侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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ノスタルジーでは解決しない
なぜ、時代劇を作らなくなってしまったのだろう。いや、正確には、どうして京都で時代劇を作らなくなってしまったのだろうか。
正論をぶって大変申し訳無いが、答えは出ている。勧善懲悪のチャンバラ劇に観る側が飽きてしまったからなのだ。
もちろん、それは脈々と続いてきた時代劇映画の製作を支えてきたスタッフや俳優を貶めるものではない。ただ、進化を拒むように物作りをしてきた映画やテレビの制作には責任があると思う。「時代劇はこうなんや」の作り手の独りよがりは観客を置いてきぼりにしてきた。まして、時代劇が無いのはスター俳優が京都を去ったせいではないので、わざわざスターに謝罪させる会見シーンというのは誰に対する忖度かと思ってしまう。
主題は「時代劇の灯を絶やしたくない」なのだが、主題を全面に押し出されても、こちらは青臭くて観ていられない。もっと幕末の志士の「生」を、タイムリープを持ってして突き詰めて描ければ、グッとくるものがあったと思う。シチュエーションに溺れているのか、全ての人物像の描き方も芝居自体も私には浅くしか見えなかった。
とくにヒロインの女性像は映画というよりはアニメーション、漫画のそれにしかみえなかった。監督賞?なぜ?
変にギャグにしないとこが好感持てる
幕末を生きる侍が現代日本にタイムスリップだ!
はじめは何が起こったか分からず右往左往だが
爆速の理解力で自身の時代から100年以上経過していることを受け入れたぞ!
何気に理解力と適応力の塊であった主人公は現代日本で時代劇の切られ役として生きていくのだーーーー!!!
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面白いわー
娯楽映画はかくあるべきですね
主人公の適応力がすごすぎるとか、ご都合主義とか
こまけぇことはいいんだよ!
これは娯楽映画なんだから一瞬を楽しめ!
ありがちの車やら建物やらにコミカルに驚く武士が無かったのが本当に良かった
演者さんの演技も良いし、上映時間長めだけど話面白いしテンポいいから全然気にならない
侍が現代にタイムスリップして、ドタバタコメディかと思いきや、そんな単純な話ではなくキチンと中身が練られた内容だったのは予想外
後半の流れは「そうきたかー!」と驚かされ、最後のチャンバラはマジで刃傷沙汰が起こるのかハラハラしながら見れた!
コレは話題になるのも頷ける
細かなアラは見て取れるけど圧倒的な面白さの前には些事である
本当に面白かった
主人公のひたむきさが貫かれ、ユーモアと緊張感が途切れない!
幕末の会津武士が京都での果し合いの最中に現代にタイムスリップするところから物語が始まる。主人公は現代に殺陣役者として生きてゆく決心をするも、会津藩士としての魂を忘れない。その集大成とも言える大作に臨むにあたって後日書き加えられた台本から会津藩が戊辰戦争で敗れ政府軍に酷い仕打ちを受けたことを知る。タイムスリップという非現実的な設定のはずなのに、時代劇事情のリアリティーと一貫した主人公のひたむきさやそれを支える人たちの愛情など不思議と観客は劇中のストーリーに取り込まれてしまう。終始ユーモアと緊張感に包まれストーリ展開の仕掛けも極めて巧妙だ。娯楽映画として、久々に感動する作品に出会えたのがうれしかった!
