侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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時代劇愛
時代劇愛にあふれていて面白かった。単なるドタバタコメディーだけではなく、実はタイムスリッパーは2人だった、という展開の面白さや、最後の叙述トリック的仕掛けも良かった。戦いの残酷さや、その残酷な歴史の上に今の平和な現代が築かれている、という重くて深いテーマも素晴らしい。
リアリティのために映像やストーリーが無駄に分かりにくくて複雑な映画が最近多いけど、すっきり分かりやすくて、しっかり俳優の演技を見せるこの映画は好感もてる。低予算で作ったと思えないクオリティ、というのは全く同意。
主人公がはじめて俳優として演技した場面(坂本龍馬に撃たれるところ)や、最後の真剣での戦いはほんとに素晴らしかった。
ただ、個人的には時代劇の面白さはよくわからない。
こどものころは水戸黄門を面白いと思っていた記憶はあるのだが、大人になってから水戸黄門をみたら、なんでこんなのを子供の頃は面白いと思っていたのかわけがわからない、と思った。「お約束」「待ってました」を楽しめるか否か、の違いなんだろうか。
本映画のストーリーは、「江戸幕府」と「時代劇」を重ねているわけだけども、ということはこの作品の作り手も、「時代劇」を滅びゆく文化だと認めてしまっているってことだろうか。でもSHOGUNのヒットで、世界的に時代劇が再評価される時代がこれから来るかもね。
これまで日本で作られてきた時代劇や大河ドラマは、エンターテイメント性を優先してリアリティをなくしてきたわけだけど、SHOGUNは逆にリアリティにこだわることで成功したというわけで、時代劇の作り方が今後変わっていくのかな。
個人的には山田風太郎の忍法帖シリーズのようなむちゃくちゃで奇想天外な世界観の話が今の映像技術でリアルな映像になったらすごく面白いと思うんだけどな…。
今までのタイムスリップ系とは違う作品
映画で欲しいものを全部くれた
このサイトでたまたま目について、レビューをみたら皆さんの評価が軒並み高くて…かなーり期待を高くして観に行ったけど、その期待に見事に応えてくれました。
そりゃ細かいことを言い出すと、あるけど。
映像や演出の荒削りな部分は、まだ3作目の監督作品である事、それも限られた予算・資源の中でやっと世に送り出されたものであれば、そんなのあって当然で。
それよりも
笑って、泣けて、映画館を出た時「いいもの見たなあ」っていう満たされた気持ち。
この3つをもらえたら、もう他はいい。
今日の映画は、この3つがもらえたから大満足。
そういえば、過去の自分の大好きな映画からはいつもこんな気持ちをもらってた。最近なかったから忘れてた。今日からは、この映画が仲間入りだ。
余談ですが
幕末の会津、戊辰戦争などに興味があって、あらかじめ事前知識があったのは、この映画を深く楽しむのにとても役立ったと思いました。
あと、山口馬木也さんの会津なまり?の口調が、高坂新左衛門のキャラクターと、この映画全体をとても良いものにしていると思います。すごく良かった!彼はこれからお仕事が殺到するだろうなぁ。
こーゆー良い作品がちゃんと世の中に広まるのは、ネット社会の良い所だな。
邂逅の 斬り込む刃 誇り舞う、 我が師の殺陣に 悔いは無し!
