劇場公開日 2024年8月17日

「主人公は師匠の言葉に従い、刀を捨てるべきだった」侍タイムスリッパー jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0主人公は師匠の言葉に従い、刀を捨てるべきだった

2024年10月22日
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jin-inu
jin-inuさんのコメント
2024年10月27日

サルタイサオさん、コメントありがとうございました。

時代劇トリビュート映画として、その志もアイディアもすごくいいと思いましたが、終盤はやや残念でした。
「一周回ってそこに戻るか…」というのが正直な感想です。

過去の時代劇は男たちが戦う理由を、武士道から離れて、愛する女性のためや、家族のため、弱い立場の者のためなど、個人的理由を全面に出すか、大義との板挟みで苦しむ姿を見せることで、観客の納得を得ました。

でも本作の主人公は藩命という大義から離れることはできず、仇敵と本身で斬り合うことを選びます。たしかにかっこいいし緊迫感もあるのですが、これをかっこいいと喜んでしまうのはマズイ。これではただのチャンバラ活劇です。

主人公にもともと妻子がいる設定にすれば、物語に深みが増し、また別のエンディングがあったと思いますがどうでしょうか。

jin-inu
サルタイサオさんのコメント
2024年10月27日

非常に細かな分析があり、 内容に対する印象は僕も同感です。
真剣を使うことの劇中の主人公の本意と劇としての本筋、道理は外れていたように思います。
特に現代は本身を使わなくとも充分に殺陣の技術があり、たとえ敵討ち、仇討ち、幕末の背景があっても
相手の先にスリップしてきたベテランがもう時代に馴染んでいて改めて真剣勝負と言われても
流れ的には無しでしょう。

劇中劇として首を落とされるとするのも違和感でしたし、そこはもう少しきっかけのところ(会津藩がどうのこうの)を別の時代背景からの流れをもってきて、現代にすんなり納得させるような流れが欲しかったですね。

コメディーシーンも僕は爆笑でもなく、やや新喜劇の薄まったような感じを受けてあれでも満足するいまの観客に軽さを感じてしまいました。

時代劇として、また後世に残す作品としてはもう少し重みが欲しかったです。

サルタイサオ