ラストマイルのレビュー・感想・評価
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テンポ良し、大満足。だが、
観賞後30分経ち、腑に落ちなさが言語化できた。
そこまでする?
これ言っちゃ、エンタメとしておしまいだが、クレバー犯人なんだから、自分ならまずディーンフジオカ個人を復讐対象にするかな。でなくても、倉庫のコンベアーを爆破する、とか。まあ、そこは気が触れてたということで。
あと、老人と中年男の親子で配送なんだけど、いるか?子供じゃないんだから教わんなきゃ…、まいいか。
時事、生活密着ネタと無差別テロを結びつけた見事な作品だった。
追記、あの中年親子は当初、犯人にする予定だったとか。どうりで邪魔設定。
ミステリーと社会風刺
元ネタは某物流会社でしょうか。
実際の現場は見たことありませんが、ニュースになるぐらいですし大変なんでしょう。
誰が犯人で、どうやって爆弾を仕掛けたのか考えながら見ましたが全然わかりませんでした!やっぱり映画と言えば爆発ですね。迫力ありますし。
事前にアンナチュラルを観ていたので、より楽しめました。他のドラマの登場人物も出ているのでしょうか?気になるので後で調べて観ておきます。
0%
初日鑑賞後に感想書き忘れてたので備忘録。
「70kg 2.7m/s→0」の意味は、1人の命で物流の稼働率を0%にするストライキだと解釈しました。鑑賞者を信じて無粋な説明を挟まないのが野木亜紀子作品の好ましいところです。
結局はそれが無情に擦り潰され、婚約者がそれを引き継ぎ、彼女のメッセージを受け取った舟渡エレナにより正当なストライキとなり、物流の在り方に風穴を開け、梨本孔に引き継がれる(ラストシーンでその重さに気づいて慄く描写も含めて)美しい物語の流れでした。
過去作品の出演者達があくまで物語に関わりながら、邪魔はしないのも、素晴らしいです。
お仕事上深く関わる題材なので、我が事として心に刻みます。
確かに面白かったけど、犯人それで良いの?
観てる最中も観終わったあともずっと面白かったよ。アンナチュラルもMIUも好きだからそのメンバーが出てきてくれたのもよかったし。満島ひかりと岡田将生と阿部サダヲと火野正平と宇野祥平みんなよかったよ。今の時代に観るべき作品だとは思う。だけどなんかモヤモヤが残る。
この映画の犯人のことである。
要はこの無差別テロ事件を起こした黒幕だ。
はっきり言ってここの描き方は名探偵コナンか?ってくらいベタベタ。恋人が過労で自殺未遂(実際は死にたかったというより物流を止めたかっただけみたいだけど)して植物人間になり、その復讐…はあまりにもさ。
単純な復讐ではなくて大きなシステムを止める為のことだったらしいけど。元々聡明な雰囲気がある女性に見えるのに、やっていることは結局無差別に人を傷つけている、あまりにも惨たらしい無差別テロだ。関係ない人たちを巻き込まないでくれ。
それとも、消費者側にも罪があると考えたのか。
あのシングルマザーとその子供たちになんの罪があると?
