ラストマイルのレビュー・感想・評価
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現代人が便利さと引き換えに失ったもの
満島ひかりさん主演、主題歌米津玄師さんということで迷わず鑑賞を決定。
人気テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の監督・塚原あゆ子さんと脚本家・野木亜紀子さんが再びタッグを組み、両シリーズと同じ世界線で起きた連続爆破事件の行方を描いたサスペンス映画です。
私は両ドラマとも観ていませんでしたが、単体映画としても十分に楽しめました。両ドラマからの出演者も加わり、これでもかというくらいに出演者が豪華!一度に3度美味しいお得感満載の映画となっております。ドラマファンならより一層楽しめること間違いなしです。
塚原監督曰く、
「夜にポチッと注文した荷物が、貴方に届くまで」のお話を、ビールとポップコーンにあう映画に仕上げたとのこと。
脚本家の野木さん曰く、
「宅配荷物が爆発する話で、物流が止まると大変」という監督のワンアイデアをネタに一本書いたとのこと。
主題歌担当の米津玄師曰く、
「今回の『がらくた』という曲は、壊れていても構わないんじゃないかという、そういう意味合いを込めて作りました」とのこと。
「アンナチュラル」「MIU404」と繋がるシェアード・ユニバース・ムービー!!(複数の作家による複数の作品によって共有される物語世界)
監督:塚原あゆ子、脚本:野木亜紀子、主題歌:米津玄師の最強チームが贈る、極上のノンストップ・サスペンスエンタテインメント!
ワンクリックで、夜注文した物が次の日には家に届くというこの便利な世の中で、大いなる歪みを被った人たちがいることを再確認することになる映画です。スマートフォンの登場によりこの20年で大きく変わった私たちの生活。
便利さと引き換えに、
現代人が失ったものとは?
もしも願いが叶うなら
スマートフォンのないあの頃に
もう一度戻らないものか?
そう思ったことがあるのは、
私だけではないハズ…
目的地に着くまでのドキドキ
何かが届くまでのワクワク
なんだろうと想像するトキメキ
何かを待つという贅沢な時間
失ってしまった贅沢さを取り戻すために、私たちが今すべきことはなんなのか?難しい宿題を持たされて、映画館を後にすることになります。
鑑賞して損はない、
良作映画となっております♪
「システムよ止まれ」と彼と彼女は言った
ハンムラビ法典には、同害報復を表す有名な「目には目を、歯には歯を」の文言がある。この血讐法は、どれだけ社会が高度に発展しても、人間の感情の発露として、捨て去ることはできないかもしれない。〈DAILY FAST〉により、恋人を過労自殺に追い込まれた筧まりかの復讐は、荷物に爆弾を仕掛け、デリファスという会社の信用を失墜させることだったように見える。が、それは表面的だ。彼女が本当にしたかったことは、山崎佑とデリファス、そしてそれを取り巻くシステムを「同じ状態」にしてやること。つまり「機能停止」だ。
物流は都市のメタボリズムの生命線だ。それを止めると、メタボリズム(代謝)が不全に陥る。山崎のような「植物状態」に。物流のラストマイルの末端で、筧は自壊し、目的を完遂した。そう、労働者のストライキを惹起した。山崎が万が一目覚めても、筧はもういない。しかし、働く人たちの環境が1ミリでも改善されていれば、それが彼への世界の贖いになるだろう。
山崎がロッカーに残した謎のメッセージは、飛び降り自殺でベルトコンベアの流れを止める、というほのめかしだった。同時に、おそらく、利益最優先で何らかの不正を行っていた五十嵐に関する内部告発ではないか。
私たちのために「システム」があるのではなく、「システム」のために私たちがいる。近代社会の複雑化により、私たちは程度の差はあれ、「システムの奴隷」になった。その部品である自分が壊れることで異議申し立てをする。荷物がちゃんと届くことの「奇跡」の代償は、存外巨大なのかもしれない。
