「意外性も鮮烈さもない」トラペジウム ばりんさんの映画レビュー(感想・評価)
意外性も鮮烈さもない
友人から勧められて見たのですが、正直に言っておもしろくなかったです。
話の構成としては起承転結構成になっており、
起:東がアイドルユニットを組むための仲間を集める
承:ボランティア活動等を通し有名になりアイドル活動が軌道に乗る
転:メンバーの恋愛沙汰を皮切りに亀裂を生み、解散
結:仲直り
エピローグ:10年後にそれぞれ好きなことをしていながらも仲は良い描写
のようになっているのですが、終始主人公視点でしか描かれないこと、微妙な掛け違いがありつつも先に進んでいく流れから、開始20分ほどの段階でラストまでの結末が容易に想像できて、本当にその通りになったので面白みに欠けるといった印象でした。
恋愛沙汰が発覚した際の「友達にならなければよかった」という発言は強烈ではありますが、その後すぐに「言いすぎてごめん」と謝罪するシーンがあり、実際にはそれは何の解決にもなっていないのですが、本人の中では解消したことになってるのが、鬱屈や蓄積の浅さ、鮮烈さに欠ける要因の1つかと思います。
そこで謝らず、なんなら取っ組み合いの喧嘩でもして、ハッキリと喧嘩別れでもしておけば仲直りするためのハードルも高くなり、仲直りできた時のカタルシスも大きくなるものを、安易に解消してしまうのがとてもチープに感じました。
というか正義の違いでしかないんだからそもそも謝る理由がないんですよ、、、
仲直りした理由もCD販売という大人の力によるものなので、フィクションにおける奇跡というのはもっと鮮烈でありえないことでなければならないかと思います。
まあ、こういった印象の薄さ、浅さこそが総じて主人公、東がずっとオーディションに受からなかった理由である、と1周回った見方をすることもできるのですが。
星0.5でもよかったのですが、わたしが羊宮妃那のファンなので彼女の声が聞けた分のプラスで星1にします