あれはショウヘイ親子が阻止したから良かったことになってるけどさ…一歩間違えたら大惨事だった。その「大惨事」まではいかないのが商業映画ぽい。
そもそも、恋人にそこまでするのかというのが正直な感想だ。親子とかならまだわかる。しかも植物人間でまだ仮にも生きている彼を置いて自死するのもなんか腑に落ちない。
犯人はもっと普通のサイコパスにすることはできなかったのかな。それはそれでありきたりだが。なんかよくあるサスペンスとか推理ものの犯人像で残念…
あと労働環境に関する訴えは勿論、テロはテロでもっと糾弾してほしかった。アンナチュラルのミコトなら、ばっさり「犯人の動機なんてどうでもいい」って言ってくれそうだったけど。
まだ気付けてないことだらけのはず。
1回観ただけではまだ気付けてないことだらけのはずだと感じる作品でした。
作品自体はすごく面白い!視点も、内容も、登場人物も、テンポもスピード感あるし冒頭から置いていかれず入り込める。流石の野木さんと新井さん。
1回では主題が掴みきれず、ただ映像作品としての面白さで消化してしまっている感覚。後何度か観に行きたい。
アンナチュラルとMIU404は丁度いい出演時間で隙間感だなと思いました。そっちメインで行くと物足りなさを感じる人もいるかも知れないけれど、きっとその作品を知っていれば知っているほど散りばめられているものがありそう。あの警察と解剖医とが交われば怖いものなしで大活躍な気がするけれど、やっぱり全てのケースで全ての力が最大限に発揮される訳ではなくて、組織としても社会としても優秀な人だけ集まればいいってことじゃないんだと示されているような気がした。
個人的には、パプリカくんが出てきたことが1番の感動ポイント。きっと順風満帆ではなく、気づかないふりをして生きる一般的なレールを歩めはしない苦しみの人生の中でそれでも生きているし、ミコトから貰った「あなたの人生はあなたのものだよ」を大切に自分の人生を探している途中が見られて、人知れず彼が生き続けてくれていることに涙が出た。
荷物の対処に追われる人間模様
エイリアンを見たかったのに、上映時間との折り合いがつかず、こちらを鑑賞。
特に期待せずに行ったけど、テンポよく話が進んでいくので退屈しなかった。Amazo●の出荷現場に立ち合ってる気分、ブラックフライデーを満喫したことがないが物流関係者には地獄の期間になるそうだ。荷物が家庭に届くまでの過程に、大勢が携わり尽力してるので感謝がわいてきた。
過去にドラマを見て知ってるキャラクターがちょこちょこ登場して楽しいが、唐突でラフすぎる警察官に違和感がわく。
復讐のために全く関係ない人を傷つける犯人に全く同情出来ず、ここまでする動機がわからないし、感動とか胸にくるものは一切なかった。
荷物に爆弾を仕込みランダムにプチテロを起こす行動力で、彼に起こった出来事を乗り越えられそうなものだが。
ところで、人間はこんなに物を製造して売る必要なくない?
製造販売ではなく、環境保護やリサイクルで企業は利益をあげてほしい。
目眩がするほどの倉庫規模と物量が一番印象的でしたね。
考えさせられる話だった
・社会問題をエンタメを織り交ぜて表現していて驚いた。予告でエンタメ色つよそうと敬遠
しそうだったけど、観ていてとても苦しくなった。
・羊運送の感じが暗くて辛かった。荷物の配送は現実には必要なものなのに扱いが荒い...。
・ロッカーの数式の意味がよくわからなかった。ベルトコンベアの早さが人の歩く速さくらいとのことだから、その速さで飛び降りたのだろうから、ベルトコンベアの上で動いているのは死の象徴なのか?とか思った。そう思うと注文が増えることとは、一体…と。
・新しいセンター長になった岡田将生の赤紙が届いたような雰囲気が切なく感じた。
責任者のリスク対応の学びになる
自分のためのメモ
エレナ(センター長)のリスク対応が素晴らしかった。
『自社から出回る目玉商品が爆発し、死亡事故が起きている。』
どうするかについて。
松下電器では、自社製品で事故が起きた際に、一斉に同型番の製品を一斉に引き上げ、お詫びをした。
今回はどうか。
まず、『本当に自社製品が原因なのか冷静に確認をする』という、死亡事故によるパニックは起こさなかったことは大事なこと。
情報を多角的に集め、慎重な判断が裏目に出ないパターン(映画だから当然だが)
次に、自社流通による被害が確実になったあとの対応。
2つの選択肢があった。
『即座に全流通を止めること』『動かしながら対応すること』
