「日本の伝統文化としての時代劇愛に溢れる作品」侍タイムスリッパー Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の伝統文化としての時代劇愛に溢れる作品
8月に池袋のシネマ・ロサ1館のみの封切りだったのが、口コミで人気が広がり爆発的に拡大公開されているため、「カメ止め」の再来とも言われている、その界隈では評判な作品をレイトショーで観に出かけてきた。
頭を強く打った結果、役に入り込んだまま記憶喪失になった、という設定で周りの人々もタイムスリップということに特に気を留めないとか、ちょんまげに刀を差した出立ちも撮影所の中では違和感がないとか、本来的にはタイムスリップ自体が荒唐無稽なのに、割とすんなりとストーリーに入っていけるようにした工夫は上手い。
コメディとしてのギャグはベタなものが多いが、それも逆にかつてのお茶の間番組のように万人が安心して観ていられるように作用している。
時代劇の灯を消さないように頑張る京都の撮影所の人々の物語なだけあって劇中劇の時代劇のクオリティは高く、また同時に、本作の制作陣こそがまさに「時代劇の灯を消さないように頑張」っている人々なので、本当に日本の伝統文化としての時代劇愛に溢れる作品に仕上がっている。なるほど口コミで広がっていく訳だと納得できる。
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