「資本主義の現実」ラストマイル tttさんの映画レビュー(感想・評価)
資本主義の現実
何でもかんでもお金に換算してしまう現代。
仕事を通じて自分の時間を労働力として金融資本に変換している。
より安い商品を販売するためにコストである労働力を安く買いたたく。
機械に比べて柔軟に融通を利かせて動いてくれる人間なのに安すぎる給料で働く人が多すぎる。
役割分担として、また責任の重さで役職によって給料が違うのは理解できる。
それにしても現場で体を動かして体力を使っている配達員と本社勤務の人間で倍以上も給料が違うのは根本的に給料システムがおかしい気もする。
看護、介護、保育士など人の命を預かる仕事の給料が安いことは社会問題になっているが、
仕事ということ、お金の価値、に関してとても考えさせられる映画だったと感じる。
ストーリーに関して、工場のトップが若い男女はあり得ない、みたいな意見も見られたが
外資系企業として実力の高いものが出世しているという点で自分は気にならなかった。
それよりも、岡田将生が演じていた役が前職がIT企業で、とかホワイトハッカーで、みたいなキャラの深堀というよりは後付けで都合のいい設定をつけただろと思ってしまった。
ロッカーの2.7m/s(?)のような文字に関して
人が一人分の体重でベルトコンベヤーが止まるという意味だと解釈をした。
その上で、文字通り命を使ってベルトコンベヤーを止めたのに、止まったのはほとんど数分。
すぐにベルトコンベヤーが動き、商品が流れていく姿に人生の無常を感じた。
どんなに一人が必死に頑張ったところで世の中の大きな流れには逆らえないということ。
当たり前だが、普段自分が使用しているものはすべて誰かの手によって生産されているということ。
日々生活している中で資本主義社会に触れないということは不可能だということに無常を感じた。
何か商品を購入したり、サービスを利用するときは、このお金は誰に渡されているのか考えるようにしたい。
ただ安いから、という理由で不当に安く労働力を買い叩いて生産された商品を購入しないように気を付けたい。