この点は、両者の結果の見通しがいる。
それぞれの最善と最悪を考える。
即座に止めた場合は、世間にはこれ以上の死傷者が出ない。しかし、10%の流通が止まると100億以上の損害が出る。最悪は、真相が分からないままずっと稼働停止により、大手含めた大勢の雇用や、爆弾に無縁の利用者の生活にも影響が出てくる。
動かしながら対応する場合は、死傷者がまだ出る可能性があることが危惧され、社会の混乱や恐怖が持続することが挙げられる。しかし、世間に当社が爆弾運んでるというイメージがつく前に事態を収集してしまえば、被害を食い止めることに加えて、全体の今後に取っても今までと変わりなく進めることができるという切り抜け方はある。
結果として、部下の静止を振り切って、流通停止にしなかった判断は、意見は分かれるだろうが正解であったはず。
もし、前者を選んでいた場合は、恐らく登場した会社や関連大手にも大打撃があるに加えて、世間には爆弾が運ばれているという印象のみが出回り、マイナスが大きかったはず。
責任を取るのは、簡単な結論を選び取ることだけではなく、より困難かつ、本当に社会全体のためになるかどうかの際どい判断を己がするということ。
エレナは、見かけとしては、ただ流通を止めたくないというわがままに見えるが、現実世界で映画のようなことが起き、今回の判断をした場合は、英断したとして、無名のヒーローになると思われる。
また、ただ方策なしにやった訳ではなく、警察の差し押さえを逆手に取り、今まで一つ一つをチェックをしていなかった製品を警察の目を通して安全性を向上させたり、良いタイミングでブレスリリースをして、世間に呼びかけをしたり、社長の無理解に対しては論理的に反駁、対応した点も機転の聞き方、度胸は半端ない。
エレナの明るい振る舞いと裏腹に、抑えるべき点を的確に抑えながら、社会の混乱を抑えつつ、今回の原因となっている人間関係の部分にも調整をかけている点、リアルで考えるとかなりの理想人物と思える。
こういう役回りをできる満島ひかりさんも、そうとう凄いなと感じます。
勉強になりました。
もう一回見たい!
爆弾事件の謎にせまる話。
5年前に転落事故で植物状態に陥ったヤマサキをキーに
ストーリーが進んでいくのだが、
ミスリードさせる展開が多く、何個も引っかかってしまった笑
なんとしても物流を止めてはならない、って言っているエレナが犯人でしょ!って思っていたけれど、
DAILY FASTの12ヶ条に囚われてそれを守るために必死になっていると気がついた時には誰しもが第二のエレナや五十嵐になってしまう可能性があるのだと思った。
ヤマサキの「バカな事をした」という言葉は、
自殺未遂をしたことだけではなく、自分がこのような行動を起こしても、すぐにベルトコンベアから退けられ、
助けを呼ぶのすら二の次になっている会社では意味をなさない行動だった、隠蔽されるだけなのに、という諦めにも似た気持ちだったのだと思う。
だから訴えを起こさないという文言の誓約書にもサインしたのだと思う。
ラストマイル
利用者へ荷物を届ける最後の区間のことを言うらしく、
そこの熾烈な争いに勝たないと仕事がない。
だから大手の要求(脅し)には逆らわずに従わざるを得ないのだろう。
大手や中小企業関係なく、対等に交渉できるようになればいいのにね。
きたるブラックフライデーに合わせて
この映画を公開したのは何か狙いがあったのだろうか…?笑
久しぶりに映画館で映画を観たので、
トイレに行けないことを忘れてガブガブドリンクを飲んでしまい、ラスト30分ぐらいはトイレに行きたすぎて死にそうでした笑笑
ですので、アンナチュラルやMIU404を見てからもう一度足を運べたらいいなぁ、と思いました。
とっても面白かったです!!
期待しすぎたかな…?
周りの人たちから『観に行って欲しいー』とお勧めされた、且つエンディングが映画を観ると解釈が変わると聞いて遅ればせながら鑑賞。
アンナチュラルのみんなが出てきて激アツだったし、物語的にはすごく面白かったけど細かいところに疑問が…。
結局、エレナが本社から派遣されたのは何故?五十嵐を本社がどうにかしたかった訳でもなさそうだし…爆弾事件をどうにかして欲しいのであれば上司も隠さずに言うはずだったし…。事件が起こるのと異動時期がピッタリすぎてそこが謎。エレナも最初は会社のために!って感じだったけど、あっさり離職しちゃうしブレブレな感じにも疑問が残った。
何回か観ると分かるんかな?
