「2.7m/sで駆け抜ける社会派サスペンス」ラストマイル humさんの映画レビュー(感想・評価)
2.7m/sで駆け抜ける社会派サスペンス
はじめからつきまとう〝ある違和感〟。
言葉としぐさに本当の姿の無さが見え隠れするわけはなんだ?と探りながら観る。
繰り返す空振りと途切れない緊張を載せていくベルトコンベアのせわしなさが胸のざわつきを煽り続ける。
歪んだ秩序
連鎖するあやまち
麻痺を葬る組織
それらを理解するほどに辛いのは、失う自分をのみこむ自分がここにいるからなのだろう。
完璧な速度を保つために置き去りにされたものを叫ぶ命が、それさえも歯止めにならないことを知った悲哀はゼロを〝通り過ぎた〟。
腑に落ちていくあれこれがようやくエンディングの歌詞に溶け込む。
誰かの思いの過去と未来。
そこに思いを馳せる人がうやむやにしない行動がある限りはまた違う誰かの道を繋ぐことがあるのだ。
生きて、切り込む
彼女はそれを選び繋ごうとした。
そして体験した闇の辛さを共有する彼にバトンを託しこの先は「孔次第」だと言う。
そこに落とし込まれたメッセージは重く深く、まぎれもなく〝あなた〟に向かっているのだろう。
なかなかないキャストの豪華さ、脚本や演出の巧さと美味さを堪能。
そして忘れられないエレナのまなざしに宿る強い意志を思い出しながら、またしても米津さんの楽曲を含めて完成される傑作ふたたび、と感動している。
hum様 共感·コメント·フォローありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)⸝
hum様のレビューはいつも詩を詠んでるかのような素晴らしいレビューですね。
スピード感あるハラハラする映画でした。米津玄師さんの曲私もすごくマッチしてると思いました(ᴗ͈ˬᴗ͈)
スティーブ・ジョブズは子どものスマホやiPadの利用を制限していたし、ビル・ゲイツは子どもが14歳になるまでスマホを持たせなかったそうです。
彼らはスマホやSNSの依存性とそのリスクを誰よりも肌で知っていたわけです。
共感ありがとうございます。
最終盤やっとセンターから出て来たエレナとショウヘイズの邂逅でしたが・・その場限りの条件を呑まされた感満載で、根本的な解決には繋がらない所が苦い結末ですね。「爆弾はまだ在る」また出て来るって事ですね。