「物流の叫びを聞け」
などとタイトルに銘打っても私は詳しい現場の事情は知らないのですが、業界の網羅っぷりが凄まじい。業界のトップから配送センター、運送業者、末端の運送屋に、荷物を受け取る家族まで、それぞれの狂おしい事情を見事に噛み合わせて、物流全ての絵巻を画ききった凄まじい社会派サスペンス。
とはいえ、本当にリアルに再現されているかどうかは、自分には判らないけど。仮想の運送業者、配送センター、ウェブサイトや広告動画まで作り込みは凄いけど、こうした事件があった場合の企業の対応、警察の動きは本当にこれで良いのか。議論を呼ぶかもしれないけれど、やっぱり自分には判らない。その辺、評論家の方にお願いします。ただ、広告はワザとだろうけど、映像が暗いなあw 本当はもっと楽しげですよね。
でもまあ、本当にそれぞれの対応が正しいのか疑問に思うほど、「お前はいったい何と戦っているんだ」といちいち問いかけたくなるほど、問題は爆破事件なのに、それぞれの都合に振り回され、例え爆破の被害者が出ようとも配送を止めるわけにはいかないトップの事情。むしろ犯人よりも悪役に見えるけど、仕事に振り回される人なら痛いほどよく判る使用人ならではのストレス。
そう、むしろ犯人が戦っていたのはそのストレス。事件の動機ともいうべき「ブラックフライデーが恐ろしい」という、彼氏の言葉を伝える彼女のシーンが凄まじかった。恐らく、自分の映画鑑賞体験のトップランクに入ると思う。日の丸構図に近い役者を中央に置いたインパクト。そしてむしろ人物を小さく、広く開けた空間が痛いほど心境を物語る。キューブリックのシンメトリーとか、この手の構図が好きな私には、エグイほど突き刺さった。むしろ犯人が自らの死をトリックに使う壮絶さよりも。
ただ、ロッカーの落書きの意味が自分にはつかみ取れなかった。どういうことだろう。身投げによる自分の死を持って物流を壊してしまいたかったのだろうか。それほどに頑なで酷薄な社会のシステムに訴えかけたかったのか。それとも、「飛び込めば、全てから逃れられる」という仕事に押しつぶされてしまった者の心理か。
それ故に、爆破事件の解決よりも、トップにストライキで訴えかける逆転劇こそが、この映画のクライマックスだったのでしょう。本当に戦うべき相手は誰なのか。本当の事件は何か。それはむしろ爆破事件なのではなく。
とにかく、幸せな人がほとんどいない、見ていて辛い映画だったのは否めない。わずかな合間で語られる、離婚に至った陰鬱な家族の事情が、お届け物で笑顔になった。それだけが最大の救いであったような気がします。
いや本当に、仕事が辛くなったら、みんな逃げよう。後のことは気にせず、退職届なんか後回しで良いから一目散で。
一人では無理
自死で会社へ復讐。自分の事しか考えていない、どれだけ多くの人達に迷惑が掛かるか、想像力が欠如している恋人同士の話ですが、労働やシステムについて考えさせられ、利便さが誰かの犠牲の上に成り立っていることを実感。この映画は配送業界を変えることが出来たのかな、、、個人的には細かい日時指定は控えようと思いました。
満島ひかりさんがハマり役。
『ラストマイル』あなたのブツが、ここに
取り急ぎ全日本国民および日本で生活している者はもれなくこの映画を見るべし、と強く思った。
それは単に脊髄反射で言っているわけではない。
現代の日本で暮らしている我々は、須く「物流」と無縁ではいられない。
どんなにインターネットが発達しても、どんなにWi-Fiが張り巡らされても、人はモノを食べるし、モノを使って生活する。データだけでは生命を維持できないのだ。
買い物はネットでできても、モノは誰かが届けなければならない。
その「ラストワンマイル」を担うのが、物流だ。
だが、我々は利便性を求め続ける。買った商品はすぐに届けて欲しいと願う。その欲望を抑えることができていない。
その結果、皺寄せはビジネス経済圏の「弱者」に集中し、あり得ない「送料無料」が謳われる。
人がモノを運ぶ以上、無料ということはあり得ない。確実にコストは発生しているはずだ。