エンディングは映画を観てから聞くと全くイメージが変わる。さすが米津玄師!映画にピッタリでした!
アッセンブル!って言って。
シェアード・ユニバースって触れ込みだったので、犯人が「MIU404」や「アンナチュラル」などで因縁のある人物で、石原さとみ、綾野剛、星野源で犯人を包囲して行き、ラストで全員揃ったところで、満島ひかりと岡田将生が中央に立って、犯人と対峙する。。。ような、アベンジャーズ的な「アッセンブル!」をちょっと期待してましたが、当然、そんなことはありませんでした。
尺の関係もあったし、主演の2人を立てないといけないから。。。なんでしょうけど、シェアード・ユニバースの醍醐味をもうちょっと出して欲しかったかなぁ。
満島ひかりと、岡田将生のお顔がキレイで、大画面のスクリーンでもアップに耐えるのは鑑賞に値しました。
つまらない?
違います。
これは、おばさんがおばさん向けに作った映画です。
あなたや私がターゲットから外れているだけです。
現に映画はヒットしているので、ビジネスとしては成功です。
初っ端から、「爆発しそうだな・・・」と思っていた物が爆発するという、普通の監督・脚本家では発想できない展開で幕を開けるミラクル。
その後は、満島ひかりが、クセがヒドい時の石原さとみのような演技を叩きつけてきます。しかも、そんな作品に石原さとみ自身が出演するというミラクル。
捜査担当の刑事もちょいちょい小ボケを挟んでくるのが痛い。同じネタの天丼を3回も。しかも最後はシリアスな場面でぶっ込んでくるというミラクル。
あと、シェアード・ユニバース設定も厄介でした。私も「MIU404」は楽しんで観ましたが、作品の垣根を越えて強引にぶち込まれているせいで、本作の伊吹(綾野剛)はただの変な人になってしまっているのは残念。
5年以上も意識不明になる脳挫傷を負った中村倫也が、実はちょっとだけ意識が残っていた時間があって、遺言めいたことを言っているのも不自然すぎる。普通に遺書や日記が見つかったという展開で良いのでは?窪田正孝の台詞が必要だったからとは言え、強引さが垣間見えます。
岡田将生の「前はブラック企業で・・・」「ホワイトハッカーで・・・」も、言いたいだけの台詞感が強い。なんで欲張りセットにするのでしょう?足し算引き算できなかったのでしょうか?
邦画にありがちですが、後半に登場人物がやたらと叫ぶのもしんどかったです。
全体的に終始ノリが軽くて設定も浅慮というか、社会派なのかエンタメなのかが曖昧で、死者・重軽傷者が出ている事件・世界だとは思えませんでした。
そのような展開から、Amazonやヤマト運輸を揶揄し、社会経済や世相を斬るという薄っぺらさ。制作陣の豪胆さに驚きます。
「外資は冷たい」という周回遅れの発想、いけ好かない男上司のステロタイプとして配されたディーン・フジオカもどうかと。
繰り返しますが、ビジネスとしては成功だと思います。客入りもいいので。
ただ、優秀な人からテレビ界を去っていくというのは、本当なのだと感じました。
本編とは関係ないが、上映前予告が邦画だらけだった上に長い(15分くらい?)。囲い込みビジネスとして、カモりたい客層が透けて見える。
ひとつ疑問なのは、この映画を楽しんでいる人は、普段どんな顔でAmazonをポチったり、プライムビデオを観たりしているのでしょうか?「私は世界のゆがみや闇が分かっている」と感じながら利用するのでしょうか?とても不思議です。
ラストワンマイル問題に切り込んだ意欲作
日本の配送業界を取り巻く『ラストワンマイル問題』を取り上げた社会派作品。
ラストワンマイル問題とは、物流の最終拠点からエンドユーザー(自宅や商業施設、病院など)までの配送業務にかかわる慢性的な人手不足と、それに伴う過重労働の問題であり、『2024年問題』もあって非常にタイムリーな題材です。
映画の題材としては非常に地味に思えますが、『外資系大手通販業者の倉庫を舞台とした無差別連続爆破事件』というサスペンス要素を加えることで、見事にエンタメ作品として昇華させています。
目まぐるしく変わる展開、心地よいテンポ、多くの謎と伏線…最初から最後まで見応えのある、非常に完成度の高い作品に仕上がっています。
ここからはあらすじと考察。
外資系大手通販の巨大物流倉庫のセンター長に赴任した舟渡。しかし、ほどなくして自社の宅配物に多数の爆発物が仕込まれ、配達先で次々と爆発。多数の死傷者を出す事件が発生します。
