ラストマイルのレビュー・感想・評価
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全てのシーンに意味がある
観終わって
全てのシーンに無駄がないことに震えた。
印象に残るシーンやセリフが
エンディングに向かって
意味を持ってくるのは
野木亜紀子さんの真骨頂。
メインは物流業界の問題なんだけど、
そこに働く人の人生に、
他の業界の過去も載せてきて、
しかもそれがラストに向けて意味を持つなんて。
途中から感じた、悲しい予感が
当たってほしくないのに
当たってしまって、今のリアルな出来事と重なり
心が重くなった。
アンナチュラルやMIU404のキャストの合流も
とても自然で、
こういう世界共有は、今後もやってほしいな
と思った。
僕は井浦新さんの演じる中堂系がやっぱり好きだ。
元気そうでよかった(?)
と安心した(ちょっとおかしい)。
映画館は1週間経っても満席で、
そのぶん聞くまでもなく、
色んな人の感想が、耳に入ってくる。
すると、
お目当ての俳優の出番が少ないことに不満があったり
張り巡らされた伏線を見落として、
シーンの意味が理解できなかったり
と人数分の見方があることに
改めて思いが至った。
色々言いつつもみんな楽しそうだった。
劇場で観るべき映画です。
ラストワンマイル(最後の1マイル)
「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界線で物語が展開する
シェアード・ユニバース作品として注目が集まっていますが、
両方の作品をまだ見ていない私でも問題なく楽しめました。
初心者にもやさしい映画です。
物語は、ブラックフライデー前夜、
世界規模のショッピングサイトの配送センターから配達された
段ボール箱の爆発から始まります。
主人公の新任センター長・舟渡エレナ(満島ひかりさん)は、
チームマネージャー・梨本孔(岡田将生さん)と一緒に、
事件の解決を目指すのですが・・・
本作では、爆破事件の解決と並行して、
物流の2024年問題、外資系企業の実力主義、
元請け・下請け企業、配達員とのパワーバランスといった、
業界の事情を描きながら、
そこで働く人々の葛藤と仕事への誇りを
満島ひかりさん、岡田将生さん、阿部サダヲさん、
火野正平さん、宇野祥平さんが丁寧に描いてます。
満島ひかりさんはTVインタビューで、
エレナの役作りに集中するため、
撮影期間は他の仕事を入れなかったと話されていました。
その甲斐もあってか、主役級の俳優が続々と出る中、
キャラの立つエレナを見事に作り上げています。
物流のラストワンマイルで起こる爆破事件と
加速するITシステムを題材に、
複雑な人間模様が描かれる社会ドラマで、
素敵な映画でした。
最後は、正義感が勝ちますね。。
物品流通の闇をつつく
すべてはお客様のために
テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」は観ていなくても、「ラストマイル」はオリジナル脚本で1話完結するストーリーなので、そのことが鑑賞の妨げにはならないだろう。
観客動員数、興業収入が記録を更新しているのは、そのドラマが根強い人気を誇っていて、続編を期待して、普段足を運ばないファンが映画館に来ているかららしい。
すべてはお客様のために、一見聞こえのいい言葉だが、それを実現するために、裏側ではとてつもない軋轢や歪みが生じているということを、経営元、物流センター、運送業者、荷物を配送する人と受け取る人まで描くことによって、白日の下に晒している、そこに労働者の1人として共感できた。
また、ノンストップムービーというところも、最近ダラダラ展開していくシーンが多いミニシアター系の映画ばかり観ていたせいか、そのテンポ感、スピード感がとても心地よく、飽きずに観通せた。
でも、サスペンスの部分は、なぜ従業員は飛び降りたのか、なぜその彼女は爆弾を仕掛け罪のない人を犠牲にしたのか、その動機がはっきりわからずモヤモヤした。そこは想像に任せるということなんだろうか。
この映画は、結局、過重労働が問題になっている。今私はECサイトの仕事に従事しているが、それよりも大学生の時に経験した巨大印刷会社の深夜の工場バイトを思い出した。365日24時間止まらないベルトコンベア、ストップさせることは許されない。資本主義のグローバル化は加速し、製造業だけでなく、流通業へと膨張し続けている。
巨大資本主義はなにもかも呑み込んで利益のために人を動かそうとする。資本主義と対決することは難しい。自分たちもその土台にのっていないと生活できないからだ。でも、資本優先になり過ぎた社会が明らかに歪んでいるのも確かである。
ドラマ「アンナチュラル」や「MIU404」と同じ世界線の物語として...