日本の物流業回の市場規模は、年間およそ28兆円。これは日本全体のGDP(国内総生産)の約5%を占めるといわれている。
企業が製品を生産してから消費者へ届けるまで、発生する物流こすとは売上高の約5%。
このコストをいかに下げていくか、企業の競争力にも影響する数字であり、その重要度はますます強くなっている。
日本での輸送はトラック輸送が圧倒的に多く、貨物輸送量全体のやく90%を占めており、従事者数は約160万人。
物流業界全体の従事者数が約200万人といわれているので、約80%がトラック輸送に従事しているということになる。
日々の仕事に追われ、何のために仕事をしているのか、分からなくなりながらも、生活のために仕事を続けるうちに、身体が壊れ、心が壊れていく。
日本の物流業界では人手不足が深刻化している。
ドライバーの高齢化、労働時間の長さが人手不足に拍車をかけている。
有効求人倍率は全産業平均が1倍台であるのに対し、トラックドライバーは2倍を超えることも珍しくない。
それだけ企業はドライバーを確保することが難しくなっていることを示している。
本作は、ワークライフバランス、やりがい搾取、働き方改革、さまざまな問題の最終表着地になりつつある「物流」の世界を、リアルタイム感をそのままパッケージングしたような高解像度で鮮やかに描き切った超エンタメ作品となっている。
「シェアード・ユニバース・ムービー」と銘打って、かつて放映された地上波ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界線に位置するドラマとして構成されている。
とはいえ、単に客寄せのために無理やりくっつけた感は全くなく、むしろストーリー上、重要な転換点にもなっており、ここから一気にストーリーが加速していく必然性のある構成になっている。
あの描写が実はあそこにつながっていて、あれはああいう意味だったのかと気付かされ、最後の最後まで目が離せない。さすが野木亜紀子脚本と唸ったのであった。
物流業界を扱った作品は意外とたくさんある。
有名なのはやはり楡周平さんの『再生巨流』だろうか。
宅配に関してはこちら『ラストワンマイル』がある。
さらには福田和代さんの『東京ホロウアウト』。
いずれの作品も物流業界の暗部を曝け出すと同時に、我々日本人の便利さへの依存度を深く抉る内容だ。
地上波ドラマでも近年の宅配事業者にスポットを当てつつ、本作『ラストマイル』とも実は(意図的かどうかは不明だが)関係がある作品があった。
2022年8月にNHKで放映された「夜ドラ」枠の『あなたのブツが、ここに』である。
主人公・山崎亜子を仁村紗和が演じている。
映画を観た人ならわかるだろう、この意味が。
注文するのが怖くなる!テンポ良く進むストーリー!
映画館で観るの迷っていた作品。
プライムビデオで配信されているのを見つけてすぐに視聴!
最初からテンポ良く物語が進んでいくため、画面から目が離せない!
MIUもアンナチュラルも見ていたので、登場人物は分かりましたがここまで長尺映るとはびっくり!
自分が注文したものが爆発するなんて(しかも爆弾の威力強すぎる!)
近年の物流問題を大きく取り上げているようで、ここまでリアルに描写していいのかとまで思ってしまいました。
阿部サダヲさんの演技さすが、、。タバコ吸ってる姿とか本当にお疲れに思いました。
大好きな満島ひかりさんは可愛くてかっこよくてとても美しかった!
買ったゲームに爆弾が仕掛けられているシーン、こちらもとてもハラハラしていました。
仕事のしすぎで休職していたという過去は、本当にそんな人日本に多そうすぎてリアル。
中村倫也さんをあの役に起用はとても贅沢だし、中村さんだからより威力があるようにも感じました。
そしてまさかまさかの伏線が。
お母さんにプレゼントをこっそり考えている、なんて心優しいんだ!
最後の洗濯機のシーンなんて、私が大好きな伏線の回収の仕方でとてもスッキリ感じました。
サブスクでの配信ありがたいです!
周りの人にもたくさん勧めるくらい面白く感じました!