犯行予告もなく、犯行の目的も、犯人の手掛かりも掴めないなか、全部で12個の爆発物が荷物に仕掛けられていることが判明します。その時点で爆発したのは5個。つまり、あと7個の爆発物が残っていることになります。
舟渡は検査装置を増設するなど、爆発物の特定に努めるものの、いかんせん倉庫には膨大な量の荷物が発送待ちの状態にあり、それらをひとつひとつ検査するとなれば発送の停滞は避けられず、巨額の経済的損失を出すことになります。
しかも、ブラックフライデーという一大イベントを目前に控えており、発送の停滞は絶対に許されない。かといって爆発物を放置してさらなる死傷者を出せば、会社の社会的信用にもかかわります。
犯人は一体、誰なのか?最初に嫌疑をかけられたのは元センター長の山崎でした。
合理性と効率性を極限まで追求し、労働者を機械の歯車のように扱う物流システム。そのセンター長となった山崎はあまりの多忙さに、次第に肉体的にも精神的にも蝕まれ、追い詰められていきます。
そして、ブラックフライデーを前に限界を超えた山崎は、倉庫の最上階からベルトコンベアに向かって飛び降り自殺を図ります。
しかし、山崎が自殺を図ったのは爆破事件の5年前。事件を起こすのは到底不可能です。こうして手掛かりを得ては壁にぶち当たるを繰り返し、舟渡自身にも嫌疑が掛けられたりと、犯人像は二転三転します。
舟渡たちが懸命に犯人捜しをするなか、行きついたのは山崎の恋人・筧まりかでした。
筧は、恋人である山崎を自殺に追い込んだのは物流システムであると考え、大手通販事業者に莫大な経済損失を与えるべく、5年をかけて復讐計画を練り、自らも偽名を使ってバイトとして倉庫に忍び込み、爆破計画を実行に移したのでした。
劇中で山崎が残した『2.7m/s→0』というメッセージがあるのですが、この2.7m/sはベルトコンベアの速度であり、それを0にするということは稼働を止めるということを意味しています。
自分を追い詰めた物流システムを止めたい。誰かが止めなければ、この先も自分と同じような犠牲が出てしまう。だから、山崎は自分の命を賭してでもベルトコンベアに身を投げ、その稼働を止めようとした。
しかし、それでも止めることはできませんでした。命を懸けてベルトコンベアに飛び込んだのに、稼働率はあっという間に元通り。センター長といえども、システム化された物流システムのなかでは所詮、歯車のひとつにすぎず、部品を交換するようにセンター長もすぐに代役が来て何事もなかったかのように動き出す。
『バカなことをした…』
山崎が発したこのセリフには『こんなことをしても停まるわけがない。そんなこと分かっていたはずなのに…』そんな意味だったのかもしれません。
映画では、配送業界の闇や厳しい労働環境などが描かれ、我々が当たり前のように享受している翌日配送、送料無料といったサービスが決して当たり前のものではなく、そのしわ寄せはラストワンマイルを届ける宅配業者やドライバーに来ているのだ、ということを改めて認識させてくれる作品です。
また、この映画では大手通販事業者とその下請け宅配業者の間にある圧倒的なパワーバランスの差も描かれています。大手通販事業者は宅配業者に対し、配送料を安く、かつ、できるだけ効率的に多くの荷物を届けるよう半ば強制しています。
結果、労働者は不当に低賃金で働かされ、アプリで配達ルートや配達時間まで細かく管理され、食事の時間すらまともに取れず、まるで配達ロボットのようにこき使われ、過重労働を強いられています。
この問題はテレビや国会などで度々取り上げられてはいるものの、いまだ有効な解決策は見つかっていません。この先も手を打たなければ、労働人口の減少も相まって事態はますます深刻化し、EC事業の存続すら脅かしかねない問題に発展する可能性もあります。
そして、これは事業者だけの問題ではなく、便利さと安さを求める我々にも突きつけられている問題であり、再配達や置き配の在り方など、我々も改めて考えなければならない問題でもあります。
物流は今後どうあるべきなのか?問題を他人事として見て見ぬフリをしてきた我々に、改めてこの問題の深刻さを突きつけ、考えさせられるいい作品だったと思います。
当たり前は誰かの力で成り立ってる
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私の名は舟渡エレナ(満島ひかり)
大手ショッピングサイトの巨大物流倉庫の新任センター長だ!