今まで幾度となく時代劇は観てきた。つもりだった・・・
町人役で出た事もあったが、それは一時の思い出。
同じ部屋でメイクする大部屋俳優さん達。
今でも撮りの現場の緊張感が好きですね。
今日は いま噂の「侍タイムスリッパー」の鑑賞です。
とにかく場内満席でしたわ。(すっげー)
---展開話---
或る会津藩士が長州藩士を討つ戦い途中に稲妻打たれて
タイム~スリップ! 現代の時代劇撮影現場へ っていう話。
誰でもそんなの思いつくやん~ って思ったアナタ。
私もそう思ってたよ。なにコレ、ふ~んって。
でも観てて、あぁ~ 時代劇って 無くなると
困る人メッチャ多いねんなと 気付く様に。
時代劇には殺陣。やはり殺陣師の仕事ぶりが武士の姿を際立たせる。
とっても大切な役目。この箇所にスポットライトを当てた作品展開となってます。
他に類似な作品は無いと思います。
ですから 殺陣について学べるところがあります。
侍 武士なら殺陣なんか簡単だと思ってたけど、全く違っていて
撮影時のル-ルが色々在るんですね。
タイムスリップした主人公の高坂新左衛門(役: 山口馬木也さん)も最初は動揺していた。
竹光の余りにも軽いこと。本身(真剣)を常時振っている侍は
その違いに驚く。
だが彼は その違いを上手く表現して本身を持っているかのように演技を加えるのである。
そういった所を感じさせてくれる展開は素晴らしいと感じた。
そして、ライバルの出現。
風見恭一郎(役: 冨家ノリマサさん)の存在。
只のサムライの有名俳優かと思えば、違っていた。
ココの展開は面白かったですね。
そう来たのか~って感心しましたよ。
そして、いよいよ最後の真剣なる 運命の真剣殺陣の場面。
ココの ガチで向き合う二人が 本物の武士に見えて行く様が
とっても素晴らしい。
何度も、そして何度も鍔迫り合いで本身の刃を散らす二人。
この役者魂は 時代劇の後世にも伝えたいくらいです。
そして、辛うじて新左衛門が恭一郎へ斬り込む。
・・・・・・・・ハッとしましたね、ここは。
そして、”カット~”の声(映画撮影だったんだ~って我に返りました)
そして 山本優子(役:沙倉ゆうのさん)の 平手打ち。
ここ、とってもジ-ンっと 心に来ましたわ。
最高です。
果たして高坂新左衛門の運命とは・・・?
殺陣師との会話など 粋な時代劇を身近に感じさせてくれる
ザ・エンタ-テイメント。
(照明と、音入れにちょいと難を感じましたけども、ご愛敬w)
是非、時代劇が好きな方は
劇場へどうぞ!!
実に面白い
ロサ一館から始まったこの作品。
以前ロサでポスターなど見かけたもののあまり興味が湧かず、後日フォロワーさんなどの反応の高さから鑑賞しました。
こちらは侍がタイムスリップするワンアイディアの作品。
なのですが、これが実に面白い。
主演、山口馬木也のとぼけた間の悪い芝居もうまい。SEも効いてましたね。
こういった細かいネタに館内ではたくさんの笑いが出てました。
こうゆう皆んなで笑える作品て良いなってなりましたよ。
またコメディってだけでなく、実に熱いんですよね。
映画や時代劇に対するリスペクトがすごく、武士の心意気もしっかり出ていたと思います。
ラストの立ち合いのはどう決着を着けるのかがわからず、結構手に汗握るシーンでした。
最後のひと笑いも良いタイミングで出しますね。
それにエンドロールがまた面白い。
自主製作映画なので監督の名がいっぱい出るのはわかるのですが、ヒロイン役の沙倉ゆうの名前もいっぱい出てましたw
本当に助監督やってるし、小道具とかもやられててびっくり。
何とも、作り手の愛情をたくさん感じた作品でした。
思いは伝わるが、思いだけでは惹かれる作品にはなれない。
話題になっているなか、ようやく鑑賞できた。
始まってそうそう、チープな映像(期待通り)にバカでかい音にびっくりする。のちのち、音が大事な要素であるとわかる。
ただ、音と映像があってない感じで少し違和感がある。
物語は想像してたとおりに進み、そこそこ笑い、2転くらいあり、楽しめた。
この作品の魅力は、時代劇と侍へのリスペクト。時代劇はほとんど見ないけれど、日本人として、胸に刺さるものがある。先人が作ってきた日本、大事にしたいと思える。ラストシーンは鍔迫り合いの音ふくめ、息を呑む名シーン。
が、こんなB級映画でそんな大事なことを感じさせられる自分を認められないややこしい思いもある。笑
全体的に安心してみられたが、ただ、粗はめだつ。
低予算だからというわけではなく、音が拍子抜けなものが多く急に世界観を引き戻されたり、カメラの転換が雑で画的に刺さるシーンが少なかったり。また、B級ならもっとコメディにふってほしかったが、自分には笑いが足りなかった。
伝えたいメッセージはわかるものの、映画としてグッと心を掴む作品になれたかというとそうではなかった。
素晴らしい作品にするには、思いとセンスが合わさらないとならない、難しいことだと思った。(センス合う合わないは人によりますが)
こんなに笑えるとは!
