侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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沙倉ゆうの助監督に乾杯
安田監督作品で主演をしているくらいなんでというか、自主製作のいろんな兼任を頼まれてというのか、映画の役柄の助監督山本優子だけでなく安田監督の下の助監督やその他いろんな雑用を実際やっていたように感じたエンドロール。
何度も沙倉ゆうのの名前を見て本当に映画製作が好きなんやなぁというの、もしかしたら映画の中で山本優子が言うセリフの内容は全部沙倉ゆうのさんの映画製作好きのエピソードなんじゃないでしょうか?
山口馬木也さんの主人公の高坂新左衛門の記憶喪失説。寺の夫婦がそうじゃないかと疑っていたけど、有名になって戸籍どうしたの?と突っ込みたくなる。寺の夫婦の子供にでもしてもらったかな?
映画を作るということ
映画が配信を前提にビッグバジェットで作られ、各家庭で鑑賞出来るとても便利な時代。
本作は自主映画のような私費で作られ、IMAXの高画像でもなければ音割れしているような音声の出来。ストーリーも言ってはなんだが、"ウェルメイド"だ。
でも、劇場まで足を運び見た作品は、主人公たちが真剣で対決したいと考えたように、製作者たちの本気がそのまま映し出されてます。
このような作品が作られる限りは、劇場から映画がなくなる日は「今日はその日ではない」と言えるのでは。
奥が深い
もっとコミカルなものを期待していたのですが、そこは少しすべってたりw抑え気味だったりして、それよりストーリーと設定がかなり奥深くて感心しました。もちろん映画としてとても面白かったです。
今流行りの転生モノなどは仮想へ行く仮想の話なので良くも悪くもペラペラなものが多いですが、この映画はタイムスリップものとして史実に基づいた設定でちゃんと歴史に向き合って、それを取り入れているところがすごく良いです。
あと、迫力のあるラストシーンは見事で惹きつけられました。息を呑みます。そして、伏線を見事に回収しています。
前評判通り、今観ておくべき映画だと思います。
ここまで褒めておいて私的に若干辛目の点数になったのは、音がちょっと悪かったのです。そもそも単館用に作られたのでミニシアターのための音響なのでしょうが、自分が観たシネコンの設備にはあまりにも合っていなかったようです。これは映画館の問題でもあるのかもしれませんが。
オープニングのSEもエンディングの曲もゲイン全部上げたような音でキンキンシャリシャリしてました。劇中も布ズレや環境音・機械音が妙に耳に入ってくることが多く、役者さんの声はいいのに台詞が頭に入ってこないところがありました。
音に関して言えば、ミニシアターで観るべきなのかもしれません。
真剣の重み
一時代劇好きとして胸熱に胸熱がすぎる映画だった…
脚本の素晴らしさはさることながら、その無茶なストーリーに抜群の説得力を持たせる殺陣シーンがあっぱれ…!
冒頭の討ち入りシーンで引き込まれ、坂本龍馬相手の立ち回りで引き込まれ、、
エンドクレジットに時代劇の影の立役者、福本清三氏の名を見て納得。本作のテーマ同様、こうやって熱い志や技が受け継がれているんだなとますます胸熱。
奇しくも最近朝ドラの再放送でオードリーをやっていたり、SHOGUNの真田広之のエミー賞スピーチがエモすぎたり、ここからまた時代劇の波が来るんじゃないかと期待してしまう。
日本に育った人たちは多かれ少なかれテレビや映画で時代劇に触れてきて、たとえファンでなくともそのコンテキストがあるからこその本作のエモさやヒットがあるのかなとも思う。ドリフ感あるお決まりのギャグもまたしかり。
何故時代劇が好きかって、侍たちの生きざまが好きなんだよね。
いつの時代も家族のため、世のため、未来のため、信ずべきと決めたもののため、懸命に愚直に真面目に生きている人がいる。かつては、命を賭すほどの真剣さで。
侍の文化や様式美も魅力だと思う。
「真剣勝負」って今もなお日常的に使われる言葉で、自身もごくごく普通に使っているけど、その言葉の本来の重みをこんなにも感じたことはいまだかつてなかった。
素晴らしいラストシーンだった。
ハードボイルドな時代劇は過去からもたくさん良作があるけど、コメディ要素も強くて、舞台も現代メインで、それでもなお、侍の生きざまのかっこよさや、かつての侍たちの想いや、時代や国を創ってきたものたちへのリスペクトや、そして時代劇文化への愛しさとリスペクトまでもが、この短い映画の尺で表現されてることに感動。今だからこそなしえる、時代劇への愛と新しい表現を堪能させてもらいました。ブラボー!!