これからセンター長としてバリバリ頑張るぞ!ってときに配送荷物が謎の連続爆破!!
バッテリーとかが偶然爆発したとか、そんなちゃちなもんじゃねぇ!
故意に爆弾が配送荷物に紛れて一般家庭にお届けされてるんだ!!!
警察は事件が解決するまで物流を止めろって言ってくるんだ!
物流を止めたら大損害!顧客に荷物も届かずクレーム案件!
うっひょー!こうしちゃいられねぇ!
物流も動かす!爆弾も見つける!荷物も届ける!責任の所在は他へ投げつける!
やるべきことが沢山でセンター長ってホントた~いへ~ん☆
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以上あらすじ
実際、自宅へ配送された荷物が爆発するってのは非常に恐ろしいですね。
普段なにげなく開梱してますけど、無警戒で開けてるもんね。
「大手通販~物流倉庫~配送業者~契約配送者~顧客」
上記のように配送に関わる人にスポットが当たって話が
展開していくわけですが大変だよね。
物流倉庫は稼働率を維持するために少人数でノイローゼになるくらい働く
配送業者は物流から無理難題を言われる。巨大資本こわいこわい
末端の配送業者は荷物一つ配送して数百円の利益、不在で持ち帰ると利益なしで辛いつらい
みんな大変だね。
物流業界からの悲鳴でしたね。
結果、爆弾仕掛けた人も物流関係だし働きすぎはよくないね。
真面目も考え物ですわ。
当たり前を当たり前として享受できるのは
誰かの力で成り立っているということを忘れてはならない。
日々感謝していきましょう。
今回の学び:家に爆弾が届いて爆発しそうなときは洗濯機に放り込むことにするわ!
配送のみなさまおつかれさまです
MIUは大好きだったので少し復習、アンナチュラルは未見のため全話見てから臨む。やはりキャラのその後、みたいなのを見られるのは楽しい。
内容はまんまアマゾンが舞台か?最初は批判に見えて、大丈夫かなとすら思った。
結果至上主義の米系会社。カスタマーファーストに隠れた都合の良い解釈などは、同じ外資系勤務の身ではすごく分かる、言ったもんがちの世界。まあ今の時代はもう少し交渉のしようはあると思うけど。。
ラストマイルの配達者たちの生活は規制が入った今でもさほど変わってないんだろうなと思える。流通もテクノロジーでもう少しなんとかならんもんかねえ。
満島ひかりちゃんの役が、顧客の安全を顧みない社畜になったり、過去の被害者に寄せてみたり、その心情の変化が突然すぎて今ひとつついていけなかったのと、ロッカーのメッセージはきちんと説明してくれる雰囲気だったのであれ、と思ってしまった。。けど全般楽しい映画だった。
闇ではあるのかもしれない
地面師の積◯といい
最近はリアルに近い会社の闇を
そのまま題材にできて
それが簡単に想像できる。
内容はまあ、さすがのキャストなんだろう。
言うまでもなく面白い。
そして全てがハッピーエンドではなく。
終わった後、他の観客が言ってたけど
「最後の満島さんは死んでいた」って
言葉がただ眠っていただけでなく
終わっても考察させられる
お客の心を良くわかってらっしゃる作品だったと思う。
創造的オリジナル脚本、スピーディで鮮やかな映像/演出、そして俳優の味の有る演技を、とても気に入った
2024年製作/128分/G/日本、配給:東宝、劇場公開日:2024年8月23日。
TV界の有名脚本家に有名監督だが、彼女たちによるTVドラマは自分は全く見れていない。
予想以上に、最初から凝った映像に惹きつけられ、スピード感が心地良く、この監督いいな・好きだなあと感じながら見てた。