後ちょっとかな~
4点つけてますが、3.7点という感じです。次作に期待して4点です。
お金がないのに、よくこれだけのシッカリした作品を作り上げたなと思いました。面白いコメディです。
冒頭の江戸時代の夜が余りにも明るすぎる所を除いてはシッカリした画で文句はないですし、ピン送りなども多用しててくれてますし、美しい画ではないのですが、シッカリした画作りで、これは映画、時代劇に対する真摯さの表れだと思います。
話は凄くベタで、わかりやすいものだと思いました。ベタで面白いものを作れるのは『力』がないと出来ないと思うので素晴らしいとは思いますが、ベタをするならもっと詰めて欲しい所が多々ありました。
主人公にとって、とてもおかしな状況に巻き込まれているのに余りにも順応が早すぎ。アニメ等の異世界モノの主人公かと思うくらいです。
テンポが悪い。というか、余りにも分かりやすく作ろうとし過ぎていてクドい感じがします。一部の日本のTVドラマみたいな説明セリフやカットが入ってくるのでリズムが出そうになっては切れてしまい、ちょっとダルさを覚えます。
多くの人に観てもらわないといけないのが映画なので、分かりやすくするのは大事なことだと思いますが、それで映画のいい感じのリズムが壊れるのはどうかとも思いますが。
難しい所です。
あと、人をちゃんと描こうとしていて、すごく丁寧なのですが、その丁寧さがテンポを崩してしまっているのかなとも思いました。この脚本で2時間20分は少し長いと思います。
チャンバラ支軸の時代映画でキレが悪いのはどうかと思いますが、役者の上手さと作りの丁寧さと真摯さには舌を巻きます。
最後の立ち回りはとってもカッコ良かったです。
高坂役の山口馬木也さんが超うまいです。とても自然で『力』のある役者さんだと思いました。私は彼の演技でそこまで退屈せずに観れた気がします。
それと殺陣の先生の関本役の峰蘭太郎さんも年期が味を出しているような渋い演技をされていると思いました。
山口馬木也さんはNHKのドラマが合うと思うので出て欲しいです。というか絶対にメジャーになる方だと思います。
時代劇映画への愛が詰まっている、決して「面白くない」作品ではないのですが、もう少し上手く纏められなかったかな?と思います。テンポや主張ばかり気にして観客に頼りすぎな独りよがり的な映画よりは絶対楽しめます。ですが、もう少し観客を信頼していいのではないかと思いました。これだけの情熱があればそこまで噛み砕かなくても、十分その熱を通して観客には伝わっていくと思います。
安田監督が新作を作られたらきっと観に行くと思います。
「つくる」ことへの愛情
クチコミで話題の作品が、ようやく我が町にもやって来た。
驚くことに、平日昼間の上映回、観客席はほぼ満席。平均年齢はゆうに60歳を超えていただろう。
幕末からタイムスリップして来た男が、現代の「時代劇」の現場で自らのパーソナリティを開花させていくお話。
ほぼ自主映画ということで、映像作品として細かな部分の「粗さ(特に気になったのは中盤辺りまでの「音」かな)」は散見されるものの、全体を包むグルーヴの中ではたいして気にもならない。
「タイムスリップ」なんて、使い古されたネタであることは確かだし、ギャグも吉本新喜劇的ないわゆる「ベタ」なノリで繰り出されるんだけど、ドラマパートはきっちり泣かしてくるし、時代劇の「殺陣」と、侍としての「覚悟」を物語に乗せたのは、本当に上手いと思った。
主人公たちは、多くを語らない中でお互いの気持ちを察し、ある目的のために覚悟を決めて最後の撮影に挑む緊張感ビシビシのラスト30分。
何より役者陣の素晴らしいこと。
登場するのは大半が中高年なんだけど、全員のキャラがすごく立ってて、愛らしい。(お寺のご夫婦や殺陣の先生とか最高)
そして、時代劇への愛情が全編に溢れてた。
今回はネットの話題で知ったけど、こういう出会いがある映画ってたまらないよね。
