侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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映画が好きな人たちの気持ちが伝わってくる傑作時代劇!
冒頭はありきたりといえば、ありきたり。
タイムスリップの原因が落雷というのも、映画で、よく使われる手法ではある。
しかし、この作品には全編を通じて、独特の間と、人間描写の素晴らしさが存在する。
笑いにも、微笑ましさがあり、人の心に溶け込むユーモアがある。
低予算でよくぞ、こんな映画を作れたものだと思わずにいられない。
映画を愛する人が監督し、演ずることで人に感動を与えたい人達がスクリーンを彩る、そんな映画だ。
この映画に理屈はいらない。
ぜひ、大ヒットして、出演している役者の皆さんの今後の活躍も観てみたいと思わずにはいられない作品ですね。
まだ見てない人にもぜひ見て欲しい
「侍タイムスリッパー」を見てきました。とても良い!!
過去と未来がひっくり返って、もう何もできなくて後悔ばかり。でも、今できることを今頑張ろう!と思える作品です。前向きな気持ちになれました。
140年前どうだっただろうと思うとともに、140年後どうなってるだろうと思いました。
20年前どうだっただろう、20年後はどうなってるだろう。
過去から見た私は、今どんなだろう。
未来の私はどうなりたいんだろう。
そんなことを考えました。
過去からの眼差しに恥じないように、できるだけ後悔をしないように、今できることを精一杯頑張って生きていきたい。
侍版テルマエ・ロマエみたい
ケーキのシーンと喫茶店のシーン、からの中打ち上げ
この映画で、私が大きく胸を打たれたシーンが三つ有るんです。
まず、ケーキのシーン。
高坂が、庶民も高級菓子を食べられる世の中になっている事を喜ぶの。
私、時代劇を見る時、侍の目先の格好良さばかり見ていました。
時代劇の侍たちは、もっと高い志を持っていた事を思い知らされたシーンでした。
続いて喫茶店のシーン。
ここは、時代劇に限らず物語の作り手たちの心意気を知るシーン。
高坂の台詞は受け手側の感想であるんだけど、この感動を届けたいんだっていう作り手の心意気が伝わってくるんです。
そして、一番感動したのが、中打ち上げの風見の挨拶のシーン。
ケーキのシーン、喫茶店のシーンの思いが、風見の言葉に乗っかってくるの。
それに、風見を演じた冨家さんの思いも重なってるんじゃないかな。
冨家さん自身のキャリアも言葉に重みを増してると思う。
釣られて拍手しちゃいそうになるくらい、感動したシーンでした。
それから、この映画で良いと思ったのが、風見が時代劇を引退した理由。
時代劇では、殺陣の格好良さばかり見ていたけど、人を斬るということは、斬る側にも重荷を背負わせてしまうんですよね。
これは当然、現代でもそうなわけで・・・。
こんなレビューを書くと、しっかり身構えて観ないといけない映画みたいだけど、肩の力を抜いて観ても楽しい映画だから、この映画は素晴らしい作品だと思うの。
幕末の志士に今を褒められるのは嬉しい。だからヒット。
時代劇への愛
正直時代劇に興味はなく、実家で親が観ているのをチラ見する程度でした。
(でも観たらなかなか面白い。)
失礼ながら役者さんたちもあまり知らない方達が出演していたが、評価がとても良く気になり鑑賞。
一言。
とても良い作品だった。
タイトルで分かる通り、お侍さんが時代劇の撮影現場にタイムスリップしてしまうのだが、沢山の役者さんの中に居ても、その方だけはもうお侍さんそのものにしか見えてこない。
本物だ!と感じる演技力。
主人公の言葉に何度か泣かされる。
そうだよな、そうなんだよね。って。
時代劇の殺陣シーンってどうしても主人公ばかり追ってしまうけれど、次観る時は斬られ役の方にも注目してみようかなと思う。
笑あり涙あり、息を呑むシーンあり。
面白いのでみんなに観てもらいたい。
そして少しでも時代劇がまた注目されると良いなと思う。
あと余談ですが、ヒロインになるのかな?助監督さんがギャル曽根ちゃんに見えてしまって。
メガネのせいもあるけれど本当似てる。
ショートケーキに、豊かで平等な現代日本を感じとれる侍
やっと観れました。8月の公開から10週遅れ。やっと我が街にも届きました。
公開から時間が経っているので、ネタバレを気にせず雑感を記録します。
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1. 現役の侍が斬られ役に甘んじられるか?