最初は
良かったかなーなんでなんで?と見て進んでいくうちに楽しかった。倉庫の仕事がどうゆう風になってるか、内部の中が見れるのは楽しかった。Amazonはこうなってるのかなーとか笑
それで、あの人が犯人だったらもっと面白かったのになーって。
でも、仕事はなんでも大変。思い詰める前に、誰かに相談したり、なんとか会社が対処して欲しいと思う作品でした。あとはドラマとちょこちょこコラボしているところはめっちゃテンション上がった!!
人の存在価値「ゼロ」?いや、、、
アマプラで配信してたので鑑賞。謎解きや伏線を考えつつ、最後までハラハラドキドキでき、さらに現代の資本主義社会の問題点について批判的な目線で問いかける佳作。ドラマの名作アンナチュラルのシーンが挿入されるなど、懐かしい面々も見ることかできて楽しめた。
ネットでは考察も色々出ているが、ロッカーに書かれた暗号「27m/s 70kg →0」が、何を意味しているのか説明がないまま終わり、皆さまざまな解釈をしているようだが、メモとして、以下4つの私の解釈を残しておく。
①単純には毎秒27m進む耐荷重70kgのベルトコンベアを止める(=0)には、山崎が飛び降りればいいという意味
②山崎が飛び降りることで瞬間的に止めることはできたが、飛び降りた彼を床に移動させてしまえば、無情にも再びベルトコンベアは動き始め、全く意味がない(=0)という意味
※これが山崎が意識を失う前のセリフにつながる
③①と②から、現代の資本主義社会においては、「金=資本」こそが主役で「労働者」は資本階級にとって交換可能な単なる商品にすぎない、存在価値などない(=0)というマルクスの「資本論」を暗喩しているのではないか?
④この暗号をもっと希望的に捉えるならば、主役は「資本」などではなく「人」そのものなのだから、仕事で追い詰められたら休めばいいし、作業をみんなで止めればいい(=0)、というメッセージが込められているのかもしれない。
なんちゃって。。。★
止まらない世界…
この映画をアマプラで見てる…デリファスはAmazonをイメージしたものだと想像難くないが、自分の生活には欠かせないものになってしまっている。世界中そうだと思う。当たり前のように届く、遅配はほぼ無いし、毎日のように届く。それが爆弾だったら恐ろしいと共に、この環境、システム、歯車の一つになってしまっているのがもっと恐ろしい。会社の掲げるスローガンによって雁字搦めになる社員、そして下請けの会社。合理主義の末路なのだろうか。便利さにストップは掛けられないし、より安価に買おうとする流れは止められないし、映画は警鐘的ではあったが救いがない。ドラマを見てなくても楽しめたが、各ドラマの役者が豪華出演しているため、クセ強キャラが多く非現実的で食傷気味。爆弾魔の訴え方は人を巻き込んではならないし、満島ひかりの行動も全てには共感はできなかった。
面白いけど何か腑に落ちない
物流の仕事全般の様子を知ることができて面白かった。いま抱える業界の問題も盛り込んであり、社会派ドラマになっている。
アマゾンで物をたのむ度に思い出しそう。
主人公がアンナチュラルの石原さとみの主人公に性格というか雰囲気が似ている。
仕事にまっすぐ、直情型、悪く言うとなんかうるさい。
ガチャガチャ喋りすぎだし感情の起伏が激しくて常に躁状態っぽい。
後にアメリカ帰りということが判明し、だからこういうキャラにしてるのか?
海外ドラマのシゴデキのうるさいウィットにとんだ(?)女主人公っぽい。(なんか自然じゃなくてサムイんだよな…)
物語をぐいぐい進めていくのにいいのかもしれないけど、いい歳なんだから落ち着けよ少しは…と言いたくなる笑
自殺を図った人のロッカーの走り書き。あれを見て主人公が激しく動揺して泣いてたけど、なんかイマイチよーワカラン。
70キロって自分のこと?ベルトコンベアを止めて稼働率ゼロにしてやりたいって意味なのかな?それでも動き続ける無情。
主人公は何が何でも物流止めないぜ!というスタンスだったのに、なんであんなに簡単に感情移入してしまうのか??
