムスリップして、撮影所に来た瞬間、撮影所に同じ設定の場面があり、俳優を切り殺し、殺人犯として投獄される・・・。ネット中毒になり廃人になる・・。いくらでもありますよね。
そもそも現代で身分を証明できるものが何もない人間が、すんなり雇用されたりする筈がない。この映画はファンタジーとしての作りなので、リアリティを重視すれば、いくらでも突っ込みどころはあるのです。なのにその映画の趣旨も理解せずに、現実に即していない、というのはどうでしょうか。ひとつ知ってもらいたいのは、私の母親は戦前の生まれですが、幼少期は貧乏で、靴も買ってもらえず、はだしで何時間もかかって通学したそうです。また、お菓子など一年に何度か食べられる特別なものだったそうです。普段は野イチゴを取って、食べることが楽しみだったと言っています。現代の若い人には到底理解できない時代だったと思います。昭和でさえそういう境遇で育った人がいたのですから、幕末なら当時はどういった生活をしていたのか。それだけ考えても、主人公のセリフに私はそれなりの意味があると思いました。
緊迫のラスト
本作のことは全く知らなくて、いつも観に行く映画館のHPをチェックしたら1日1回で上映されていたので、興味を持って調べたらかなり評判がよかったので観に行きました。
主演の山口馬木也さんはドラマの「剣客商売」以外で見たことがなかったので、あんなに素晴らしい演技をする人だとは知らなかったです。色々突っ込みどころもあるけどクスッと笑える場面もあったし、何よりラストの対決シーンの緊張感が半端なくてよかったです。あの「椿三十郎」をリスペクトしたであろう長い長い間(ま)に、ついつい息を止めて見入ってしまいました。
あとおまけですが、住職とその妻の掛け合いが吉本っぽくて、誰かと思って調べたら妻役の人の名前が「紅萬子」で度肝を抜かれました。だって「くれないま〇こ」って、芸名付けます? フルネームで呼べませんって!!
ちょっと評判が良いらしい~と言う軽いノリで観る。話も分からないまま...
ちょっと評判が良いらしい~と言う軽いノリで観る。話も分からないまま劇場へGOです。侍ストリッパー?侍タイ?題名もチンプンカンプンなまま劇場へ。久しぶりに声を出して笑うところがここかしこに。主人の高坂新左衛門が空腹のあまり気倒れになっているところを寺の住職夫妻に助けられる。が空腹と言えず、しらを切るが正直なもので腹がなる。そこで「武士は食わねど高楊枝」と気取る。思った通りの展開で思わず声を出して笑う。現代から過去に戻る話は良く聞くけれど過去から現代は珍しいと思いながら観る。幕末の武士の清々しさと言うか生きるか死ぬかのギリギリの心持で生きる人の後ろに引くところの無い厳しさを見ると、現代人のなんと甘々な生き方か!と反省したりもした。インディーズ映画とのことだが、本当に楽しい作品だったと思う。観に行けって良かった。
低予算の限界も感じつつ
内容としてはよくあるタイムスリップ物ではあるんだけれど、よくある中でもあまり見た事のない切り口で切られ役を演じていくというのは面白いストーリーだった。
大きい配給会社が入っているわけではないのに時代劇の設定を取り入れるのは制作的には中々難しかったんだろうとも思う。衣装小道具にお金かかるだろうし。
ストーリーの中で大御所の俳優が時代劇に帰ってきて、とてもでかい作品を作るとなっているのに監督の見てるモニターの小ささや、出役のスタッフの規模の小ささやらが低予算映画の限界を現していた。
しかし主人公の俳優、めちゃくちゃいい役者ですね。
これがきっかけでカメラを止めるなの濱津のようにいろんな場所で見れるのを期待している。
「今日がその日ではない!」いいですね~
昭和一ケタ生まれの亡き父は時代劇が大好きでした。早朝、市場から帰ってくると午前中はどこも再放送の時代劇、選び放題!嬉しそうに焼酎を飲みながら鑑賞、そのあと、人とは違う時間帯に眠って夜に備える生活で時代劇が父の楽しみだった気がします。
古くは『遠山の金さん』しかも杉良太郎さんや高橋英樹さんではなく中村 梅之助さんの!『水戸黄門』『暴れん坊将軍』『必殺シリーズ』とにかく映画の中でも触れられている通り毎日どこかのチャンネルで時代劇を観られる時代でした。
子供心ながら「なんで最後は悪者がやっつけられるワンパターンが面白いんだろう?」って感じてましたが逆にその安心感が父は好きだったんだろうな~って当時の父の年代になって納得する今日この頃。でも実際有料チャンネルくらいでしか観られない現代に父が存命だったら悲しんでいるんだろうな~なんて感じています。
そんな反動からか時代物っていうカテゴリーから遠ざかってしまい大河ドラマも観ない傾向に!(大河ドラマを時代劇って言ってしまうと怒られそうですが!)
評判になる過程が『カメ止め』みたく、たくさんの観客を見込める作品中心のイオンシネマでは上映館を探してやっと見つけても1日1上映みたく、宝探し状態で今日まで観ることができてませんでした。でもやっと満を持して鑑賞!確かに面白い!よくできた作品です!!
冨家さんのお顔はかろうじてわかるもの名前が出てこない!他の役者さんたちはエンドロールを見てもピンとこないような次第で、やはりいい映画ではストーリーと脚本、役者さんたちも名前ではなく演技だと改めて実感します。でもタイムスリップするお話は結構ありがちで決して新しい題材ではないのですがうまくまとめられ131分という上映時間を長く感じる間もなくお話は進んでいきます。
ところどころで客席からも笑いが出るくだりもあり楽しく鑑賞できました。後半からエンディングにかけては主人公たちの心の葛藤に目頭を熱くしながら…
かつて旅行で太秦映画村に行ったとき切られ役の第一人者『福本清三さん』と記念写真を撮ってもらったことを懐かしく思い出しました。どこが素晴らしいとかいう訳ではありませんが全体として面白いいい映画だと思います。タイトルにも書いた「今日はその日ではない!」には思わず微笑んでしまいました。多くの映画館で上映し続けていただき、私みたいに時代劇を敬遠しがちな若い人たちにも観てほしい作品です!
刀の重み、時代劇の重み
邦画には殆ど食指がそそらないが、あまりの評判とここ数週間で邦画を立て続けに観る機会があり、そのうち数本が良かったので(もちろん酷いのもあったが…)、勢いに任せてついに鑑賞。
現代には存在しない“侍”を通して、需要がなくなりつつある“時代劇”に目を向けるという、単純だけどストレートなテーマが分かりやすい。登場人物も大半が無名なだけあってかイイ表情の持ち主ばかりだが、やはりメインの山口馬木也と冨家ノリマサのそれが際立つ。クライマックスはもらい泣きしそうになった。監督は「刀の重みを伝えたい」と語っていたが、同時にそれは時代劇の重みでもあった。音響の使い方がベタ過ぎるのが気になったが、まあご愛嬌ということで。
奇しくも『暴れん坊将軍』が復活するというニュースが入ったばかりだが、もしかしたら時代劇は廃れるかもしれない。でも劇中のセリフを借りれば、「それは今日ではない」。
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