「観たくなかった『ビジネスしんちゃん』」映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記 しっぽさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0観たくなかった『ビジネスしんちゃん』

2024年8月9日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

『クレヨンしんちゃん✕恐竜モノ』という激アツな組み合わせを1年間待ちに待っておりました。公開日に映画を観るなんて初めてです。
公開して日にちが経つと、どうしても何かしらのネタバレを目にしてしまうのが我慢ならないために、仕事終わりで彼女と駆けつけて鑑賞して来ました。
大好きな映画『のび太の恐竜』『のび太の新恐竜』のような恐竜モノにしんちゃんが加わればどうなるんだろう?と期待値MAXでした。その結果観たくなかった『ビジネスしんちゃん』を観てしまったようで残念な気持ちです。

恐竜モノはどれだけ友情を育んでも『将来一緒に暮らすことが出来ない』ため『どう別れるか』が最大の見どころのはずです。
監督や脚本家の方は風呂敷を広げ過ぎて収集出来ず、物語を間違った方向に導いてしまいました。こう終わらせよっか!キャラも出したしギャグも等間隔で入れたし…大丈夫だよねこれで!と。巧妙に作られているなとは感じましたが…そこじゃないんだよなぁと観ていて思いました。
内容の評価以前に普段から楽しみにクレヨンしんちゃんを観ていない方々なのでは?ということを痛烈に感じてしまいました。
リスペクト以上にクレヨンしんちゃんへの果てない愛が全くもって足りていないです。LikeじゃなくLoveじゃないとダメなんです。

私はいい年齢の大人ですが、胸を張って言います。
しんちゃんは陰湿で排他的な現代社会に生きる私たちに差し込む数少ない希望の光なのです。
私たちが今日学校や職場でイジメや理不尽な目に合っても、今日クレヨンしんちゃんを観れば今日中にしんちゃんが助けてくれるのです。
それこそが、しんちゃんにしか成し得ない奇跡なのです。

そしてやっぱりといいますか、最近のドラえもんにも見受けられる一番やらないでほしいこともありました。
主人公が今回の物語で伝えたいメッセージを説明セリフで言ってしまうということです。例えば『どんなことでも助け合うのが仲間だ!それが仲間というものだ!』とか、それは主人公にセリフとして言わせずに作り手が表現として観る側に感じ取らせなければいけないところだと思います。
セリフとして主人公に言わせた時点で物語の連動性がなくなり、見る側は冷めてしまいます。子供を連れてきた親を意識してそういう場面を作っているのなら、それは大人の思い上がりというものではないでしょうか。
子供は物語からのメッセージを感じ取る力を時には大人以上に持っています。そこに挑戦してほしかったのに!と只々残念に思います。そのとき、大人も子供に戻れるのにと。

『のび太の恐竜』で、のび太はピー助に対して
『これだけ言ってもわかんないのかっ!!近よるとぶんなぐるぞっ!!』
と泣きながら叫びました…令和では厳しい表現になってしまうでしょうか。

彼女は『歌も良くなかったね…』と言っており、女性の評価はもっと手厳しいものでした。
期待値のハードルが下がった状態なら、十分に楽しめると思いますので是非とも映画館へ足を運んでいただければと思います。
そこにしんちゃんはいます。
しんちゃんいつもありがとう!

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しっぽ