「自主制作でもここまでできるのか」侍タイムスリッパー 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
自主制作でもここまでできるのか
昨年の評判作をリバイバル上映で初見。タイムスリップものはどうも苦手なので後回しにしてきたが、あまりの評判の良さに、映画好きとしてさすがに気になって観に行った。
東映京都撮影所の協力があったからとはいえ、時代劇エンターテイメントという高いハードルの中で、脚本・出演者・スタッフの力が合わさって、自主制作映画でもここまでできるのかと驚いた。
主演の山口馬木也が何より素晴らしい。その佇まい、風貌からして、他の出演者と違って見えるのも、この題材にぴったり。ヒロイン役や住職夫婦もいい味を出していたが、殺陣師役の本物感は見事。
クライマックスの真剣勝負は賛否が分かれるところ。所詮ファンタジーだから許せるのか、それまでの舞台裏の描写がリアルなだけに絶対にあり得ないと考えるか。どちらにしても、あの対決の迫力、緊張感は、今どきの時代劇で味わえないレベルのものだったことは間違いない。
なぜかクレジットが見当たらなかったが、音楽もかなり良かった。
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