むしろ、静かにショックを受け、自分を省みて自己嫌悪自己反省に頭を悩ませるのが自然な反応な気がする。
話が進む中で主人公が従業員を省みないトップの姿勢を糾弾するが、自分が今までそれに間接的に加担してきたことについては反省できているのか?
同じ穴のムジナだったのではないか?
問題の構造を自分事として捉えられていたのか?
ちょっと疑問が残る。
エンタメとして面白いドラマだったし勉強になるところもあるから見て良かったけど、主人公のキャラと行動に腑に落ちない点があるため☆3.5
桃の中身
どんぶらこ、どんぶらこと流れ着いた桃の中身が、途中で金太郎にすり替わっていたら!?
エレナさんの奇想天外な例えですが、この例えが、この作品を象徴している気がします。
情報、モノ、ヒト、その他諸々が海を越えて世界中へ届けられる。
ポチッとするだけで、手元に「プレゼント・フォー・ユー」される。
その裏にある、目立たぬサンタクロースたちの苦悩に、心をえぐられました。
2.7m/sで進み続けるベルトコンベアーは、人が降ってきても、止まったのは一瞬でした。
止まらない川の流れと同じように、荷物は、桃はどんぶらこと流れていきます。
いまやネットショッピングが不可欠になった世界で、この映画の果たす役割はどの程度のものなのか、考えるきっかけになりました!
ラストシーン、たしかにあの配達者の2人は、奇跡を起こしたのだと思います!
世に問題提起をした上で、身を削って運ぶ者たちを無下にしない、良い終わり方だと感じました。
追記
もともと大好きだった米津玄師さんの『がらくた』。鑑賞後に聴くと印象がガラリと変わりました。
米津玄師は、佑とまりかの2人の事も汲み取ってあげたのかな?と思った次第ですっ
本当にあってもおかしくない作品
本当にこういうテロが起こってもおかしくないなって見ながらすごく思いました。
ブラックフライデーとは別でも
配送業と偽って、爆弾を家に届けることは可能だと思うので、起きてもおかしくないなぁと
着眼点が面白いなぁと思いながら見ました。
アンナチュラルと、MIU404も観ていたので、
より一層面白さが増すと言うかワクワクが増します。
みんな大集合って感じです!!
映画単体として見ても、錚々たるメンバーが出てくるのも含めて、豪華な上にストーリーも、配送業のことを
細かく見ることができる機会ってないから、なんだが勉強になったのと、面白くみられる作品でした!
ですが人間の残酷さがすごく出ている作品です。
マーケティング、売り上げ、その他もろもろ、結構残酷です。
見てよかったです!!
きっとアンナチュラルとMIUを見ていない人も楽しめる作品だと思います!!
関連作未視聴でもそれなりに楽しめるが…
アンナチュラルは未視聴、MIUは途中まで見た超にわかファンの自分ですが、それなりに楽しめました
前半のAmazonを彷彿とさせる巨大倉庫からの爆破事件を起点とし、サスペンスの盛り上がりを見せる一方で、キーパーソンとなるヤマサキタスクの存在が明らかになるくらいから急に失速してきた気がします
数式の意味も謎をよぶ感じで提示されてるが結局深い意味も持っておらず、舟渡エリナへのミスリードも弱い、なんかプロットだけが独り歩きして登場人物たちの行動に対して根拠が少ない
いっそ舟渡エリナは黒幕でないと思わせといてサイコな黒幕だった設定にして、最後はデリファスの倉庫ごと大爆破した方が面白かったのではないでしょうか、それはないな
労働環境や資本主義に対する警鐘としても、サスペンス映画としてもちょっと中途半端な印象
飄々としたキャラクターが多いので、人間を黒コゲにするくらいの爆弾があるのに緊張感も少ない
あと細かいですが、劇中、刑事がエリナさんに違和感を感じるシーンでヤマサキをヤマザキと濁らず言ったなっていうシーンがありましたが、職業柄、人の名前はちゃんと覚えるので普通だろと思いました
着眼点
まず着眼点が面白い。
私たちが日々便利に利用しているサービスの実態を暴く、気付かせてくれる作品。
まさに社会的意義のある内容だ。
なにより『家族を想うとき』の運営サイドに焦点を当てているところも素敵。
「お前どの立場でものを言ってるんだよ?」と言われても仕方がないが、『ラストマイル』を面白いと思った人は『家族を想うとき』も見てほしい。
どこが面白いのか
あまりにも現実離れした作品。怒りが収まらないのでレビューします。
評価が高かったので観に行ったが、怒りで途中で帰ろうか迷ったレベル。
普通、一つでも製品に爆破が起きたらライン即止めます。(止められます)1人の判断でどうにかなるものでもないです。
警察役のチャラチャラした奴なんなん?組織にあんなのいる訳ないやん。(フィクションだとしてもイライラしました。)爆弾止めるシーンも、なんで爆弾処理班じゃなくて生身の人間がやるの?ばかなの?