ドラマ「アンナチュラル」や「MIU404」と同じ世界線の物語として描かれてるとの事でNetflixでドラマを見て映画館へ。
間に合わなかったあとの物語を描く「アンナチュラル」そして最悪の事態になる前に間に合わせる「MIU404」。
この映画 「ラストマイル」はちょうどその中間をいく物語。
ドラマ2作品を見ていなくても楽しむことができるけど、やはり俳優さんらのキャラクターを知った上で見た方が絶対面白いと思う。
この映画、始終ヒヤヒヤ。
爆破も怖いし、犯人が誰かも怖い。
責任のなすりつけ合いな人間性も怖い。
鑑賞後…感想として犯人は確かに悪だとは思う。
けれども失くして、壊して、奪われた側でもあり、がらくたにされた被害者側だとも思った。
運輸関係者以外が知り得ない世界観。
これを題材として「ラストマイル」のような作品が出来た。
パフォーマンスやノルマ、どうでもいい数字を上げなきゃいけない不条理の中で、スピードまでもが求められる今の世の中。
がらくたにならないよう問題提起されてる気がした。
今まで利便性や効率性のことしか考えず、配送に頼った自分の生活スタイルも見直さなくちゃだ。
この業界の裏側を知りとても考えさせられるものがあった。
荷物が届くのは奇跡的なこと。そして敬意を表したい。
満足感あり!
アンナチュラルとMIUはほぼ出てこない
同業者として胸に刺さる作品
エンタメ性、社会性、観て損なし!
アンナチュラルが大好きでした。今回MIU404もコラボしているとのことで、しっかりドラマを見て予習完璧でいざ鑑賞です。
映画館は結構大きめな劇場でしたが、満員御礼!皆さんの期待値があがります。
結論からいうと本当に今の便利な世の中を支えてくれている物流業界の闇をみた感じです。でもそれもそれぞれの立場にその立場なりの正義があってとても難しい問題だと感じました。
予習した割にはアンナチュラルとMIUは本編にそれほどの影響はありません。未視聴の方でも全然楽しめます。ただ見ているとそのドラマを思って胸アツになるというオマケ的な感じ。
満島ひかりさんはこの役にすごくあってましたね。もう満島さんの存在感で最後までスピード感をもって観れます。岡田将生さんもちょっと斜にかまえた感じの役がいつもはまって大好きです。
野木さんの作品はエンタメ性もあり、社会問題も取り入れたりして本当に楽しめます。しかしアンナチュラル信者としてはここぞというときに米津さんの歌が流れるのが醍醐味だったわけで、映画だとそれがないのがちょっと残念。
ちなみにMIU404を見て、いいときに流れる米津さんの歌を聞いてやっぱりいい!となり、ネットでCDポチってしまったんですが、恐ろしい速さでうちに配達されました。
時の社会問題を平凡に描いた
結論から言えば、映画としては平凡だった。
タイトルの「ラストマイル」とは物流の最下流のことだが、事件はもっと上流の物流倉庫内でも起きていた。今、社会問題になっている物流業界の闇を取り上げている。外資系EC物流大手と日本の中小宅配業者という関係性は、この業界でなくとも世界の産業構造の縮図を見ているようで衰退した日本を憂う者の焦燥感をも誘う。離職率の加速や責任の所在が不明瞭な臨時社員を酷使する雇用形態。事件の背景にある社会問題をわかりやすく描いている点では共感を得やすい。
一方で、映画としては、平凡に過ぎない。爆発シーンの迫力こそは臨場感を感じたがそれ以外は普通のドラマだ。役者は、率直に言って満島ひかりが物足りない。主役の重要な役処を演じきれてない。さながら薄っぺらなキャリアガールのノリだ。実績のある女優だけに残念だ。対して岡田将生や星野源は役柄を違和感なく演じきっていて感心した。往年の二枚目(?)俳優の火野正平はこの手の役柄には妙にハマる。そして何と言っても「ラストマイル」を担う運送業者の関東局局長役の阿部サダヲの好演ぶりは微笑ましい。
余談だが、このような社会構造は古くから欧米にあったもので、塚原あゆ子監督には、これを日本に持ち込んだ政治家や経済学者の闇に切り込むようなテーマを題材にした社会派の映画作りに取り組んでほしいと感じだ。
ハイスピードで見応えあり
私の中の「ベスト3」に入る感動作!