『命』時代遅れの人達と価値観分断と和解の物語
内容・時は幕末!所は京都!長州藩士を討つ藩命を受けた侍二人の一人が主人公。
会津藩士『高坂新左衛門(山口馬木也)』は敵風間恭一郎と切り結ぶ最中、上段に構えた直後
落雷受け百四十年後の現代にタイムスリップ。 印象的な台詞は、『会津磐梯山の様な白い握り飯。食べるのは勿体無かっ!』監督・脚本・撮影も手掛ける現農家の安田淳一だからこそ出来る台詞。生きる事=『食べる』に対する思いが詰まった場面は、その他にもショートケーキや浅漬けなど食べる時に、生きる事に直結し特に泣けてきます。
印象的な境遇は、定番でありながら忘れ去られてしまった価値観を丁寧に焦点を当てた所。人を殺めてしまった記憶の描写は生々しい。予想していても、当たり前に面と向かって斬り合う事の狂気と後悔を感じさせられました。
印象的な場面は、現代で葛藤しながら決闘する二人の本物の侍が命のやり取りをする場面。非常に長い沈黙が、緊迫感を感じ手に汗握りました。その後の殺陣が最高で怖い!
現代の価値観では計り知れない価値観を再現した素晴らしい作品です。主人公の高坂新左衛門の真摯な演技が本当に江戸時代からタイムスリップしたかの様に映画に引き込まれます。
細かな事言えば、ホントに江戸時代の人が現代に来れば言葉や文字や価値観は違いすぎて異世界のはずなので想像を絶する(恐らく絵も知らぬ外国の感じかな?!)そんな細かな所に触れすぎると余りにも野暮なので内容に焦点を当て純粋に物語を楽しめた。
価値観の違いによるお互いの壁に対する結末とどっちもどっちの客観的事実に諦めと共にそれしか方法はないよなあと感じました。
色々な意味で深く爽やかな見応えのあるエンターテイメント性に溢れた温かな作り手の気持ちが滲んで伝わってくる様な作品です。
いやーホントに映画って良いですね!
胸いっぱい
唯一残念だったのは…
時代劇とは無縁ですが、面白かった!!
製作陣の“真剣”勝負が伝わる、笑いあり涙ありのハートフルストーリー
普段邦画は観ない、おろか時代劇を観ることは無い。
そんな私が、“ただただ、楽しい映画が観たい”ということで評判の良いこちらの映画を観に行くことにした。
内容としては単純、というかスっと入ってくる王道のストーリーであるが、だからこそ直接的に熱い想いが伝わってきた。正にシンプルis theベスト。
最近は遠回しな表現や、隠し味のように秘められた主題を探るような映画、また、観客一人一人の感性や知識量に委ねられるような映画も多いように思うが、
こちらの映画は、役者の台詞を通して、その後ろにある監督を始めとした製作陣の想いがダイレクトに伝わってくる、本当にそんな気持ちになる久し振りの映画なのではないかと思う。
なにより、時代や所や姿が変わったとしても、一本芯の通ったまさに侍魂、武士道が伝わってきた。
観ている私達も、熱い気持ちになった。
“良いものとして残ったらいい”“良いと思う(思える)ものを作りたい”しばしば私たちは、物事に対してや起こりうる事象についてそのような気持ちになることがあるが、映画にまつわる沢山の裏方の方々の姿を拝して、その気持ちを持ち続けることが大切なのだと感じた。
また、挫けない、諦めないことの大切さはもちろん、一人一人の想いはささやかであっても、その想いが一丸となった時に作られる熱量も大事なのだと感じる、とても良い作品であった。
手作り感満載、笑いも涙も満載、同じスクリーンを観ていた全ての人がきっと同じ気持ちでひとつになる、そんな素晴らしい映画体験の中に、今日、私はいた。
最後に自然と拍手が沸き起こった、素敵な時間であった。
もっと観ていたいと思う程、あっという間に時間が過ぎていってしまった…!
映画や劇作を製作し、作品にまつわる全ての人々を、これからも観客のひとりとして応援しています。
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