現代の物流業界に物申す社会派映画などのコメントがあるが、その前に設定がチープすぎる。
サスペンスにするなら、リアリティさが必要。
ドラマ見てた人には大興奮!の映画らしいが、映画は映画として完結すべき。
良い映画は何かが残る
塚原監督×野木先生脚本ということで面白いのは確実だけど、アンナチュラルとMIU404も絡んでくるとなるとちょっと商業的すぎる気がしてなかなか手が伸びなかった今作。
結果、エンタメだけで終わらせず、観た人にしっかりと問いを残す素晴らしい作品だった!
ドラマキャストの絡み方も自然で、さすがとしか言いようがない。
ただ、やっぱり絡んでくる組織が多い分、物語の核となる部分の理解が追いつかなかった。
(山崎佑はまだ生きているのに、まりかはどうして事件から5年も経ったタイミングで捨て身の復讐に挑んだのか?等)
あとは短尺で印象的なシーンを入れなくてはいけなかったのか、子どもが危険に晒されるシーンが多すぎた。(赤ちゃんのそばで荷物を開けようとするお父さん、爆発で吹っ飛ぶベビーカー、ベランダから今にも落ちそうな女の子などなど)
死者はまりかのみでどの子も無事というフォローはあったものの、繰り返される匂わせに心が疲弊。もっと色んな属性の人々も描けるのにと思ってしまった。
とはいえ、エンタメとしても素晴らしいクオリティーで、これだけ作り手の怒りや魂が感じられる作品は稀有。
物の"価値"が軽くなっている現代に、物を欲すること、有することについて、今一度向き合いたいと思った。
年末になったらまた見ようかな
なんだかんだで見逃していたラストマイルやっと見ました。アンナチュラルとMIU404のシェアードユニバース映画という時点でお祭り映画が確定な訳ですが、冒頭から実在する巨大な物流倉庫が爆上げです。でっけーすげーと思っているといつもの外ヅラはいいけど性格悪そうな満島ひかり登場(役柄上の話ですよ。今回は彼女がボス)。同じく見た目は超好青年だけど絶対性格暗いやつ岡田将生登場(同上。今回は彼がナンバー2)。芸達者な二人の丁々発止の言葉のスパーリングで距離感を測っていく感じがおもしろくてもうちょい見たいなぁとか思っているところで最初の爆発の知らせが…。
とにかくテンポが良くて多少謎解きに無理があってもあまり気にならないというか、気にしているヒマがない。すっかりストーリーに引き込まれてなんでこんなスターが脇役やってるんだろう、ああそうかこの人たちはアンナチュ勢、この人たちはMIU勢かとか思うぐらいであまりスピンオフということ意識して見る必要は全然なさそうです。
それからさすが野木亜紀子脚本というかなんというか、「そんなところは僕らが勝手に忖度するからいいのに」みたいなところも丁寧に伏線回収されてて非常に気持ちがいいです。
それから羊急便の阿部サダヲもいつものいい人なんだけど、余計なこと言って失敗するところとかめちゃめちゃ良かった(今回一番感情移入できたのは彼)。最後満島ひかりが無双して物流の運賃問題を一気に解決してスカッとJAPAN来たーと思ったけど、よく考えたら利益相反じゃね?と思ったけど速攻で辞めたからギリセーフなのかな?まあいいや。
最後に安藤玉恵さん好きなのでもうちょっと艶っぽいシーンがあるともっと良かったかな(それだと別の映画になるか)。
わりとシリアスなテーマですがエンタメ方向に全振りしてる映画なので気軽に見てOKだと思いますよ。
興味そそられる予告編と本編冒頭だけれど… 今一歩