米農家でもあり、脚本のみならず撮影、照明、編集までもこなす安田淳一監督には敬意を表するとともにその才能を祝福したい。
侍映画
アニメでいえば、新海誠の初期とか、最近では安田現象の「メイク・ア・ガール」とか、「ルック・バック」とか、あるいは「カメラを止めるな」のような感じ。
好きが高じての作品ってすごいなぁって思う。
何かのドキュメント番組で、安田淳一監督は時代劇には詳しくなかったと自身で言われていたけれど、そんなことを言いつつもあの熱量はすごいと思う。
侍映画・チャンバラ映画と聞くと、最近では「太秦トワイライト」とか 個人的には「SF~サムライフィクション」とかが思い浮かぶ。
時代劇ではないですね。時代劇というと「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」とか「鬼平犯科帳」とか。
時代劇と、侍映画、チャンバラ映画と書き方を分けたけれど、何が違うのかな。
とりあえず、「侍タイムスリッパー」は侍映画かな。
チャンバラ映画は「SF~サムライフィクション」かな。
劇場で観たかったけれど、タイミングを逃してアマプラで視聴したけれど、やはり大きなスクリーンで観たい映画の一つ。
同時に「太秦トワイライト」も見直してみたくなった。
信じるものの為に全力をつくす
終盤30分が本当に良くできていた。
会津藩が辿った歴史を知った高坂は、最後まで戦わず生き長らえてしまった後悔と仲間への自責の念から、戦いの中で死にたい、風見との決着をつけたい思いがあった。
一方で、風見の本当の武士の姿を現代の人にも知って欲しいという思いに共感もしていた。
そこで両方の思いを実現する、真剣での撮影を提案する。
高坂は風見に切られて仲間への罪悪感を払拭し、本当の戦いを後世にも残すことをイメージしていたが、風見の剣を落とす形で勝負がついてしまった。
当時長州藩の風見を切ることには意味があったが、決着がついた現代では切ることに意味がないと気づき、本来の剣ではなく殺陣の稽古で習った上段の構えで切らないことを選んだ。
当時は信じるものの為に死ぬことが武士の本懐であったが、お互いの信じるものの為に戦った。それでいい。
いつかは時代劇も歴史も忘れ去られる時がくるだろうが、それでいい、今日がその日ではないなら近くの明日のために伝えていくことでいい。それでいい。
自分の信じるもののや愛するものを継続する時に、これは意味があるのかとかいつかは無くなるならやらなくても同じだとか考えてしまう時があるけど、他者や後世の評価を気にして自分の思いに蓋をしてしまうのはもったいないし、それでもいいと思ってやり遂げることが大事だと思った。
睨み合いの緊張感が良かった。
ケーキや米を食べて日の本は良い国になったと涙するシーンも良かった。
脚本上も高坂が風見を切る話であったと解釈するが、長州の風見が会津の高坂に切られる脚本を用意していたのも風見のメッセージだと思うが、真剣勝負になった時点で風見がわざと剣を落としたとは思いたくない。
噂には聞いていたが…
たまたま付けた配信でこの作品がやっていて、遅ればせながら観てみた。
どこでも評されているが、山口馬木也さんの生真面目さが心に刺さるのか?本当に良い。
他にも吉本新喜劇のような住職夫妻、所長井上さん。
落ち着きあるベテラン殺陣の関本さん。
時代劇あるあるのヒーロー役、心配無用之介。
死を覚悟(錯覚)した高坂新左衛門が走馬灯のように人生を振り返り「おもしろき人生だったのう」のシーンに涙が出た。
今の時代とは桁違いの不便さの中で生きて、なんと素朴なのか。
何でもある今の時代は不足ばかり感じてしまう。
途中で出てくる論語にも通じている。
笑いもあるがこの映画から諭されるものもある。
撮り方がとか、音響がとかの批評も見るけれど、私には心に刺さり、何度も配信を再生している最中なのである。
高坂の人柄
序盤からその設定の妙と面白さに引き込まれた。最初の撮影を邪魔しちゃうシーンとか最高だった。
なんといっても高坂の人柄がすごく魅力的にうつっていて良かった。撮影を邪魔したシーンでも、周りの空気から、何かご無礼を致したようでと即座に謝ることができる。時代劇に素直に感動できる。斬られ役としてレベルアップするために、努力を重ねていける。あの人柄があったからこそ、高坂は現代で周りに助けられ生きることができたのではないか。
かなりコメディに寄っているのかとおもったが、そうではなく後半もさらに見応え十分。最後の対決シーンは迫力があった。
時代劇を通して、私たちはあの時代に生きた人達の思いや生き様を知る。時代劇復興というメッセージも込められた本作品。
映画やドラマを作る人達の気持ちや思いもすごく表現されていて、それ故に第二のカメ止めと言われるのもわかる気がする。
中盤は中弛み感が少しあったので、作品時間の調整があっても良かったか。
これインディーか…
肉を切らせて骨を断つ
遅ればせながら、いい映画でした!!