カメ止め同様、単館で評判を呼び全国に展開されるまでに、メティアに前評判が拡散される。高坂新左衛門が現代で斬られ役うになる粗筋も繰り返し耳にし、鑑賞前から1つの疑問が頭を占めていた。
「幕末に命のやり取りをしていた武士が、演技であっても斬られる事を受け入れられるか? 武士の誇りを捨てられるのか?」
鑑賞中も、倒幕派を斬らんとする血気盛んな冒頭から斬られ役に順応する過程が想像できなかった。変にバニクったり、通りすがる現代人が無防備に鞘に触れたら、刃傷沙汰になりかねない。
しかし、何気ない掲示物から幕府の終焉を悟ったり、現代の町並みに圧倒される描写や、おやつのケーキで誰しもが豊かで穏やかに暮らせる現代の日本に涙ぐむシーンで氷解した。論語も諳んじる新左衛門は、粗野な暴れ者ではなく教養を兼ね備えた武士だった。山口馬木也さんの出しゃばり過ぎない演技は絶妙。偉ぶらず、周囲の善意に感謝できる新左衛門が、人を斬らずに剣の腕を活かす為には斬られ役しかなかったのかもしれない。
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2. 脇役の演技力と明快な山場
本作は脇役も素晴らしい。ユルさと自然さを兼ね備えた住職夫妻は、程よいコメディリリーフ。撮影所長の井上肇さんの小市民ぶりも絶妙。殺陣の師匠(峰蘭太郎)が魅せた威厳は、クライマックスの緊張感を高めた。剣心会メンバーも自然で違和感がなかった。「本身を用いた撮影」という明確なクライマックスで、本作に対する評価が跳ね上がった。撮影に至る過程の状況づくりも巧く、武士時代の遺恨もあるが、仲間意識もあり認め合ってもいる2人が繰り広げる真剣勝負には迫力があった。オチの付け方も巧く、本当に斬っちゃったの!とバッチリ焦った。
映画もドラマも需要がなければ採算が取れない商業芸術。時代劇がかつてのように量産される事はないのかもしれない。大河ドラマ等、NHKが制作する時代劇には根強いファンも居るので、「Shougun」でも重用された、時代劇専門スタッフの知識や技術は何らかの形で保存してほしい。
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3. ベタさと既視感も愛嬌
気になった点としては、コメディシーンの妙な音効。ここが爆笑のし処ですよって感じ音が入るが、クスッともできないベタなシーンに入っていると、苦笑もできずに心がベタつきかけた。
また、風見恭一郎(冨家ノリマサ)も違う年に time leap した仇だったと分かる展開に驚く完走もあったが、time leapモノにはありガチな設定。すぐ思い浮かぶ限りでも、「信長のシェフ」(2011)「信長協奏曲」(2014)でも、戦国時代に time leap した主人公が、自分より前に time leap してきた現代人と会う。オリジナリティこそないが、時代劇に恩返ししたという心情と巧くマッチしていて佳かった。
見ごたえのある時代劇コメディ
ゴジラで賞をとった某監督が絶賛していたのを思い出し見に行きました。いわゆる低予算映画ですが、カメラを止めるなのパターンもあるので期待を込めて見に行きました。申し訳なのですが存じ上げない役者さんばかり。前記したきっかけがなければスルーしていたかも。読んで字のごとく、侍が現代にタイムスリップ、時代劇で切られ役として活躍していく。序盤のコメディ要素ではクスリとさせられつつその圧倒的な殺陣のクオリティ。演者の技量が凄いです。後半で主人公が大抜擢されるのですがその経緯に胸が熱くなります。そしてどんどん引き込まれていきます。新規に時代劇が作られにくくなっている現状に一石を投じたい。そんなパッションあふれる作品です。オチもコメディらしくフワっとしていて良かった。
文句なしの星5つ
あんまり有名じゃない監督がこのままじゃ時代劇は廃れるからという熱い想いで始めた低予算の映画に、時代劇の裏方さん達が賛同して出来た映画、みたいな事をラジオで言ってて気になったので観てきた。
沢村一樹似の侍と、小西真奈美似の助監督。出てくる人みんな初めて見る顔ばかり。
だけど、話の展開も強引じゃないし、クスッと笑えてホロリと泣けて、いい映画観たなぁと思った。
最後のエンドロールの画面の荒さと知ってる名前ゼロで、あぁマイナーな低予算映画だったっけ…と思い出すほど。
SHOGUNが受賞した時に真田広之が「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます」って言ってたけど、諸先生方ってこういうことか、と思ったり。
いやぁ、いい映画見たな。
もう1回見に行こうかな。
おもしろい!!
20年振りに映画館へ
俳優の説得力が無いのが更に良かった
ベルばらのオスカルと高坂新左衛門
常々、最も難しい役は宝塚のオスカルではないかと思っている。
オスカルは男性として生きていく女性だが、傍らにはアンドレという男性がいる。
そのどちらも女性が演じるところがオスカル役の難易度を引き上げている。
両者ともに男性らしい振舞いを習得しなければならないが、オスカル役はさらにそこから努めて演じていると見せなければならない。
決して男役と同じであってはならないのである。
本作の高坂新左衛門役は、これと同等かそれ以上の難易度だったと思う。
序盤の「侍を演じる役者とそれに混ざる本物の侍」の違いにとどまらない。
やがて高坂は劇中劇のオンオフをこなすようになる。
「侍を演じる侍」と「侍を演じていない侍」を演じなければならないのである。
山口馬木也氏はこの難役を全編会津弁でやってみせた。
積み上げてきた侍の姿が無ければ成立しなかったであろう、映画史に残る静かなクライマックスの幕開けは、息はおろか瞬きさえもさせてはもらえない。
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