侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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心温まる映画
評判を聞いただけで前情報無しで観に行きました。確かに予算の関係か?全体的に粗い映画です。しかし、それが逆にこの映画の味となってるような気がします。とにかく中盤以降の展開が素晴らしく、時代劇などまともに見たことない私でも楽しめました。特にラストシーンは圧巻でした。あの沈黙、間合い、刃がぶつかり合う音、このシーンを劇場で観るためだけにリピートしようかな、と思えました。
そして、エンドロールをみていると一人で何役も制作の仕事を兼任しており、頑張ったんだなぁと、自然と微笑ましい気持ちで劇場を後にできました。
私が鑑賞した時はお年寄りの方が多く、劇中何度も笑い声が飛び交いました。正直映画中は咀嚼音すら気にしてしまう私ですが、この映画に関してはその笑い声も良いスパイスになってました。若い方には退屈かもしれませんが、それでももっともっといろんな人に見てもらいたいな、と思える最高の映画でした!
江戸時代の武士が現代に来たら・・・想像しながら笑った
江戸時代末期の京都で、会津藩士の高坂新左衛門は藩から長州藩士を討つよう密命を受けた。その男と刃を交えしばらくすると雨が降りだし雷も鳴りだし、そして落雷を受け気を失ってしまった。目を覚ますと、そこは現代の京都の時代劇撮影所だった。新左衛門は江戸幕府が140年前に滅んだこと、自分がタイムスリップしたことを知りがく然とした。生きる気力を失い、一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、助監督に恋心を持ち、気力を取り戻していった。やがて彼は特技である剣の腕を頼りに撮影所で斬られ役として生きていくことを決意する、という話。
タイムスリップって現代人が過去や未来に飛ぶのは良くあるが、過去の人が現代に飛んでくるのは珍しいかも。
左から文書をさらっと読んでたが、横書き文字は昔は右から読むんじゃなかったっけ、とか、ひらがなの書き方江戸時代とは変わったよなぁ、とかツッコミを入れたくなったが、些細な事だし、まいいか。
ほとんど知らない俳優ばかりだったが、みんな芸達者で面白かった。
特に高坂役の山口馬木也の戸惑った演技が面白かった。
娯楽作品として楽しめました。
最高です。塩むすびの味。
ストーリー、オチは、
想像できるし、そうなるだろと思うけど、
いやー素晴らしい!!
何度も、感動した!!
それほど知られていないけど、演技のある役者さんは、
たくさんいるのは知ってるけど、
参りました。と本心で思いました。
塩むすび、ショートケーキが、
当たり前に食べられる世の中のありがたさ。
その感動のシーンに感動する。
殺陣の素晴らしさに、感動する。
時代劇は、お金もかかるので、作る大変だけど、
日本史のこういう歴史的背景、それを絡めたストーリー
を本能的に、理解出来る日本人であって、
良かった思う。
ハリウッドで、ショーグンとか、有名になって、
また、お金のかかる時代劇が、
しっかり作られる時代になればいいなー。
感動する物語なんか、日本史の中じゃ
宝庫じゃないですか。
着物姿の武士も凛々しく、女性の着物姿、
日本の風景、日本刀、
やっぱ感動しちゃうんだよね。
鬼滅とかも、流行るのは、やっぱり日本人
はそういう精神的な物から、本能的に、
理解出来るからなのかなと思う。
本気で、他人におすすめしたい映画です。
ほぼ予測可能
タイムトリップジャンルに新たな傑作、新星誕生!
