「知らない俳優たちが輝きすぎ!」侍タイムスリッパー 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
知らない俳優たちが輝きすぎ!
映画の可能性はまだまだあると納得させてくれる作品でした。出てくる俳優たちは、ほとんど見たことがない人ばかりなのに、何故あんなに輝いてインパクトがあるのだろうかと、不思議な感慨に襲われました。これはひとえに映画愛が作り出した稀有な映画なのかもしれません。主人公は会津藩の侍であり(同僚も含めて2人)、相手役は倒幕派の侍です。この3人が争っている時、雷に打たれて現代にタイムスリップしますが、それぞれに時間差が起こり、それがストーリーに何重もの深みを与えてくれているところは見事です(現代に生きて特に中心の2人は多くのことを学びます)。現代においての設定は、時代劇を撮影する京都撮影所が舞台です。その撮影所の中で過去から現代に来た主人公が、ひょんなことから時代劇の役者を演ずることになり、自身の中にある会津藩への思いを演技の中で爆発させるのです。まさに自身の中に溜めてきた正義感の爆発なのでした。しかし、歴史は大河の流れのように、善も悪も全て濾過して流れていくものなのでしょう。ラストは「許す」という寛容の精神が主人公の心を救います。憎き倒幕の侍を許すという自分を「許した」のです。ヒロインが主人公の頬を勢いよく叩いた時、見事に吹っ切れた気がして涙が出ました(他にもなぜか泣けるシーン多し)。いずれにしても、独特な雰囲気で始まったこの作品の没入感は半端ないです。あっという間にエンディングまで観てしまいました。その中でも、ヒロインの天使のような言動に癒されました(笑)。
三輪さん、共感 と フォロー を頂き、ありがとうございます。三輪さんのレビューを読むと、鑑賞していた時の具体的な感情が蘇って来ます。
時代劇愛・人間愛に溢れた本当に良い映画でしたね。私は、映画を多く鑑賞するわけではないので、レビューの数は限られますが、三輪さんをはじめ、みなさんのレビューを読んで、文章表現などを勉強させてもらっています。
今後とも宜しくお願いします。
「憎き倒幕の侍を許すという自分を「許した」」に大共感です。
特に武士などという存在は縛りだらけだったと思うのですが、新左衛門の真摯な人間性とタイムスリップの力が融合して、許しという奇跡を起こしたのでしょうね。
>歴史は大河の流れのように、善も悪も全て濾過して流れていくものなのでしょう。
>憎き倒幕の侍を許すという自分を「許した」のです。
素晴らしい表現で感服いたしました。
>ヒロインが主人公の頬を勢いよく叩いた時、見事に吹っ切れた気がして涙が出ました
はい、私も!
三輪さんフォローありがとうございました。
今後もよろしくお願いします。
最後の主人公の侍としてのケジメのつけ方が良かったですよね。
コミカルなシーンもあれば最後の殺陣の気迫あるシーンもあり邦画の良さが詰まった作品だな、と思いました。