高坂がショートケーキを食べて涙するシーン、滑稽なシーンなのだが、私は幕末を生きた高坂の人生や、自身の祖父母の時代までもを想起させられ笑えなかった。あなたたちが懸命に生きて命を繋いでくれたからの今なのだな、とぐっときた。あのシーン、高坂らしさが目一杯表現されていてとてもよかった。
けして有名な役者さんではないけれど主役のお二人には渡辺謙vs北大路欣也 を思わせるような瞬間もあり。高坂役の山口馬木也さん、めちゃくちゃハマり役でした。格好いい役者さんで雰囲気もあって。ハードボイルドな作品だとハマりすぎて難しいかもしれないけど、本作の高坂の生真面目さが滑稽にみえたり、真面目さゆえの朴訥さや不器用さもとってもチャーミングだった。
本作内での2人の立場と、リアルでの2人の立場がオーバラップしていて。名もなきカッコいい人たちにスポットライトが当たるのもまた胸熱ポイント。
侍姿の高坂が現代の街を彷徨うシーンも個人的な激萌えポイント。侍百景的な。
私も監督だったならいろんなシーンに配置して侍を愛でたい。
リアルとファンタジーの絶妙な匙加減
幕末から、
大政奉還から140年後の
スマホがまだ出ていなかった未来へ
(2007年か2008年)
武士(会津藩士)がタイムスリップしたら
のお話。
多分映画で描かれている現代は、
今から20年弱前。
当時の時代劇の置かれていた現状と
問題を描いているんだなと思って見ていた。
後半で主人公は
大きな映画の準主役に抜擢されるけど
そのタイトル
世界的に有名な某映画の和訳みたいなタイトル。
他のお客さんが笑っているシーンで
自分は泣きそうになっていたり、
その映画の台本の中で、
会津藩の行末を知って泣くシーンは
自分も号泣しそうになった。
実は実際にこんな人いるんじゃないか
と思わせてもらうほどには、
楽しませてもらいました。
見に行って損はないです。
ぜひぜひ。
チャンバラが本物
普段、インディーズ映画を劇場に観に行くことはないのですが、「剣客商売」で剣客、秋山小兵衛の息子で同じく剣客の秋山大治郎を演じ、最近では「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵の剣友、岸井左馬之助を演じている、山口馬木也が主演と言う事に興味を覚えて観に行きました。
また、時代劇はお金がかかる割に、視聴率が取れないので、民放での連ドラは絶滅し、芸人をひな壇に上げたバラエティーばかりになっている日本。一方で、莫大なお金をかけてハリウッドで撮った「SHOGUN」がエミー賞を受賞する。そんな昨今で、低予算のチャンバラ映画が話題になった事で、何か感慨めいた気分だったのも観に行った動機です。
もちろん、チープさは否めません。エンドクレジットでは、監督が照明、音響、編集、VFX等を兼務し、ヒロイン役の女優さんまで各種裏方もやっている。スタッフが10人くらいしか居ないんじゃないでしょうか。
それでも、それなりに観せるのは、「剣客商売」ではそんなに演技が上手い印象はなかった、山口馬木也の演技。シリアスとコメディーの間が絶妙(もちろん、ノリは吉本っぽいですけど)。それと、時代劇の部分、特にチャンバラが「本物」だったこと。殺陣で使う「竹光」と「本身」(使ったのは「ジュラ刀」でしょうけど)の演技での質感の違いなど、時代劇ファンの機微をくすぐる部分(時代劇の小道具は東映京都撮影所が「破格」で貸してくれたとのこと)。
「SHOGUN」がリアルな時代劇を撮ったのに対して、この映画は時代劇をリアルに撮った感じです。
また、観ながら「そうか。東映京都撮影所は山口馬木也にとっても、ホームなんだなぁ。」と、彼の演技がよかったのも、そこにあるのかとも感じました。
あと、タイムスリップしたのは「現代」と言う事ですが、たぶん2008年頃(維新から140年なのと、助監督が二つ折り携帯、テレビの横に伊丹十三作品のビデオが並んでた等)だと思います。まだ、民放時代劇が絶滅してはいない頃という事なのでしょうか。