アマゾンを想起させる外資DAILY FAST関東センターの映像、そこで働くアルバイト的人間の多さ、品物の圧倒的な多さ、大規模工場の様なベルト・コンベア、人間性を排除した様な巨大な配送センターの無機質性に、新鮮な驚きを感じた。
ミステリー仕立てで意外性も有るストーリー展開も、お見事と感じた。
DAILY FASTの理念が、次第に気色悪く思えてくる脚本の組み立てに感心。DILY FASTを解雇された主人公エレナ(満島ひかり)が、運送会社局長八木竜平(阿部サダヲ)や同業他社も巻き込んだストライキで運賃値上げに成功したことに思わず拍手。主人公に疑いが持たせてから明かされる犯人の意外性、何気ない会話が後で効いてくるのにも感心(爆弾避けての洗濯機内への避難等)。そして、自信満々の外資キャリアウーマン像も、リアリティを感じた(かつての仕事提携先の◯△さんを思い出した)。
トドメ的に、犯人が既に死んでいたとの謎解きには、同様の組み立てのミステリーを見た覚えが無く、独創的に思える野木亜紀子オリジナル脚本に魅せられてしまった。ただ、恋人を寝たきり状態にさせた企業とはいえ、まだ生きている訳で、自分自身を爆破させた理由は分かり難かった。
彼女のセリフから、安定した生活が欲しく、辞めたいと訴える恋人を止めた様なことが推察されたが、あくまで想像であり、その様なシーン設定をして欲しかった。ロッカーに書かれた暗号様記号も、基本素晴らしいアイデアに思えたが、彼の感情の発露なのか、後任者たちへのメッセージかは自分には判然とせず、贅沢な気もするが、もう少しその辺りを明確にして欲しかった気もした。
とは言え、物語全体を通して、ただただ効率や利益追求を第一として、事業を下支えしてくれてる人々への配慮や感謝も忘れていた主人公が、人間性を次第に取り戻していく物語となっており、大きな共感を覚えた。
主人公エレナを部下として支える梨本孔を、岡田将生が醒めた感じで、何処か謎が残る不気味さも残るかたちで演じていて印象に残った。実際彼はハッカー的優れた能力を有していて、前の職場ではその能力を限界近くまで搾り取られたという設定らしい。下請け企業としてDAILY FASTに無理難題を吹っかけられる運送会社幹部を、阿部サダオが好演。彼の生真面目さや熱心さ、それでもこれ以上やってられないという迸る感情の表現が素晴らしかった。息子と日々、壊れそうながらプライドを持ちながら配送業に従事する佐野昭を演じた火野正平の演技も、心に染みた。
自分はさんざん利用させてもらってる訳だが、実際は「〇〇〇〇は4つの理念を指針としています。お客様を起点にすること、創造への情熱、優れた運営へのこだわり、そして長期的な発想です。〇〇〇〇は、地球上で最もお客様を大切にする企業、そして地球上で最高の雇用主となり、地球上で最も安全な職場を提供することを目指しています」。映画に登場していた理念とは異なっていたが、一方で、地域社会、地域環境、配送業界といったものへの配慮は無く、理念そのものの唯我独尊性は確かに感じてしまった。
監督塚原あゆ子、脚本野木亜紀子、プロデューサー新井順子、エグゼクティブプロデューサー那須田淳、共同プロデューサー八尾香澄、撮影関毅、照明川里一幸、録音西條博介、美術
YANG仁榮、編集板部浩章、スタイリスト金順華、ヘアメイク千葉友子 山田みずき、VFXクリエイティブアーティスト早野海兵、DIプロデューサー齋藤精二、カラーグレーディング齋藤精二、音響効果猪俣泰史、ミュージックエディター遠藤浩二、音楽得田真裕、主題歌米津玄師、監督補濱野大輝、助監督鳥居加奈、スクリプター森本順子、制作担当鷲山伸人 大藏穣。
