ラストマイルのレビュー・感想・評価
全778件中、1~20件目を表示
「会社」「組織」に毒されて、人の辛さに鈍感になった人たち
会社組織にマヒした人たち。人の辛さに鈍感になっていく。
会社のフィロソフィー。企業側の利己的な意図を高尚なセンテンスで包んだ空虚な言葉たち。そんなもの達成して何になる?売上〇〇達成してどうなる?1日200個配達しても死んでしまったら意味がない、人を崖っぷちに追いやっての地位など意味がないのに。属していた時は、なぜかそれが全てで意味があるものに見えてしまう。巧妙な洗脳。
「安いだけで買ってはダメ。必ず誰かに皺寄せがいっている。」
「短絡的で一元的な買い方は見直さなければならない。」
それは頭では解かる。この映画を観なくても知っている。
でも「そういう高尚なことは他の誰かが考えてくれたらいい。裕福ではない私は安いものを買わせてもらう。。」と、ブラックフライデーで数百円の差額欲しさにポチッてしまう。しかもどうでもいいものを。。。そしてこれは当然に私だけでなく他の人も同じように考えるのよ。 「得したい病」「損したくない病」の慣れの果て。
仕事の本懐をかろうじて守っていたのは、火の正平親子の配達業者だけ。
最後に商品を子供に手渡すシーン。これこそが流通の本懐である。
※「爆弾は12個ある」の根拠があまりに弱い。こんな根拠の薄い推理に人命をかけてしまっていいの?20個あったらどうすんのよ。
※最初の爆弾は自分で起動させたのだろう、という根拠もちょっと強引だよ。
※ブラックフライデーは間違いなく嫌いになるな。
※エレナのような女性社員いる。外資で。よく仕事ができるわ。
※エレナが「ここまで準備してきて。。。」と涙ぐんだが、その準備とは?よくわからんかった。
※火野正平親子がいい。火野正平さん、いい味だしてます。ありがとうございました!天国でも自由で、笑って、カッコかわいく、お過ごしください。
便利で効率的な暮らしの裏で戦う人々の姿
きっとみんな薄々気づいているけれど見てみぬふりをしているもの。
送料無料で頼んだものが明日届く。
よく考えたらわかる。利便性を追求し、それを当たり前のように享受している日常の奥で、苦しみながらも闘っている日本の物流の人たちがいることを。
けれどその豊かな生活を手放したくないから、課題解決を後回しにし続けている。
きっとこれはフィクションではなくて、ノンフィクションになってもおかしくない悲劇なんだと、見終わった後すごく考えさせられた。
大好きな野木脚本な上に、大好きなアンナチュラルとMIUの2作とのシェアーズユニバースムービーというだけで、ワクワクが止まらないのに、それを抜きにしてもしっかりと作り込まれたストーリーとキャラクターとメッセージに、やはり塚原✖️野木タッグは裏切らないと感動した。天才すぎる。
最後の伏線回収もお見事だし、シンプルなハッピーエンドで終わらせないところも良い。
きっと2度目はまた違ったことに気付いたり感じたりできそうな映画だなと思った。
日本のブラックフライデー
「アンナチュラル」と「MIU 404」は見ていないけれど、すごく楽しめたし、歯ごたえ抜群の社会派ドラマだった。というより、2本のテレビドラマの要素はあまり多くないのでは。初見の人の方が楽しめるんじゃないかとすら思った。
舞台は、巨大ショッピングサイトの物流センター。ブラックフライデーに向けて大忙しの中、配達物が爆弾とすり替えられて、死者も出てしまうが、繁忙期に物流を止めたら、経済的な損失が大きい。警察の捜査も迫る中、犯人捜しと経済活動を両立させるために主人公たちがもがく様を、上層部や配送センターの下請けの従業員など多数の関係者のエピソードを交えながら描いている。
そもそも、ブラックフライデーはアメリカのサンクスギビングの後の金曜日の安売りデーのことなのだが、なんでサンクスギビングのない日本でそんなのやってるんだと改めて思わされる内容である。もう、単に商品売る側が何でもいいから理由つけて、商戦期創り出しているみたいな話であって、グローバル資本の歪そのものだ。
人が死んでもベルトコンベアは一瞬しか止まらない。巨大なグローバル資本主義は何もかも呑み込んで利益のために人を動かそうとする。資本主義との対決は難しい。自分たちもその土台に乗っていないと生活できないのだから。でも、資本優先になりすぎた社会は明らかに歪んでいるのも確かだ。
「映画『ラストマイル』と僕の“疎外労働”体験」
物流業界の闇を描いたサスペンスだが、そこに浮かび上がるのは“新自由主義が生み出した労働の現場”だった。
ラストワンマイル——最後の配達工程。受け手からすれば当たり前の便利さだが、その裏で「迅速」「丁寧」「安価」を求められる労働者たちは、常に疲弊し、すり減っていく。
これはかつて僕自身が経験した「疎外労働」の構造と重なる。小売店を継ぎ、フランチャイズ本部との軋轢の中で自由も尊厳も奪われていった。あの時、自分がまるで“顔のない労働力”に変わっていくような感覚があった。
マルクスの言葉を借りれば、それは「自分の労働と自己に対する疎外(疎外労働)」。何のために働いているのか、誰のためなのかも見えなくなっていく。映画の中でも、システムや企業は責任を個人に押し付け、「便利さ」だけが正義になっていた。
これはエンタメ映画ではあるけれど、“僕たちが日々無意識に享受している便利さの裏側”を鋭く突きつけてくる。労働とは何か、正義とは誰のものか。観終わったあと、そんな問いが静かに残った。
これをAmazonが配信するの?
巨大物流システムを題材に
誰もがAmazonを想像するであろう巨大な物流倉庫とその配送システムを舞台に、爆弾が混入されるという事件の解決に向け、それに関わる人々を群像劇として描いた映画。
事件推理とかパニック映画的な側面もある。けれど、映画の特徴としては、なんと言っても超巨大な物流システムの仕組みや、それを支える人々(ノルマを徹底管理された(死んでも止めることは許されない)倉庫の社員から、出荷される荷物を運ぶ下請けの配送業者、そして最後の末端(ラストマイル)の配送ドライバーまで)を描き、問題提起をしている点だと思う。
「カスタマーファースト」の言葉と表裏一体の利益優先のアメリカ巨大IT企業、それに翻弄され辛酸を舐める人、建前や矛盾を抱え込みながらも、それが人々の生活を支えているという現実。
Amazonをヘビーユーズしている我が身を振り返ると、決して他人事とは思えない(でも本当に便利なんだよな)。
ストーリーとして、少し筋が追いにくく難しいと感じる部分があったけど、よくできた脚本だったと思う。
満島ひかりは、超優秀な外資系社員(でも秘密やどこか不安定な感情を抱えている)という役によくハマっていました。
ブラックなフライデー
邦画にしては悪くはなかった
良質な2時間ドラマのような。
ドラマ「アンナチュラル」と「MIU 404」とコラボしているようで...
ロッカー
思いがけず火野正平さんに出会えた
全778件中、1~20件目を表示