全てがフレンドリーで優しくなれる映画
音楽に例えたとして、オーケストラでは感じられなかった奏者の方々個々の技術や存在感が、小編成のアンサンブルで聴くと奏者(演者)一人一人の技巧や 奏でられる一音一音やメロディーが際立って感じられるみたいな。
大げさな仕掛けや小難しい理屈を廃しているからこそ役者さんの本気の生の演技・監督さんや制作さん達の情熱を感じられる作品に仕上がったんじゃないかって感じました。
ほろっとさせてからの笑いは吉本よりも藤山 寛美さんの頃の松竹新喜劇に近いかも知れません。
なんせ、全ての間が絶妙です。おむすびを食べるシーン・切られ役の稽古のシーンなどボケとツッコミの間。そして最後の長い長い無音の間。笑いも緊張感も最高の間からもたらされた職人技です。
それに登場人物に悪人がいないのも大きな魅力。後半に少しだけチンピラが出る以外登場人物全てが優しいんです。今時なかなかこういうのって無い気がします。
そしてそれは作品の外・鑑賞し終わった後までしっかり続いてるんです。
作品の感想をX(Twitter)で軽くつぶやいたら
監督さんをはじめ主役の山口馬木也さんの事務所公式さんやヒロインの沙倉ゆうのさん・冨家ノリマサさんなんて方々から普通に「いいね」が。
とんでもなくフレンドリーでアットホームな距離感じゃないですか。驚きです。
映画好きにとってはこんな素敵なご褒美はありません。
こういう 作品に関わる全ての方々の温もりや優しさが作品からにじみ出ているような気がします。
たくさんの人に観てほしい
インディーズに留めておくにはもったいない才能だ!
脚本の出来が素晴らしい映画だった。飽きさせない構成、どんどん話が進んで中だるみがない。
お気に入りのシーンはショートケーキのシーン。かわいいな、このおじさん。
因縁の相手との関係性とよし。
現代にだんだん馴染んでいくのに、口調だけはそのままな侍。良い。
拡大上映も納得です。
ネタバレをするのはもったいないので、多くは語りません。ぜひ映画館で見てほしい。
トーホーの日比谷でみましたが、大きな箱を用意されていた上に、8割がた埋まっていました。ブラボー。
監督の次回作にも期待しています。
ところで、トップガンマーヴェリックのオタクなので、最後のあのセリフには笑っちゃいました😂
第1シーンはとても素晴らしいできです
低予算の和製タイムスリップ映画だが、映画.COMの評価が良いので鑑賞しました。
考証的には、とても良いが、せっかくだから
方言と共に、"歩き方"も江戸時代にして欲しかった。
映画としては、関西の"吉本新喜劇 "のようなノリなので、映画よりも演劇にした方が、面白いストーリーなのかもしれない。
音響効果が最悪で、声の多くは、アフレコによる後録音のようだが、それさえも、各種予算を省いた低水準な"音作り"がされており、音割れもある 低予算映画の限界が、垣間見れた。
心に思った事を、セリフとして声に出して説明してしまう脚本は、脚本としては、超低レベルなもので、役者の演技と監督の演出力を信じていない事が残念。
タイムスリップモノでは、お約束の"時代ギャップ"の驚きと、主人公が現代に驚きながらも順応していく過程を、映画には落とし込まずに
どうせ お約束事なので、画面には魅せずに、省いているのは、映画としては 浅くなるので、そのへんは、いかがなものかと思う。
悪いところばかりではなく、主人公と相棒の2人関係性の変化は、よく映画の中に落とし込まれており、良かった。
撮影所での、幽霊は、とてもいい演技をしていて、作品に厚みを与えていました。
低予算映画なので、内容は、ほぼ同じでも、
タイムスリップではなく、"ド真面目"な脇役を主人公にした方が、"省く"事をしなくて済んだので
映画がまとまった気がします。
