侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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時代劇がつなげた過去と未来
脚本と主役が良ければ低予算でもいい作品になるいい例ですね。山口さんと冨家さんの殺陣は数々の時代劇をこなされてきただけあって迫力がありました。本当に真剣で闘っているような圧倒感でラストの盛り上がりとして最高でした。その反面、侍であった高坂が床屋で髪の毛を今風にカットし、ジーンズを普通に履きこなしてる姿はちょっとほほえましかったです。
あとから読んだのですが、監督が一人で11人役をやっていたそうですね。ぜんぜん気が付きませんでした。監督、普通にいろんな役に溶け込むのがすごいです!
みんないい人。時代劇がつなげた過去と未来。ずっと続くといいな。
時代劇へのリスペクトと愛が詰まった良作。
日本人だけでこっそり楽しみましよ
虚構×虚構=真剣
後半までのほほんとした流れでストーリーは進みますが、
ダレるでもなく、コメディ全振りでもなく
淀みなく見られます。
おそらくそれは、登場人物に”悪いヤツ”が
一人もいないから。
そしてそんな流れでも殺陣のシーンだけは
ピシッと緊張感を持って描かれています。
そういう脚本づくりに映画、そして時代劇への
そこはかとない”愛”が感じられます。
いよいよ迫るクライマックス。
侍たちの真剣勝負。(監督も優子殿ももちろん侍)
対峙する二人。
フェードアウトするSE。
シンと静まり返る映画館。
ゾクゾクするような迫力と緊張感。
思っているよりだいぶ長い”間”。
と、同時に私の中に湧き上がる別の意味の緊張感。
「こんなに迫力のあるシーンなのに、
どうかヘンテコなラストにしないでおくれ」
「どうか隣で鑑賞しているオジサン、咳払いとかで
この張り詰めた静寂を乱さないでおくれ」
杞憂でした。
迫力と緊張を維持したままの命の取り合い。
演技か本物の感情か区別ができないほどの二人の侍。
どうやら私は呼吸するのを忘れていたようです。
時代劇が好きな気持ちを共有できて嬉しい。太秦映画村に行かなくちゃ。
山口馬木也さんのブルーリボン賞受賞ニュースと、近所の映画館で一旦終わったのに再上映されていたので、半信半疑で鑑賞したところ、とにかく引き込まれて笑いました。
最後の殺陣のシーンでは画面からみなぎる静かな迫力に息ができないくらい。
この映画をきっかけにどうかどうか、時代劇の良さ、殺陣のカッコ良さを後進にもつないで欲しい。
斬られ役でトム・クルーズの映画にも出た福本さんへのオマージュ映画です。
クレジットをよく見ると、助監督さんがほんとに助監督いたことに驚き。
ちょっと音声が口と合っていなかったり、ベタベタなやりとりもあるけど、後でこれが自主映画だと知ってよくぞこんな素晴らしい映画を撮ってくれたと言う喝采です。
こういう作品こそアカデミー賞の候補になって欲しいし、映画に関わるすべての人、映画好きな人、普段映画をみない人にも見て欲しい映画です。
全然関係ないけど、北大路欣也さんの殺陣が大好きです。彼の殺陣をスクリーンで見たい。。
琴線に触れまくり
自主制作でもここまでできるのか
昨年の評判作をリバイバル上映で初見。タイムスリップものはどうも苦手なので後回しにしてきたが、あまりの評判の良さに、映画好きとしてさすがに気になって観に行った。
東映京都撮影所の協力があったからとはいえ、時代劇エンターテイメントという高いハードルの中で、脚本・出演者・スタッフの力が合わさって、自主制作映画でもここまでできるのかと驚いた。
主演の山口馬木也が何より素晴らしい。その佇まい、風貌からして、他の出演者と違って見えるのも、この題材にぴったり。ヒロイン役や住職夫婦もいい味を出していたが、殺陣師役の本物感は見事。
クライマックスの真剣勝負は賛否が分かれるところ。所詮ファンタジーだから許せるのか、それまでの舞台裏の描写がリアルなだけに絶対にあり得ないと考えるか。どちらにしても、あの対決の迫力、緊張感は、今どきの時代劇で味わえないレベルのものだったことは間違いない。
なぜかクレジットが見当たらなかったが、音楽もかなり良かった。
⭐︎4.6 / 5.0
こってこて
自費製作ならではの面白さ
ここ10年観た映画の中で一番!
昨年の10月に池袋『ロサ会館』で観たのですが、
「過去からタイムスリップして来た侍、周りも含めて皆んなでドタバタするコメディ映画」なんて思って観てたら全然違ってた。監督、御免なさい。
登場人物の心の動きがとても丁寧に追いかけて作ってある、どの役も「なるほど、」と思うような人間ばかり。当り前なのだが、案外それを疎かに周りの人物を描いてしまっている映画やドラマが多い。これ簡単そうで案外難しい。
人間は誰もが自分の正義で生きている。私もあなたもあの人も。だから、良い人は良いように、悪い人は悪いようにではなく、その人の立場からは全てが違って見えるように描くべきなのだと思う。この映画はそれが出来ている。そこがとても素晴らしいと思ったのです。
あと、この映画は『時代劇』を扱った『現代劇』と言うのがいいかなぁと思いました。
ありきたり設定だけどめちゃくちゃおもしろい!
ちょっとやばくないですか?
見てよかった。
睡眠不足で途中で寝るのでは心配したが全く杞憂でした。ベタな展開でも『クスッ』と笑えるオープニングでどんどんスクリーンに引き込まれる面白さでした。キャストの人間味あふれる演技も良かったですし私は何度も泣けました。時代劇を愛する熱量がハンパなかったです。
時代劇映画愛にあふれた作品
東京・池袋のシネマ・ロサでの単館上映からスタートした本作は、SNSを中心に口コミが広がり、その後、全国348館まで上映規模を拡大するという異例の快進撃。
物語は、幕末の会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、落雷によって現代の時代劇撮影所にタイムスリップするところから始まります。彼はその剣の腕を活かし、「斬られ役」として新たな人生を歩み始めます。この設定自体が斬新。
主演の山口馬木也は、タイムスリップした侍という難しい役柄を見事に演じ切り、その存在感と演技力はまさしく本物の侍そのものでした。
また、監督の安田淳一は、全財産を投じて製作費2,600万円を捻出し、本作を完成させ。特に、東映京都撮影所で撮影された本格的な殺陣シーンは、時代劇ファンなら涙もの。
さらに、物語の中で描かれる人間ドラマや、時代劇への深い愛情も、心を捉えました。現代と過去の文化のギャップや、主人公の成長物語など、多彩な要素が巧みに組み合わさりストーリーに深みをもたせたのも見事。ラストシーンはくすりとさせられました。笑
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