侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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主人公の「高坂 新左エ門」が最高
山口馬木也が演じる主人公がとても良い。会津藩士らしい素朴さ、誠実さがリアルなので、時代錯誤のエピソードの面白さが抜群。真剣で真面目だったのに、驚いてうろたえるところが、ギャップが大きくて笑えるのに、主人公に好感を持ってしまう。
特に、予告編にもある「助太刀いたす・・」と刀を抜いたのに、監督に「おまえは、何をしとるっ」と怒られる場面は最高。徳川が滅んで140年後の時代に来てしまって、途方にくれる場面もうまい。日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を取ったのも納得。
自分を「何もできない赤子のようなもの」と認め、殺陣の指導を受けるところから始めて、徐々に真面目さと技が評価されていく展開も楽しい。ヒロインの優子殿も真面目な努力家なので、彼女に惹かれるところも共感する。
クライマックスの対決は、それなりに盛り上がり、結末もうまいと思う。ラストのオチも面白い。
ただ、クライマックスの対決に持っていくための設定が強引な感じがした。30年の時間差を付けないと成り立たないところが苦しいし、若い時の役者と今の役者の顔が似ていないので、長い説明シーンを挿入してなんとかごまかしているように思った。
タイムスリッパー侍は本物だ!ホンマかいな?!
映画のタイムスリッパーした侍は、本物だ!
と思いました。
この演技は、演技ではない、本物が普通に行動しているところを撮影しただけだと…
そこで、思うところは、何故に、この時代にタイムスリッパーしたかということ。この時代で何かを学び、過去の何か悲しい事件が起こることを防ぐためだったのではないか?!
そう、その通り!
タイムスリッパー侍が時をタイムスリッパーする前の時代は、あの幕末、会津の鶴ヶ城にて決戦が行われようとする直前の頃。
戦いは無意味な事と未来で学び、過去に帰って仲間に知らせ、戦うこと中止させたので、幕末は、無駄な争いも起こらず、政治は徳川幕府から、明治政府へと円滑に移行したのです。
タイムスリッパー侍は、歴史に偉大な貢献を果たしたのでした。そう、あの主役の彼こそが、その本物のタイムスリッパー侍なのです。
つまらない
侍タイムスリッパー
映画館で3回、うち2回は違う友人と行きました。
面白かった!低予算映画と知らず、パンフの小さい字のページを読んで、どれだけ苦労して製作されたかを知って、監督の熱意に打たれました。
私も祖母や父が時代劇が好きで一緒に見ていて、7歳の時に見た水戸黄門第三部の柘植九郎太(成田三樹夫)が初恋の人というくらい、時代劇を見ていたので、人としてのあるべき姿を時代劇に教わりました。
新左衛門の純朴で心優しく、そして武士の魂を持ったところがとても好きです。馬木也さんの殺陣の美しさ。
昔から時代劇では福本さん探しを楽しんでいたので、あちこちに福本さんリスペクトが散りばめられて、監督の福本さん愛を感じました。
ラストの立ち会いは息ができないくらい緊張し、黒澤映画かと思うほど。
これだけ色々な要素を取り入れて、伏線を回収し、退屈させずに見せて楽しませてもらい、つくづく映画は脚本が大事で、監督の熱意と共にたくさんの人に広がってここまで来たと思います。
また見てしまうかもしれません。すてきな映画をありがとうございます。
あの時代を行きた者たちが、この時代に魂を刻む
日本アカデミー賞を取ったので、気になり鑑賞。
とても見応えがあり満足感があった。新左衛門は堅物のようで茶目っけがあって良い。ショートケーキを食べて、今の日本の豊かさに涙するシーンにはウルッと来てしまった。最後の決闘シーンの鬼気迫る演技に息をのんだ。
最近鑑賞した「チ-地球の運動について」でも近しいセリフがあったのだが、例え敵であっても、同じ時代を精一杯生きたという事。こういったメッセージは過去も今も変わらない争いが絶えない世界に差し込む救いのメッセージだなぁと。
あらゆる年代の観客を楽しませようとする作り手の巨大なサービス精神
タイトルなし(ネタバレ)