舟渡エレナ満島ひかり、梨本孔岡田将生、五十嵐道元ディーン・フジオカ、毛利忠治大倉孝二、刈谷貴教酒向芳、佐野亘宇野祥平、松本里帆安藤玉恵、小田島丸山智己、佐野昭火野正平、八木竜平阿部サダヲ、三澄ミコト石原さとみ、中堂系井浦新、久部六郎窪田正孝、東海林夕子市川実日子、木林南雲竜星涼、坂本誠飯尾和樹、向島進吉田ウーロン太、三澄夏代薬師丸ひろ子、神倉保夫松重豊、伊吹藍綾野剛、志摩一未星野源、陣馬耕平橋本じゅん、勝俣奏太前田旺志郎、糸巻貴志金井勇太、田島雄介永岡卓也、桔梗ゆづる麻生久美子、白井一馬望月歩、中村倫也。
警鐘の映画
この映画は、某最大手の通販会社と宅配便業者のリアルを描いた映画。
ネットにて生活が便利になればなるほど、それを支えている底辺の人たちの生活は気の毒である。
特にブラックフライデーは、お客にとっては嬉しいイベントだが、働く人にとっては地獄。
その裏方の悲惨さを映画にした。
昼ごはんもまともに食べれず、寝ることもできない、過労死。
しかし、恐らく数年後には、皮肉にもこれらな仕事はAIに奪われてしまうんだろうなー。荷物の仕分け、配送の全てをAIやドローン、自動運転により無人化される。
こんな爆破事件もなくなる。
映画を観てから小包を開けるのが怖くなる。
構造的な圧力に抗うには、怒り、連帯して戦うこと
Amazonを模した通販サイトの配達物に仕掛けられた爆弾テロ。
犯人は誰かという謎が物語を引っ張るが、犯罪の全貌は第二幕の最後で明らかになる。
物語全般で語られているのは、圧倒的な権力勾配のもとに押し付けられるハラスメントや貧困にいかに抗うかということ。
会社からのハラスメントや圧力を孤独に抱え込まざるを得ず、自殺や犯罪に陥ってしまった山崎や筧と、強迫的に押し付けられた苦難に怒りを表明し団結して戦う羊急便の面々。三年前は唐沢に連帯できず、犯罪へと追いやってしまった舟渡が、今回は羊急便に連帯して、わずかながらも前向きな勝利を勝ち取る。
この対比と主人公の成長を通して、きちんと怒ること、連帯し団結して戦うことの重要さが示されているのがよかった。
佐野父が構造的に強いられた貧困を自分の勤勉の問題として引き受けてしまっているという描写も、通俗道徳が骨の髄まで染みついた日本の労働環境を端的に表していて鋭い。
ただハラスメントや強いられる貧困の描写が記号的なせいで、説得力が薄れているのではないだろうか。
この映画が参照したであろうケン・ローチ『家族を想うとき』の構造的に強いられる貧困にズブズブとはまり込んでしまうやりきれなさや、佐野息子を演じた宇野祥平から連想される白石晃士作品のハラスメント描写の重苦しい生々しさなどの胸糞悪さが足りなかったように思う。
同ユニバースのドラマの面々のカメオ出演は、彼らの漫画的な飄々とした働きぶりが、リアリティラインをおかしくさせていてノイジーだった。
ZUN
子どもは死なない
演技の苦手な俳優さんがでていたので正直入り込めませんでした。
でも話はよくまとまっていたかな、ドラマでお馴染みの方々も出ていました。アンナチュラルのみ見てました。
阿部サダヲさんや配達の親子たちがぐっと引き締めてくれてた気がします。
これ泣かないやんって思ったけど、最後の洗濯機で泣きました。
助かって良かったよ。
連れがサラも5年前の目撃者だったんだと言っていました、全然気づかなかった。
最後まぶた動いてた、生きてなきゃだめだよ…
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