比較される『カメラを止めるな』では、ワンカットという秀逸な設定の中での、日本人の真面目さや家族愛、そして人生への愛が感じられウルッと来ました。
本作はそれに加え、武士道の精神とその「信念」というものに対する殉死(乃木将軍が切腹したように)を思い起こされやはり胸にグッときました。
主人公が自分を捨てずに新しい道に挑戦できたのも、最後に命あれば気持ちを伝えたいという相手が出来たからだと思います。いいですね...
そして武士の魂である『真剣』は、ここで、生きてきた時代とともに片付けたのでしょう(片付けるとは、一つ一つ大切に片を付けるという事ですよね...)。
監督の、「肉を切らせて骨を断つ」的な人生が感じられるいい作品でした。
そしていつもこんな私を楽しませてくれる、全てのエンタメに携わるスタッフ(クリエイター)の皆さんに称賛と(労いと)感謝を...ありがとう!
話題になってたけど裏切らなかった!
めちゃめちゃ面白かった!
主演の山口さんがすごくよかった!
喋り方や佇まい、刀さばきがかっこいい〜
殺陣技術集団「剣会」となるものを知らなかったし、時代劇ってこうやって作ってるのかと勉強になった。
お侍さんの礼儀正しさが素晴らしいし、殺陣のシーンは息を呑む素早さ!
幕末から突然未来にタイムスリップしてからの馴染みの早さはびっくり笑
で、切られ役の初稽古で切られないでいる連続シーンで吹き出してしまった笑
暗殺しようとした相手もタイムスリップしてんだろ〜
と思ってたらまさかの30年というタイムラグ笑
ラストシーンまで抜かりなくとても楽しめた!
メッセージを受け取れるかどうか
こういうので良いんだよ!こういうので!
って、タイトルで全てって感じの感想なのですが、武士が現代にタイムスリップしてくる話は数多くあれど、飛んだ先が時代劇の撮影所って設定はナイスアイデアだと思いました。主役を演じた山口真木也さんがどこかで言っておられましたが、嘘の嘘を演ずる、つまり実は本物の侍なのに、その本物の侍が偽物の侍を演ずるって話は確かにこれまで多分見たことなかったようにも思えるので、新鮮でした。
ともかく、いっぱい笑えるし、感動するところも結構あるし、それでいて旧来の時代劇をちゃんとリスペクトしてるし、多少なりとも脚本的にあれ?変だぞ?って思えるところもあったけど、そんなのカンケーネーって感じで見終えた時にスキッと「あー良い映画見たなー!」って思わず空を見上げて背伸びしたくなるようなそんな映画でした。
ただ一点、というか結構話の重要な部分だと思うんだけど、敵役となる冨家ノリマサ氏が演じてた方の役が、どうして時代劇を捨てたのか?あるいはなぜもう一度時代劇をやろうと思ったのか?についてはイマイチ何か説得力が足りない気がしました。私ならもっと簡単に、血を見たから、で良いんじゃないかと思います。
でもそれも、最後のあの壮絶な殺陣シーンで帳消しかな。あれは素晴らしかった。
ともあれ、日本アカデミー賞は獲ったし、カメ止めの再来と呼ばれるほどヒットしてるし、よかったよかった。
まさに真剣。
幕末の侍がタイムスリップして、時代劇の斬られ役として働くことになるというコメディのノリの映画。