タイムスリップなんて化石みたいな設定だ。アカデミーを取ったんだから、月並み感をどう捌いたのかと好奇心半分で見たのだけど、とにかく丁寧な作りで驚いた。主人公がポスターの日付をみて自分が140年後の世界に「タイムスリップ」したと自覚するシーンなんて、普通は失笑ものなのに、最初に背景として投げて、あとから主人公が見つけるアクションを付け加えるから、あら探しの裏をかかれてかえって納得。こういう仕掛が映画中に無数にあるから映画そのものを素直に受け入れられる。そのうち仕掛だらけのこの映画自体がメタ時代劇なのだと気づいて、懐かしさに触れてただ涙。
時代劇を愛するすべての人へ
よくあるタイムスリップものとはいえ、舞台設定がいい。ひねりが効いていて頭にすんなり入る。今は廃れた時代劇。テレビでも滅多に見なくなった。移り行く時の流れと、滅びようとしている一つの時代へ捧げる一輪の花になるのならぜひ見るべき映画。
途中で祖国会津藩がどういう運命を辿るのかを知る主人公。
やがて時代劇も同様になるだろうという示唆なのかもしれない。
が、その後戊辰の仇を叫び西南戦争で大活躍される。
その時の一瞬ではあるが、最後のサムライが確かにそこにいた。
そして、映画でもここに確かに時代劇があった。
いつかは滅ぶのだろうが、それは今ではない。
コメディなのに、涙が止まらない。
なんなのこれは?
評判がいいので見てみたが、昔の安手のVシネのような画面に驚き、ベタ照明(あかり)におどろき、はなしの稚拙さに驚き、「すべる」のすべりまくりのギャグに驚きあきれた。熱血根性物のお話の薄らさむさ。観ているこちらが、恥ずかしくなった。
これが、日本アカデミー賞の作品賞?悪い冗談だ。アメリカの大統領が、あほで間抜けなアメリカ白人になったことよりも、あきれ果てた。
NHK『アナザーストーリーズ』で満員の観客と熱狂をうつしだしていたが、これが、衆愚か、ファシズムの足音か?うすら寒くなった。
「底知れない程度の低さ、どぶからうまれでた何か、およそ深さなどまったくない何か」が、ほとんどすべての人びとを支配する力を獲得する。それこそが、全体主義のおそるべき性質である、とアーレントは考えました"
とてもよいw
時代劇製作陣の侍的矜持
侍がタイムスリップして斬られ役として活躍する話
タイムスリップど定番の時代のギャップに戸惑う様子もありつつ、もう1人タイムスリップしていたという展開もあり
普通にエンタメとして面白い
ラストの真剣での試合のシーンはかなり締まったクライマックスになっている
加えて廃れていく時代劇への鎮魂歌的な役割もしている
時代劇制作や斬られ役という仕事の現状に触れつつ、それの面白さや深みを存分に提示している
(侍の時代の終焉と時代劇制作の廃れをリンクさせている構造。全くテンション感は違うけれど、俺の家の話というクドカンのドラマで、廃れ行く能の世界と死へ向かう介護の世界を組み合わせてエンタメに昇華していた。アプローチとしては案外似ている)
まあただ主人公の侍の感情だけ、はっきり定まりきらずにラストシーンへ向かっている感は否めない
過去の残忍な歴史を知り泣くシーンあり。その後酒で吐いて親父狩りにあう。
セリフに集中できなくなり。悩んだ末に真剣の提案をする。
侍としてのプライドを、鞘に収めるまでの葛藤として認識すればいいような気もするが、
いまいち彼の葛藤に乗り切れない。
相手も相手で、昔敵を切った感覚が時代劇の演技の際に思い起こされると悩んでおきながら、真剣での演技はしましょうと。
侍としてのプライドに終止符を打つためのけじめみたいことなのかもしれないけれど、、、
まあエンタメとして綺麗にまとめるための、ラストシーン前の葛藤って感じのところが多少無理くりな感じがしなくはない
食べるんかいな
さらに時代劇が見たくなりました
ストーリーがとても面白く引き込まれました。タイムスリップものなので普段時代劇を見ない自分でも見やすかったです(特にショートケーキを食べるシーンはグッときました)。
作中では時代劇制作についての想いや現状などが語られており、他の時代劇も見てみたくなりました。
映像の質感?が少しクリア過ぎるかな、とそこだけ気になりました。
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