「予告編「インディーズの限界を超えた!」、まさに文字通り!!!」侍タイムスリッパー コータローさんの映画レビュー(感想・評価)
予告編「インディーズの限界を超えた!」、まさに文字通り!!!
本作ヒット後に何かの番組で安田淳一監督が出演され、米農家を継ぎながら監督兼業していることを聞き、話をされる時に感じたその人柄も相まって観たいと思っていた作品です。
タイムリープ物お約束の時代的違和感に主人公がしばらく驚いていく件をコミカルに描いた後、密命を受けた標的の相手である長州の山形彦九郎がまさかの同じ目に遭っていたことがわかった辺りから俄然面白さが増してきます。
最後の殺陣の恐ろしく長過ぎる間の取り方や、「今日がその日ではない」のセリフのかぶせ、さらにエンディングロール前の「ネタかぶせ」でのオチなどすげぇと思える部分が多々ありました。
また主演の山口馬木也さんのタイムスリップしてきた武士役としての演技がハマり過ぎていて、お酒を飲むときのリアクションをはじめ、その真面目さ故のコミカルさに何度も笑いを誘われました。
さらに特筆すべきは助監督優子殿役の沙倉ゆうのさんの可愛らしさ。本作で初めて知った女優さんですがとにかく画面に出てくる度に目を奪われました。エンドロールで実際にも本作の助監督であることにビックリ!しかもググってみるとそのご年齢に失礼ながら2度ビックリ!!このお歳でのこの透明感…すごい!!!
全編を通して感じられる人情や関西弁がなんともいい味を出しており、特に住職夫妻や井上所長、関本師匠など愛すべきキャラが多数出てきます。
私自身確か中学の修学旅行で京都太秦映画村には行ったはずなのですが、残念ながらほぼ記憶に残っていません。
が、本作内の劇中劇『最後の武士』の横文字変換『ラスト サムライ』に出演していた真田広之さんが『SHOGUN 将軍』でエミー賞やゴールデングローブ賞を受賞、その流れからの本作の日本アカデミー賞受賞など形はそれぞれ様々なれど、いわゆる時代劇はこれからも続いていって欲しいし、微力ながら応援していかねばと思わせてくれる良作でした。
余談も余談ですが、山形彦九郎の現代名「風見恭一郎」が血判の署名では「風見恭史郎」になっていたのを見つけてしまいました。