「高評価も納得」侍タイムスリッパー お菊の皿さんの映画レビュー(感想・評価)
高評価も納得
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剣客商売の若先生の印象が強い山口馬木也さんですが、さすがの所作や殺陣でした。タイムスリップものは韓流ドラマでおなじみの設定ですが、この設定は斬新。やられました。コメディ路線かと思いきや、深いストーリーで何度も泣かされました。
ショートケーキを食べて140年後の日本はこんなおいしいものが、誰でも気軽に食べられる国になったのかと涙するシーン、台本の変更部分を読んで会津の人々の苦難の歴史を知り嗚咽する場面は、特に胸に堪えました。
ラスト近くの「切られ役も時代劇もいずれなくなる」との師匠の言葉に、でも今日ではないと主人公が答えますが、これってトップガンマーベリックのオマージュ?これも、なにかの映画のセリフだったらしいですが…。印象的でした。
観ながら「福本清三さんがご存命なら、きっと出演されたはず」と、思っていたらラストにお名前がありましたね。ここもぐっときました。時代劇亡くなってほしくないな。今から継承しないと、技術や知識が途絶してしまう可能性がありますよね。最近の時代劇が、映画はまだしもドラマが薄っぺらいのは、時代劇の所作を身につけていない役者や、身分別の礼儀などを知らないスタッフが多くなってしまったのでは。歌舞伎の人がいると所作が美しすぎて、他の人が見劣りしてしまう気がするくらいです。
じわじわと上映館が増えたおかげで、観ることができました。この映画を観て良さを広めてくださった皆さんにお礼を申し上げます。とても良い映画でした。
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