ぐっと ぐっと刺さった
ロジスティクスの世界の様々な人間ドラマを詰め込む
働く全ての人に畏敬の念を
この作品から何か教訓を得るとするならば、上記の言葉になるかもしれない。
本作は物流業界に携わる様々な立場の人間のそれぞれを細やかに描写することで、「資本主義」が引き起こす問題を提起する社会派映画だ。
良いサービスの裏には悪い労働環境がある。安いチェーン飲食店の従業員の顔はいつも死んだ魚のようだったことを思い起こした。
「すべてはお客様のために」
これは高尚なスローガンかもしれない。しかし、それは呪縛のように労働者の逃げ道を塞ぐ。消費者はその恩恵を受ければ受けるほど苦しさが巡り巡って(労働者としての)自分自身に返ってくる。
この作品における犯人はこの社会の仕組みなのだ。
しかし、このことの是非について語ること自体は建設的でない。
この映画を通して私は、全ての労働者に敬意を持つことで消費者として経済に関わり、一方で、自身の労働に誇りを持つことで生産者として経済に関わるべきなのだと学んだ。
意義ある問題提起をこのようなエンタメに落とし込めている点で素晴らしかった。
一方で(扱っている題材を鑑みれば、致し方ないが)、登場人物や場面転換の多さから破綻していないとはいえ、出てくる一人一人に感情移入することは難しく、物語としてのテンポが遅いことも気になった。
エンタメ映画としては、あまり面白いものではなかったように感じてしまう。
5.0 人生観を変えられる名作、宝物のような映画
4.5 何十回と見返したい傑作、何年経っても思い出せるほどの感銘を受けた映画
4.0 複数回見返したい秀作、自信を持ってお勧めできる映画
3.5 見返すほどではないがとても面白い良作、観る価値がある映画
3.0 所々ツッコミどころはあるが面白い佳作、観ても時間の無駄にはならない映画
2.5 全体として面白くはないが最後まで観れる凡作、暇であれば観る価値のある映画
2.0 頑張ってなんとか最後まで観れる駄作、観ても時間の無駄となる映画
1.5 寝てしまうほどつまらない愚作、作り手を軽蔑する映画
1.0 論外、話すに値しない映画
この映画のすごいところ
簡単に言うと、オリジナルの映画というところだ。
原作は無い(下敷きにドラマがあるがドラマもオリジナルだ)現在の映画界では稀有な存在だ。売れるかわからない博打を打っている。しかし、過去のドラマがとても良い出来だったこともあり、勝算がないわけでは無いが。
あくまでオリジナルの映画がシネコンで大々的に放映され話題になっている。この映画に触発されて原作ありきの映画だけでなく、もっと挑戦的な映画が作られる流れになるとこの映画は映画史に残るかもしれない。
ラストマイルの世界線にあるドラマは2つとも見て好きだったので期待して見たが、期待に応えたと言って良いと思う。見応えはあるし、社会的な問題を考えるキッカケにもなる凄い映画だ。しかし、ドラマ見ていないと入り込めない世界観は諸刃の剣だ、観てなくても楽しめると思える映画が良いよなと、欲張りすぎだけど。
気になったのは、この映画は先ばかり見ている気がする、前のめりすぎると言うべきか、例えば爆弾を仕掛けた犯人はもっといろいろできたんじゃ無いかとか、犯人の恋人とのあれこれがかなり置いてけぼりだと感じたので、そこに感情移入は難しい。
出ている役者は一級品でした。長くなるので満島ひかりは,絶品の演技だったとだけ。全員良かったけどね。
大ヒットしたらこれからのシリーズものになることを期待しつつ、この余韻に浸りながら次の作品を待とうと思う。
社会派サスペンス・・
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