『侍タイムスリッパー』(2024)
公開前から周囲でも評判の高かった本作品。
ようやく本日【聖地】池袋シネマ・ロサさんへ。
絶賛上映中、ネタバレはできるだけ控えますが、一言感想を述べれば「うわー!まだこのパターンがあったんだ!完璧にやられた!」と、まさに『カメラを止めるな』(2018)、『リバー、流れないでよ』(2023)と同じ衝撃。
今までのタイムトリップ作品にはなかった発明的な【一捻り】と、【時代劇】というペーソス溢れる題材の化学反応、バランスが絶妙でしたね。
タイムトリップ、タイムリープジャンルは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はじめ『バタフライ・エフェクト』『君の名は。』『ルーパー』『時をかける少女』『戦国自衛隊』…などすでに傑作・名作は数多ありますが、本作はそれらと肩を並べるほど面白いですね。
本作品のような作品を観ると、まだまだ映画の可能性を感じることができて元気をもらえますね。
時代劇愛が伝わる
真剣に殺陣を観た
映画が面白い事の再確認
生き抜くこと、生かすこと
現代人が戦国時代にタイムスリップする作品は枚挙にいとまがない。
一例では(TVドラマだが)、
「NHK少年ドラマシリーズ」の〔夕ばえ作戦(1974年)〕。
『光瀬龍』の原作で、今は「笑点」で座布団運びをしている『山田隆夫』が主演。
「おもしろうてやがて悲しき」ストーリーが心に残っている。
対して、その逆は珍しいかも。
自分の記憶では〔ちょんまげぷりん(2010年)〕〔サムライせんせい(2018年)〕くらいか。
後者のTVドラマ版と、共に主役が『錦戸亮』なのは面白い。
わけても〔サムライせんせい〕は、幕末の志士が現代にタイムスリップし、
文明に戸惑いながらも人望を得ると言う・・・・。
時は幕末、所は京都。
長州藩士を討つ藩命を受けた
会津藩士『高坂新左衛門(山口馬木也)』は敵と切り結ぶさ中、
落雷を受け百四十年後の現代にタイムスリップ。
気が付いた場所が時代劇の撮影所だったのは幸運。
その場に居ても違和感のない装束。
風貌や所作、言葉遣いまでも、
(時代劇での)武士道を極めていると
好意的に受け止められる始末。
騒動を起こし混乱しながらも、周囲に助けられ
次第にこの世界で生きて行く決意をかためる。
のっけから「繰り返しのギャグ」がさく裂。
撮影のシステムを上手く活用しており、笑わせてくれる。
が、以降は、文明のギャップから生じる可笑しさは、
意外なほど出て来ない。
寧ろ現代人にとっては当たり前の、
白米のおむすびやショートケーキを食べる件は、
幕府が滅び日本が豊かな国になった
主人公のレゾンデートルを揺るがすエピソードが頻出。
周囲は皆々良い人ばかり。
主人公が異世代の人間であることなど
考えもしない。
また『新左衛門』もすんなりと
現代の流儀に馴染んでしまうのは、
いかにも日本人らしいというべきか。
終わり方は元の時代に戻るのか、
現代で生きて行くのかの二択。
さて、どうケリをつけるのかと注視すれば
中盤以降に思わぬ展開が待っている。
良く考えれば、これはアリな設定で、
何故にここまでで気づかなかったかと虚を突かれる思い。
ここから物語は一気にシリアス路線に舵を切る。
豊かになった日本を理解はするものの、
そのために犠牲になった過去の時代の同志たちを思えば、
やり場の無い思いが去来。
そうした憤懣を背景にした、鬼気迫る技斗のシーンの迫力たるや・・・・。
一切の外連味を排し、ただ互いの思いをぶつけ合う二人に、
決着も併せ目が離せない。
恨みや憎しみが何も生まないことも、
説教臭くなく、余韻を以って提示する。
ラストのシーンも思わず哄笑が巻き起こる
心憎い流れ。
ただ、これも、考えてみれば
事前に仄めかされていたのだよなぁ、と。
エンドロールを見ていれば、
スタッフの各パートに同じ人名が何度も登場し
一人十幾つも役割で撮られていたのが良く判る。
が、そうした忙しなさと、
作品のクオリティには全くの相関は無し。
笑ってほろりとさせられる良作は、
多くの人の目に留まり、制作陣に相応のリターンがもたらされることを望む。
おじさんによるおじさんおばさんのためのおじさんの映画
幕末マンセー
200年前の侍がタイムスリップして、時代劇のアルバイトをやって生活するストーリー。当時の、会津藩と長州藩と、複雑な関係が伝わってきました。
もう一度観に行きたい
面白い!超お薦め映画
山口馬木也がとっても良い
斜陽どころか消滅の危機にある時代劇に、もしもホンモノの侍が参加したら、という自主制作映画。チープなタイムスリップものな予感しかしないが、見てびっくり。いやもう、面白かったわ。センスが良いです。