本作は、アマゾンを思わせるeコマース会社の物流管理(センター)の内幕暴露的なサスペンスミステリー。劇場で見た予告編には引きつけるものがあったし、本編を見ても出だしは面白そうで、演者もほぼ皆巧者です。シェアードユニバースを否定はしませんが、本編ストーリーに絡まない役者の顔見せ感は、該当テレビドラマに興味のない者にとってはこいつ何者?という違和感に始まり、ああコラボね、と腑に落ちるまでの間、本編への没入感から醒めてしまい、本作品自体の完成度を低下させています。興行収入は伸びているのかもしれず、製作者側は承知のことでしょうが… それ以上に場違い感があるのは2人の刑事の演技。コミカル感を出そうと昭和の刑事を誇張し、小馬鹿にしたかったのかもしれないが、本編の緊張感を壊してしまい有害無益。冷静かつ有能な刑事を登場させて欲しかったです。そして、なによりも、結局、配送を一旦全面停止してX線検査装置で荷物を検査したら比較的短時間で爆発物を発見できた、めでたしめでたしというのも、なんかなあ。何百億単位の損害が発生する重大事態という切迫感も感じられません。大風呂敷を広げたものの、うまくたためなかった、劇場映画というには、かなり物足りないものを感じました。
2時間ドラマで見たかった
映画だとそれなりのものを期待してしまうので、これがドラマなら満足できたと思います。
取り上げている社会問題自体は良いし、練られたストーリーだとは思います。最後の洗濯機の件も出来すぎで笑ってしまうほどだったけど、良かったと思います。
でもスケールが大きく感じられたのは最初だけだし、ミスリード狙いの筋書き、主人公のキャラ設定、思ったより浅いロッカーの暗号、無差別爆弾テロの動機の弱さなど色々と気になりました。
「アンナチュラル」「MIU404」の熱狂的ファンが多いので、高評価が多いのかもしれませんが、今ひとつ釈然としません。
主人公の「死んだ人は可哀想だけど知らない人…」のセリフは、結局ミスリードに必要だっただけでエレナの人間性を下げるものになっているし、「桃太郎と金太郎」の例え等に脚本のあざとさを感じてしまいました。
でもやはり最大の不満は、無差別テロの動機です。WIU404の久住のような人物なら納得できますが。
ブラックフライデーのたびに思い出すかも
アンナチュラルとMIU404が好きなので、その世界観が全て繋がって出てくる本作はファンとしても楽しめたが、ラストマイル自体のストーリーもよく、1本の映画として最後まで楽しめた。アンナチュラルやMIU404知らなくても普通に面白いと思う。
作中に出てくる明らかにデリファストはAmazonのイメージだと思うが、そこの配送センターで起きる爆発テロに関わる、ECサイトと配送業界全体の社会問題にも目を向けつつ、エンタメとしても非常に面白かった。
Amazonをよく利用する立場からすると、ブラックフライデーになるたびこ購入してたので、とてもいたたまれない気持ちになる。とはいえ止められないと思うので、その度にこの映画を思い出すと思う。
劇中では伏線も色々あり、シンプルなのはミスリーディングでセンター長が犯人なのではないかというところ。写真も絶妙にセンター長に見える。
最後の洗濯機が熱に対して耐久性があると言った伏線がまさかのオチとして出てくるところは意外性もありとても面白い。まさか回収される伏線とは思わないよね。
犯人を追い詰める部分は結構カットされていて、そこに至る人間ドラマの方をメインに描いていたので、2時間ながらもかなり濃密な映画でした。
配送トラックの親子と、シングルマザーと、配送センターのシーンが3つ並行するけど、最後に収束するシーンは、リアル感はないけど、計画としてのエンタメ感としては最高でした。
全290件中、1~20件目を表示