と思いきや、終盤は緊張感が次第に高まり、最終シーンの真剣での戦いの場面になる。タイムスリップする前も真剣同士の斬り合いなんだけど、終盤の真剣の戦いの方が遥かに緊張感がある。それは、まさに現実シーンで役者同士が本当に真剣を用いているかのように感じられるからだろう。映画を見る時、戦いのシーンは真剣で戦っているとは考えながら見てはいるけど、そうは言ってもフィクションの世界。真剣でのやり取りなんてことは本当には思ってない。それを、劇中劇の時代劇と、現実の世界と分けて、現実の世界に真剣を持ってくるという構造にするおかげで、本当に真剣で戦うことの緊張感を感じさせてくれている。非常に上手い扱い方だなと思う。
役者さんの力も多分にあったとは思う。
とはいえ、良いところばかりではなく、前半と後半の主人公の性格のギャップが大きいすぎて半ば強引に終盤のシーンに持っていったなといった感じ。喧嘩腰すぎでしょ。
優子さんとのクダリがまあまあくどい。
全体的に低予算感あふれる感じは最後まで拭えなかった。
時代劇愛
痛快エンタメ映画
自分の人生の中に、隔世の感をもって振り返ることができる時代がある人にこそ深く刺さる
映画館で観て、いいなぁと思っていたら、アマゾンプライムで無料配信しているのを見つけ、以来、ヘビーローテーションのやみつき状態。いまではBGM代わりに流していても細かいところまで思い描けます。この作品は「すたれつつある(?)時代劇」という枠を超えて、自分の人生を振り返るときに、ああ、あんな時代があったなぁ・・・と、隔世の感をもって振り返ることができる時代がある人にこそ、深く刺さっているのではないかと思います(私の場合はまさにそうです)こんなに繰り返し見てしまう映画は、60年余りの人生の中で初めて。ダントツ1位です。ほんとうに良い作品をありがとうございます。主演男優さんの、どこを切っても誠に細やかな演技は本当に見事。(なぜ主演男優賞にならなかったのだろう?)小さなところで言うと、ビールを初めて口にするのであろうときの様子(ウィスキーロックのほうもしかり)、助監督への恋心を風見にあっちこっちでからかわれるときに見せるそれぞれの表情。そして全編通してですが、ごく自然な訛り(どうやって習熟されるんでしょうかねぇ・・・)ショートケーキのところから、テレビで番組が終わってお寺のご夫婦が放心状態になってるところまでは、私の中で一押しです。あと、剣心会に入門ゆるされて最初に関本さんに稽古つけてもらうところでどうしても切る側になってしまうくだり、関本さんの演技も画面のテンポもとてもよいので、わかっていても、何度見ても、笑ってしまいます。心配無用之介の中でおうめの涙声がとても上手で、髙坂の、鼻のクリームを拭いたティッシュで目をぬぐう表情とうまく呼応しているなぁと感じました。ちなみに、アマプラでは字幕を出せるので、聞き取れなかったところや知らない単語(「さかやき」とか)もわかりました。もっともっと話したいので、どこかに、ファンサイトみたいなものはないだろうか?と思ったりしているところです(笑) ところで二つ、いまだにわからないままのところがあるので、ここに書いてみたいです。1。140年後の日本に来たとわかって、さまよい歩いているうちに、タイムスリップする前に切り合っていたお寺の門に通りかかり、石段に腰かけて脇差(というのか、短い刀)を抜く場面。これは自決を考えていたのでしょうか? 2。お寺の住職が「あの男、悪い男や無いで・・・」奥さんが「あれは単なる役者馬鹿や(笑)」そして最後にゆうこ助監督が、「役者馬鹿・・・?」とつぶやく。このつぶやきは、何かの伏線になっているのでしょうか?結構間をとっているので、何か深い意味があるのかなぁと思いながら、わからずにいます。
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