高坂さん、最高。
自分がタイムスリップしちゃってることをあっさり潔く受け入れて、特技を生かして斬られ役としてこの世界で生きていこうと奮闘する姿が溜まりません。誇り高くも謙虚で、不器用朴訥にして努力家、正義感強く感謝を忘れない会津藩士。顔の表情も所作も、武士の風格があって良いです。常に国のこと、藩のこと第一の武士らしい信念が美しい。
いちごのショートケーキをほおばりながら、こんな美味い菓子が普通の人でも普通に食えるなんて日本は良い国になったんだな、と泣くところ、私も泣きそうになりました。白いご飯のおにぎりを、こんな美味い握り飯をたべたことない、にもほろりとしたが、食うのがもったいない、と言いながらしっかり食べておかみさんに静かに突っ込まれてて爆笑しました。
恋心を抱く優子ちゃんにいいところを見せたいちゃっかりなところもいい感じ。
マドンナの優子ちゃん、居候させてくれる住職夫妻、殺陣の師匠、斬られ役(大部屋俳優、って今でもいるの?)の同僚たち、周囲が温かい良い人たちで気持ちが良い。
あちらの世界で斬りあいしていた相手はどうなったかと思ったらそうくるか。
意外性があって展開が読めなくなりアイデアに感心した。脚本が上手い。
江戸幕府は140年前に滅んでいること、そして明治維新以降の旧会津藩の人々の窮状は歴史が物語っていて、それを知った高坂の慟哭、彼一人の力ではどうなるものでもないが、自分だけ知らぬ顔はできないと思い詰めるところからのクライマックス。
宿敵・桂(風見)とのライバルなのか友情なのか、入り組んで微笑ましい関係ながら、現代の日本にすっかり溶け込んだふたりながら、決着をつけるときが来るのは必定。
立場は違えど誇り高い武士としての生きざまをぶつける真剣での勝負に、息をつめて見入ってしまった。
勝負の結末は想像ついたが最初のアレにはびっくりした。
私は生まれも育ちも関東なので、薩長より坂本龍馬より、新選組や会津藩、旧幕府軍贔屓なので、高坂の心情に寄り添いやすかった。
タイムスリップに「雷」はもはや「法則」、万有引力並みの世界の常識のようです。
東映京都撮影所の特別協力があり、撮影所で機材とオープンセットを使って本格的に作れたことで、この映画に堂々たる重みが出たと思う。
また、殺陣が高い技術を持った本格的、どころかホンモノで、現場の稽古場面、段取りの付けかた、などなど、プチドキュメンタリーのような迫真感があり、チープなB級映画と一線を画したと思う。
始終笑えるコメディーだがふざけすぎず、見せ場は正統派できっちりしっかり見せるバランス感覚が絶妙。また、ありがちな、高坂がタイムスリップの現実を受け入れるまでのエピソードをばっさり排してその分時代劇と殺陣、時代劇愛のほうに使っているのがとても良い。
見事な殺陣ができるのはもちろん、生真面目な武士からの笑いのセンスもありありの山口馬木也がとっても良いです。
自主映画で始めた、監督・脚本の安田淳一あっぱれ。
優子ちゃんは、本物の助監督なんですってね。
オチに爆笑しました。忘れてたよ彼のこと。
知らない俳優たちが輝きすぎ!
映画の可能性はまだまだあると納得させてくれる作品でした。出てくる俳優たちは、ほとんど見たことがない人ばかりなのに、何故あんなに輝いてインパクトがあるのだろうかと、不思議な感慨に襲われました。これはひとえに映画愛が作り出した稀有な映画なのかもしれません。主人公は会津藩の侍であり(同僚も含めて2人)、相手役は倒幕派の侍です。この3人が争っている時、雷に打たれて現代にタイムスリップしますが、それぞれに時間差が起こり、それがストーリーに何重もの深みを与えてくれているところは見事です(現代に生きて特に中心の2人は多くのことを学びます)。現代においての設定は、時代劇を撮影する京都撮影所が舞台です。その撮影所の中で過去から現代に来た主人公が、ひょんなことから時代劇の役者を演ずることになり、自身の中にある会津藩への思いを演技の中で爆発させるのです。まさに自身の中に溜めてきた正義感の爆発なのでした。しかし、歴史は大河の流れのように、善も悪も全て濾過して流れていくものなのでしょう。ラストは「許す」という寛容の精神が主人公の心を救います。憎き倒幕の侍を許すという自分を「許した」のです。ヒロインが主人公の頬を勢いよく叩いた時、見事に吹っ切れた気がして涙が出ました(他にもなぜか泣けるシーン多し)。いずれにしても、独特な雰囲気で始まったこの作品の没入感は半端ないです。あっという間にエンディングまで観てしまいました。その中でも、ヒロインの天使のような言動に癒されました(笑)。
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