「日ごろ溜まった心のコリを「喜・怒・哀・楽」でジワーっとほぐしてくれる映画。」侍タイムスリッパー チャキオさんの映画レビュー(感想・評価)
日ごろ溜まった心のコリを「喜・怒・哀・楽」でジワーっとほぐしてくれる映画。
口コミでの評判が良いということは知っていたが、いつものように、何の予備知識や事前学習もなく鑑賞。ネットの予約時に、全く席が埋まっていなかったが、当日はなかなかのお客の入りようだった。
私は、そのタイトルから、過去から現代へタイムスリップしてしまった武士が直面する時代ギャップをコミカルに描いた「笑える」映画だと単純想像していたが、私の考えは安直すぎた。良い意味で。私の考えは大きく外された。
まず、最初にタイムスリップした時に、「え?なぜ同じような時代に?」、「これタイムスリップじゃないよ。」、と思わせる設定が秀逸で、私はこの場面、完全に騙されてしまった。騙されたと気づいたと同時に、この映画は何か「やってくれる」という、大きな期待感を抱いた。
映画は前半、確かに、私が想像したように、日常生活の「過去」から「現代」へのアップデート作業を、「笑い」を交えて進行していく。
でも、必然的にアップデートが終了すれば、「笑い」もなくなる。
そして、何となく感じ始める、このまま「笑い」だけでいけるわけがないよなぁ、という妙な感覚。
でも、無用の心配、心配御無用だった。後半は、前半の「笑い」とは打って変わって、武士の本気の「怒り・悲しみ」が用意されていた。
後半から終盤へかけては、この鑑賞する受け手側の心情が、「笑い」から「怒り・悲しみ」モードへと大きく変換させられ、全く飽きることがないストーリー展開となっていた。
とくに、前半は、主人公の武士1人がメインであるため、単調になりやすかったが、後半はさらに準主人公の武士が加わって、文字通りの「真剣」勝負が用意されている。
また、「真剣」勝負に辿り着くまでの経緯が、破綻なく綺麗にストーリー展開されているので、鑑賞する側も、自然と、涙したり、怒ったりすることができ、飽きることがない。
最後まで鑑賞すると、人間の基本感情である「喜・怒・哀・楽」をバランスよく感じられ、ほど良い心地よさを味わうことができる。
普段は、さほど邦画を鑑賞する方ではないが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「ターミネーター」的要素も入っていて、充分、楽しむことができた。
そして、映画の中盤からずーっと気になっていた「彼」が、最後の最後、登場したとき思わずニヤリとしてしまった。
なので、「おわり」となっていたが、「つづく」ではないかなと思った。
次回作があれば、是非、鑑賞したいと思う。期待。
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私、10年程前から、キネマ旬報、kinenote、yahoo検索などに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報採用です。
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本作、仰る様に、笑いあり涙ありの作品で喜怒哀楽を堪能できました。
クライマックスの真剣勝負は圧倒的な迫力で見応え十分でした。
低予算でも、優れた脚本、俳優陣の演技力、熱い作品愛があれば面白い作品はできるんだなと再認識しました。
ー以上ー