この映画は「キネマの天地(1986年)」と比べてしまうが、この手の映画では、次に面白いかもしれません。
こんな映画が見たかった。
タイトル通りで、侍がタイムスリップして現代に現れた!というタイムスリップコメディ。
現れる場所が時代劇の撮影所なので、侍の姿の人間が現れても誰もビックリしない。
時代劇の斬られ役として活躍するようになっていく…
という、実直な武士が現代に驚く笑いと、自らの仕事を見つけていくお仕事ムービーでもありました。
コメディに優しさをプラスした時代劇愛に溢れた作品で、
見終わったら、自然に笑みがこぼれた。
「今日はその日ではない」には笑ってしまった。
「常在戦場」
今年223本目。
刃牙らへん1巻1話で63才の剣の使い手に行住坐臥、現在(いま)も尚一切を怠っとらん。殺陣の師匠があのお年で姿勢も良く、日々鍛錬を怠っていないのが一目で分かる体つき。ああ言う年の取り方をしたい。一番最初の殺陣のシーンで泣いてしまう。
常在戦場は漫画「TOUGH 龍を継ぐ男」のセリフです。空腹は今さら怖くないもどこかで忘れちゃいけない言葉。
カメラを止めるな的なインディーズ感💚
カメラを止めるな的なインディーズ感ある物語・画面から、段々と惹き込まれ、最後の緊張感溢れる殺陣シーンは圧巻😆
時代劇大好きさんには堪らない作品でした💚
期待度○鑑賞後の満足度◎ こんなに泣かされるとは思わなかった。時代劇愛に溢れ、斬られ役賛歌でもあり、📽️としても良くできているし、現代日本に向けての応援歌になっているのも宜しい。
①息の長い俳優さんでもあるし、イケメンだし(私の基準では)、演技力もあるのになかなか主役を張れない山口馬木也のやっとの主演映画ということで観ることにしたが、鑑賞中ずっとうるうる🥹してました。
②若い頃は大量生産されるTV時代劇を、日本という国の自分のキライな部分を代表するようなものとして意地悪な目で見ていたのに、こんなに時代劇が愛おしく思えるとは私も歳を取ったんだねェ。
③私が本格的に映画を観出した頃は日本映画全盛期も終わり東映ヤクザ映画と日活ロマンポルノが幅を利かせていた時代。
だから時代劇といえば自然にTV時代劇となる。当時は一家に一台しかTVのないのか普通の時代。いきおい親の観るTV時代劇を観ざるを得ない状況。
④若い盛りだったので、TV時代劇をかなり斜め視線で観ていて、『水戸黄門』『遠山の金さん』『大岡越前』『銭形平次』『旗本退屈男』『桃太郎侍』『大江戸捜査網』『暴れん坊将軍』等々はどれもこれも話が予定調和で面白くなく(面白いのもあったけど)、変化球で『木枯し紋次郎記』や『必殺技仕掛人』(シリーズ化したらマンネリになり面白くなくなったけれど、最初の『仕掛人』はなかなか衝撃的だった)を真面目に観ていたくらい。
心の中でもかなり悪態をついていて、①私たちの先祖の殆どは武士階級に年貢を納めさせられていた農民なのにまるで自分は侍の子孫みたいに思っているのが馬鹿らしい(「侍ジャパン」にも同じこと思った)とか
②
吉本新喜劇のテーマソングが聞こえるような感じかな…
話題作とのことで、上映館を探して、車を飛ばして観て来ました。
まずまずというのが第一印象です。
終始、吉本新喜劇のような感じがして、ほっこりしたり、笑ったりしました。
最後の剣戟のシーンはとても迫力があり、よかったと思います。
低予算の自主映画?らしいので、それを考え合わせれば、十分な出来だと思います。
構えなきゃオモシロイ
最初っから次はこうでしょ?って全部が全部その通りにくるんだけど何故か二度ほど声上げて笑ってしまった。ラストのシーンはめちゃくちゃ迫力があって引き込まれる。
【デラックス版】を鑑賞したけど追加シーンがあの一連のシーンだとしたら【通常版】を観たほうがいいと思います。二人の関係性に何かプラスの要素でもある訳でもないし…
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