「近代の奴隷制 潜入ルポ デイリーファスト帝国の闇」ラストマイル 寝落ち中尉さんの映画レビュー(感想・評価)
近代の奴隷制 潜入ルポ デイリーファスト帝国の闇
おもしろかった。
やや民放ドラマ的なノリは感じてしまうものの、映画としてまとまっていて楽しめました。
いやー、もう最近前情報ナシで観たら続き物予定で話が中途半端に終わるのが多くて・・・。
関連ドラマ等は未鑑賞です。
ミステリー的要素で、この人が犯人?いやこの人がもしかして?という惹き方は、なかなかいい塩梅だったかと。
DairyFastというか某尼...の裏方ってこんな感じなのかな~って実際に携わったことの無い人へのアピールにもなっているのが良いです。ドラマ式にだいぶデフォルメはしているのでしょうけども。
ちょいちょいと「??」な点はありますが、大筋で楽しめたのでヨシです。
(サラが経歴を消して送り込んだ理由とか)
(そもそも送り込んだところで何になるの?とかわかりづらい)
(日本法人の代表の人と、チームマネージャーの人が判別しづらいところがチラホラあった)
(爆発の規模がその都度毎に波がありすぎる・・・羊運輸の元日立…じゃなくて元ひのもとの人がなんであれで無事だったのかとか、ドラム式洗濯機ってそんなに頑丈なの?とか)
「潜入ルポ アマゾン帝国の闇」 (横田 増生 著)が以前気になってまだ未読なので思い出して読みたくなりました。
お客様第一とかどんなに耳障りの良い建前を掲げても、結局自分たちが儲けたいだけじゃんね?
昨今の政治家と変わらない印象。
彼らの立場にすれば「そういう他ない」感じなのもわからなくもないのだけども。
他者をダシにした建前で、私利に偏った思想を隠している。欺瞞。
配送業者の人たちだって、業務外ならお客さまだしねぇ。そして、社員ではないから奴隷のように都合よく使い放題切り捨て放題。そういう欺瞞に対する描写も少しだけ描かれているのが良かったです。まぁ先日プライム感謝デーでポチらせて頂いたばかりの私が言うのもナニですけど(いつも置き配でお願いします、関係各所の方々のおかげです。ありがとうございます)
いずれにしても、現代であってもやっていることは過去の歴史と同じなのですね。
支配と従属。
最初は甘い顔で入り込んで十分後戻りできないレベルで依存的に広まった後からは、じわじわと締め付けて収奪を開始する。これは単純化すれば近代の奴隷制と呼んで差支えないでしょう。アヘン貿易然り。
誰かが犠牲にならないと世間や世論は動かない。その前に想像力で物語の力で示すのはとても意義のある事だと私は評価します。 いやまぁ、見えないところ見えづらいところで既に多くの人が犠牲になっているとも思われますが…。