劇場公開日 2024年8月17日

「この時代を生きる者として」侍タイムスリッパー 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0この時代を生きる者として

2024年11月18日
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 先日「11人の賊軍」観たのですが、斬られたヒトの数、カウントした方、います?。

 斬られた数だけ、ヒトの生き様がある。斬られた数だけ、ヒトの終わりがある。自分の手で終わらせた人様の終焉を見届けるのは、どんな気分ですかね。

 私達が生きているこの時代も、いつか歴史の一幕になるでしょう。どんなにかっこ良く生きても、どんなに卑劣に生きても、それは後世が決めることかも。いや、後世に名を遺さないのが、ヒトの在り様か。名を遺そうとすること自体、おこがましいことですが、どんなにちっぽけでも、どんなに見当違いでも、自分がいた証が欲しくなるのもまた、ヒトの性(さが)。

 この映画は、単なる時代劇ですか?。今の私達に、何を伝ようとしているの?。考えてみれば、今の時代だって、みんな学校や職場で斬られてる。斬られ上手かどうかは、それぞれですが…。この時代を生きる者として、皆様は、何を果たしますか?。いや、何も果たさなくていい。ただ、精一杯、生を全うしていますか?。

 私達の生き様そのものが、いつか時代劇になるのだから。

 そして、私は…。

追記)
 虚の先にある実。「蒲田行進曲」や、勝新さんの「座頭市」を連想された方が、多くおられることと存じます。磨き抜かれた竹光が、本刀を凌ぐリアルとなって響く。それは、誰が、どのようにして創り出したのか、それを受け止めるのは、誰なのか、ちょっと考えてみるのも、いいのかな、と、思うわけです。ま、そんな訳で、素敵な映画だと思うのですが、本作のエンドロール、斬られ役の皆さんの名が、真っ先に上がってきたら、更にいい映画になったのかしらとも、思う次第です。

機動戦士・チャングム