「キッズ映画に求めるものとは」映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記 soraさんの映画レビュー(感想・評価)
キッズ映画に求めるものとは
キッズ映画に求めるのは子どもを楽しませてくれることだけ
大人へのゴマすりは必要無いと考える親の立場です。
そんな私からすると、今回のクレヨンしんちゃんは残念の一言。行く前にレビューをみるべきだったと後悔しました。
まず、キッズ映画にお涙頂戴のキャラ死シーンは必要無いと思うんです。幼稚園や小学生低学年の子どもたちに、その押し付けの感動っていりますかね。
恐竜との別れを描くとしても、やりようはいくらでもあるはず。今までのクレしん映画でも、あらゆるキャラクターたちとあらゆる手段でお別れしてるじゃないですか。
ただ、ここまで思ってしまうのは、我が子が『死』か絡むシーンを非常に苦手に思っているからかもしれません。
ラストシーンで呆然とし、泣きじゃくりながら『このしんちゃんは嫌い』とポツリとこぼしてました。ここまで拒否反応を示したのはサブスクで『ロボ父ちゃん』を観たとき以来でした。
ラストシーン以外はちょっと詰め込み過ぎで、とっ散らかっている印象。描きたいものが多いのかなと見守っていると、終盤はネタ切れ感が強く、なんとか尺までひっぱろうとしているような、求心力のないストーリーになってしまっていました。
昭和ネタも、子どもにささるおもしろさであればいいのですが、カラ滑りしてるなと感じます。
キッズ映画は子どものためにあってほしい。親は子どもが楽しんでくれたらそれだけで満足です。『親も楽しめる』『感動!!』そんなの必要ない。子どもを満足させて欲しい。
そんな私の考えのもと採点すると、このような評価になってしまいます。
『死』を怖がるお子さんをもつ親御さん、行くかどうかは要検討です。
お気持ちはよく分かります。
私は関係者でも何でもありませんが、1つ思うのはクレしんは元々漫画アクションという青年漫画誌掲載から始まっていて下ネタ満載の大人向け漫画だったのです。現在世間の認識はキッズ映画ですからコメ主の要望は分かるのですが、本来のクレしんファンの為に何処かしら大人向けの雰囲気を残しているのは毎度の事です。
例えば傑作と名高い嵐のアッパレ戦国大合戦でも重要なゲストキャラが銃殺されてしまい、大人の私すらえ?となったのですが、歴史改変しないという基本からはそうならざるを得なかったのでしょう。
恐竜なら尚更生き残らないでしょう。クレしんはそういうアニメなのだと思われた方がいい気がします。